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フィッシュストーリー

2009/日本/ショウゲート/112分
出演:伊藤淳史 高良健吾 多部未華子 濱田岳 森山未來 大森南朋 
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
音楽プロデュース:斉藤和義
脚本:林民夫
撮影:小松高志
照明:松岡泰彦
録音:高野泰雄
美術:仲前智治
http://fishstory-movie.jp/

偏差値:62.0 レビューを書く 解説 予告を見る

素晴らしき哉、人生! [97点] [参考:2]

売れないパンクバンドの放った1曲が人類滅亡を救う? この無茶苦茶なストーリーをいったいどのように料理するのかと思ったら、いくつものエピソードをドッキングさせて、まんまとやってくれました。なるほど、正義の味方ね。なるほど、ゴレンジャーね。なるほどの連続!あまりの話術の巧みさに腰が抜けちゃいます。かっこいいー!!

テーマはすごく普遍だと思います。運命の不思議を実にファンタジックに描いてくれました。自分のしてきたことも、もしかしたら誰かの人生を変える役にたってるかもしれないと、そう考えると素敵じゃないですか。

音楽についてはド素人の俳優たちが猛特訓して、逆鱗というバンドをこの映画のために誕生させたところもすごいですね。バンドリーダー役の伊藤淳史が冗談抜きにホント無茶苦茶かっこいい。音楽のクオリティも本物のバンドといっていいくらい気持ちが良いです。彼らが真剣にレコーディングしているシーンだけでもぐっと来るものがあります。彼らバンドのメンバーがしみじみと居酒屋で語り合うシーンはもう魔法がかかったような時間で夢見心地にさせてくれます。こんな感情は映画を見てそう感じられるものじゃないですよ。ほんと、生きてて良かったと思う映画です。

2010/02/09 02:13

シネマガ管理人

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好きです、こういうホラ話。 [95点]

※ネタバレを含むレビューです。
売れないバンドの最後の1曲が地球を救う、というホラ話(フィクション)。

原作の良さを全く損ねていない、
というよりも、原作をさらに面白くしてくれています。

地球衝突寸前の彗星を爆破するまでの、あり得ないような物事の連鎖。
これがとても面白かったです。

あり得ないといえば…
正義の味方(森山未來)が撃たれた後に、まさかスティーブン・セガールと同じ事を言うとは思いませんでした。

随所でふっと笑えて、最後には実に爽快になれる作品でした。

2009/12/27 23:25

jake

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構成力抜群の映画 [90点] [参考:1]

※ネタバレを含むレビューです。
彗星が地球へ衝突が迫ってくる2012年。
世界が終わろうとする中、日本のとあるミュージックショップに、日本のパンクバンド“逆鱗”の「フィッシュ・ストーリー」が流れる。
このパンクな1曲がまさか地球を救うきっかけになるとは?一体どうやって?

物語はこの2012年からスタートし、2009年、1999年、1982年、1975年の5つの時代が、短篇映画のように場面が変わっていく。

登場人物もどこで重なるのか?最後の5分間で一つ一つの時代の人たちの糸が重なりあい、やがてつながっていくのがわかるというユニークな構成。

面白い。
初めはホラー系で眼をそむけたくなるシーンや、胸がムカつくシーンがあって「これはちょっと私には?」と思ったが、だんだんと映画の構成の不可思議さと見事さに惹きこまれていき、ラストはとても後味のいい小気味良さで終わってくれた。
しかし、よくまあこんなとっぴょうしもない話が作れたものだ(笑)。
よく考えると、とてもじゃないが、全くつながりがなさそうな事をつなげてしまったよね。

売れない、しかもまだ「パンクロック」という名すら知らない日本のパンクロックが一体、どうやって世界を救うのか?

「今、俺達の音楽が売れなくても、誰も認めてくれなくても、けっして無駄じゃない!」って。
この映画、必死にロックバンドをやっている人たちに勇気を与えてくれることだろう。

でもさ、普通、有り得ないだろう?
まさにホラ話=「フィッシュ・ストーリー」
タイトルどおりの映画。

「アヒルと鴨のコインロッカー」の原作者の伊坂幸太郎と中村義洋(監督)が再びタッグを組んだ作品。
「アヒル~」の時も思ったが、とってもナイーブだなぁ~。そして構成力に抜群のセンスを感じる。

2009/11/17 16:22

ちりつも

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コメント2件

僕の孤独が魚だったら~♪ [90点] [参考:1]

※ネタバレを含むレビューです。
久しぶりに読者レビューの記事を書きます。

パンクバンド「逆鱗」が最後にレコーディングした曲「フィッシュストーリー」この曲が、やがて世界を救う事になるという物語。
なかなか面白そうな映画やな~と思っていて、今まで見逃していたんですがDVDレンタルが始まって、ようやく見ることが出来ました。

噂に違わぬ面白さ。まず素晴らしいのがバンドの名前。
漢字二文字で『逆鱗』分かりやすくていいじゃないですか。
そしてタイトルの「フィッシュストーリー」いわゆるほら話。そのほら話が世界を救う、こういうの好きなんですよ。「僕の孤独が魚だったら~♪」という歌詞も渋いですね~。

この作品の肝となっている「フィッシュストーリー」の無音部分、ああいう意味だったんですね。これがなければ世界は救われてない訳ですから。

それにしてもチビノリダーだった伊藤淳史、いい俳優になりましたね。僕も応援してます。ベースを弾いている姿、様になっててかっこよかった!

見事な偶像劇。そして将来が楽しみな若手の俳優もたくさん出演しています。ラスト、なるほど~そうなってたのか!と思わず唸ってしまいました。
割とあっさりと隕石が吹っ飛んでしまうあたりも笑えました。「アルマゲドン」の脚本を書いたJJエイブラムスもビックリですね。

エンディング曲は斉藤和義の「Summer days」これがまたかっこいいんだ!
『じゃんけんぽん、あいこでしょ。負けたらお前がベース。サージェントペッパーのポスター、笑うジョンとポール...』

最後の最後までとことんロックな映画です。

2009/10/25 19:55

tochiro

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壮大な魚の話ではありません・・・ [86点] [参考:1]

伊坂幸太郎の同名小説「フィッシュストーリー」の映画化。「アヒルと鴨のコインロッカー」でも監督した中村義洋監督の秀作。

※:小説を読んでいる場合とそうでない場合でかなり違う感想を持つ作品です。このレビューは先に小説を読んでいる視点で書いています。

「フィッシュストーリー」という伝説のロックにまつわる笑える話・・・この曲はまだパンクが出てくる前、ロックに日本語を乗せようと頑張っていた時代にできた妙作。。この曲には少し変わったことがありました。それは間奏に約1分程度の無音の部分があること。
なぜ無音なのか?偶然か?必然か??
そして、「フィッシュストーリー」に込められた本当の意味とは??

小説「フィッシュストーリー」を読んでいると、まず舞台装置の違いに驚きます。これって「終末のフール」が加わってる・・・つまり「終末のフール」を追加することで、もっと壮大な「フィッシュストーリー(○○話)」にしたわけです。

印象に残っているのは、映画の題名のこの曲。
僕の孤独が魚だとしたら~♪
で始まるこの妙作が小説を読んでいるときにはどうしてもリズムに乗らないのですが、見事ロックとして歌われてることに笑えます^^
そして、ジャック・クリスピンを師事する彼らの時代を先取りした曲作りへの熱さに胸を打たれ、観終わった後爽やかな感動に包み込まれます。

ロックは世界を救うのか!?
時空を超えた笑える話を観た後は、この伝説をこっそり飲み屋で誰かに教えてあげてくださいw

関連作品:「アヒルと鴨のコインロッカー」
連想作品:「パルプフィクション」

2009/03/21 17:48

Good Luck

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『フィッシュストーリー』スペシャルトークのご案内

【ショウゲート】今週から4週に渡って、『フィッシュストーリー』の公開記念スペシャルトークを実施予定です。斉藤和義さん、伊藤淳史さん、森山未來さんも登壇を予定しています! 『重力...

伊藤淳史『フィッシュストーリー』ライブを成功させる

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2009年3月9日(月)、渋谷にて、『フィッシュストーリー』から誕生したパンク・バンド<逆鱗>のライブ付き試写会が行われた。伊藤淳史は弟の死を乗り越えての演奏となった。濱田岳、多部未華子、斉藤和義も登壇した。

フィッシュストーリー

中村義洋×伊坂幸太郎×斉藤和義『フィッシュストーリー』降臨! 

2008年11月18日(火)、有楽町にて『フィッシュストーリー』の完成披露試写会が行われ、中村義洋監督、出演の伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、大森南朋が舞台挨拶をした。

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