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2009/日本/エンジンフイルム=アスミック・エース/127分
出演:笑福亭鶴瓶 瑛太 余貴美子 井川遥 松重豊 岩松了 笹野高史 中村勘三郎 香川照之 八千草薫 
監督:西川美和
http://www.deardoctor.jp

偏差値:60.3 レビューを書く 解説

親愛なる先生 [87点] [参考:1]

このレビューはネタバレを含みます

監督の西川美和さんがすごくチャーミングな方で、2009年は色々な賞を取って話題をかなり持って行っちゃった人です。作品の方も期待していましたが、これは噂通りの傑作ですね。鶴瓶師匠もついに映画に本格進出。うまいです。

これが批評家とか色々な人に高く評価されたのは、人間というものがどういうものなのか、よく描けているからだと思いました。

村の医者、鶴瓶師匠は「あの医者はいい医者だ」と村人から尊敬され、愛されているのに、偽の医者だとわかると「変だと思った」と非難される。いいところばかりが見えていたのに、今度は途端に悪いところばかりが見えてくる。人間ってこんなもんだよなあ。

映画を見ていると、鶴瓶師匠が偽者だということは観客には割とすぐにわかってしまうのですが、鶴瓶師匠が偽者でありながらも医者としていかに行動しているかが興味をひきます。ガンだということをだまっているのは医者としては失格かもしれないけれど、人としてはこういう選択肢もありなのだと思いましたし、急患が来て思い切った行動を取ったのも、本物の医者にはできないことであって鶴瓶師匠の行動のひとつひとつが興味深いんですよね。人ならこうするであろうというのがよくわかるんです。

八千草薫と鶴瓶師匠のやりとり、これがまたいいんですよねえ。懐中電灯をぐるぐる回す仕草がまたいい。最後はさりげないですね。心憎いくらいにさりげない。とても魅力的なキャラクターです。

僕も20年後にもう一度これを見たら、たぶん今度はもっと高い評価をつけていると思う。

2010/01/28 06:34

シネマガ管理人

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