『パラダイス・キス』北川景子のファンが激しく嫉妬する瞬間
6月4日(土)、有楽町にて、『パラダイス・キス』の初日舞台挨拶が行われ、北川景子(24)、向井理(29)、五十嵐隼士(24)、大政絢(20)、賀来賢人(21)、加藤夏希(25)、そして新城毅彦監督が登壇した。
累計600万部、14言語に翻訳されている矢沢あい(『NANA』)の人気コミックを実写映画化。日本映画界に新たに「ファッション映画」のジャンルを確立すべく、アパレルブランド100社が全面協力し、衣装・ヘアメイクなど、とことんまでこだわり抜いて作った。
新城監督が舞台挨拶では何よりも先に「撮影の許可を取るのが大変だった」と吐露していたように、ロケにも力を入れており、日本のファッション・スポット、渋谷・銀座・表参道・六本木・中目黒をロケしている他、ニューヨークでも撮影を敢行。中でも本物のファッション・ショーのシーンを撮影するために実際に神戸コレクションに北川景子が登場して撮影したエピソードはあまりにも有名である。
そんなわけで、若い女性が喜びそうな、とてもキラキラしたオシャレな作品が誕生したわけだが、何と言ってもこの映画は主演の北川景子の魅力抜きには語れない。北川はオファーを受けて原作を読んだところ、キャラクターのあまりのスリムさにびっくりして、これは少しでも原作に近づくためにダイエットしなければと思い、他のキャストたちと団結しあってダイエットに臨んだという。キャストの間ではこれを「パラキス・ダイエット」と呼んでおり、差し入れが来てもお互いを励まし合って我慢していたという。
話題作の主演が続き、今や映画界でも大スターの位置に立つ北川景子だが、この日の舞台挨拶では、『花のあと』、『瞬 またたき』の舞台挨拶のときとは違った北川景子の素の姿を見られたことが、ある意味新鮮であった。『花のあと』のときは、ベテランの役者たちに囲まれて、淑やかで聡明な女性の印象だったが、この日は同世代の役者たちが一緒に舞台に立っていたので、とても和気あいあいとした感じだった。年上の向井理とも友達口調で話していて、時々話し込んで2人だけの世界に入ってしまうこともあり、まるで楽屋で会話しているかのような仲の良さを見せつけてくれた。トーク中もお互いの顔を見てニッコリ笑ったりと、なんだかこの二人がやたらとイイ雰囲気を醸し出していた。
舞台挨拶が終盤に差し掛かったところで、突然向井理が舞台から飛び降り、どこかに消えてしまうハプニングもあった。「向井さん、どうしたんですか? まだ終わってませんよ」と慌てる司会。北川景子もびっくりして動揺を隠しきれない。間もなくして、向井が戻ってくると、手には大きな青いバラの花束を持っていた。実はこれ北川だけに知らされていなかったサプライズだったのだ。
向井はステージにあがると、目を大きく開けて驚いている北川にその花束を渡し、トレンディドラマさながらに「今までよくがんばったね」といって小粋に頭をなでたのだった。このときの向井の何というこのイイ男ぶり。北川は本当に心の底から感動した様子で、頬を赤らめ、この日一番素敵な表情で「もう帰っちゃったのかと思ったよ」「嬉しくて頭が真っ白になっちゃった」と向井に熱い視線を送っていた。
続いて、マスコミ向けのフォトセッションでは、向井が北川をエスコートするように手を添えると、自然と北川が向井の腰に手を回す瞬間があり、マスコミもこの瞬間を見逃さなかった。絵作りのためというわけではなく、二人が自らごく自然に手を取り合っていたことがむしろ嫉妬させる。これを横で見ていた五十嵐はハンカチを噛んでひっぱり、いかにも悔しそうに焼き餅を焼いていたが、これはまさにこの日集まっていた北川景子のファンの気持ちを体で表していたであろう。ちなみに、この日の舞台挨拶をこのように数々のジョークで盛り上げた五十嵐は劇中では見事に女装しているので、その辺にも注目して欲しい。
北川は最後に「人生の参考になるような良いセリフが沢山詰まった素晴らしい作品だと思いますので、これからまた何か新しいことにチャレンジするのに少し勇気が欲しいなという人に見ていただいて元気になっていただけたらなと思います」と映画をPRし、舞台挨拶は大盛況の内に幕を下ろした。
『パラダイス・キス』は、ワーナー・ブラザース配給で、現在上映中。(文・澤田英繁)
2011/06/06 0:09