『パートナーズ』元子役の浅利陽介が立派な盲導犬訓練士に

『パートナーズ』

11月6日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町にて、『パートナーズ』の初日舞台挨拶が行なわれ、主演の浅利陽介(23)、共演の大塚ちひろ(24)、監督の下村優が盲導犬を連れて登壇した。

『パートナーズ』は、盲導犬訓練士になった若者と、事故で視覚障害者となった女性ロック歌手、幼いパピーウォーカーの少女の姿を通して、人と人の絆と愛を描いた感動のヒューマンドラマ。浅利は前半では落ちこぼれの若者役を演じているが、大塚演じるロック歌手に恋をし、後半では立派な社会人へと成長する。浅利にとって本作は『手のひらの幸せ』に次ぐ主演2作目。子役時代から様々なテレビドラマに出て来た浅利も、今回は盲導犬訓練士という立派な社会人を演じて役者としてもひと回り成長した様子だった。

大塚は、浅利とはひとつ違いだが、すっかりお姉ちゃんという感じだった。大塚は視覚障害者になりきるために、瞳孔を塞ぐコンタクトレンズをつけて撮影に挑んだという。分厚いコンタクトレンズだったために取り外しにも手間がかかるため、撮影中はずっとつけたままにしていたとのことで、「本当に何も見えないから盲導犬に誘導してもらったり、浅利君にも誘導してもらったり(笑)、皆さんの手を借りていたので、ありがたいと感謝しています。普段何気なくしていることがこんなにも難しいのかと、視覚障害者の方たちの気持ちがわかりました。当たり前のことですけど、ひとつひとつ感謝しないといけないことなんだなと思いました。この作品に参加できて勉強になりました」と話していた。大塚は強情っ張りな女の役だが、盲導犬と共に生きていきながら次第に心を開いていく。この展開はファンには胸キュン必至請け合いだ。

これが劇場映画初監督となる下村監督は、盲導犬の演出についてはまったく苦労しなかったという。「盲導犬には特に演出はしなかったです。盲導犬はいつもじっとしているから、盲導犬に盲導犬らしい動きをするのには何も問題がありませんでした。しかし、盲導犬にあるまじき行為をすることが難しくて、盲導犬を吠えさせることが一番大変でした」と監督は語る。大塚はそんな盲導犬を「かしこい女優さんで、いつもムードメーカーでしたね」と褒め、横でスフィンクスのように座っている盲導犬の方を見てニコニコ目を輝かせていた。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』や『GSワンダーランド』に比べて、浅利もだんだんスター性のある顔つきになってきた様子。最後には「今回この作品で、色々な方と接する機会を与えていただきました。なんだろう、一人でやることとか、自分一人でどうにかやることは自立という意味で必要なことだと思うんですね。ただやっぱり、ごくごく自然で当たり前のことなんですけど、改めてまわりにいる人達をもっと大切にしていかないと、すごく寂しいことになるということに気づかされました。なので、皆さんも自分の身の回りにいる方とか、絆に改めて気づいていただきたいです」としっかり締め、爽やかな笑顔を送っていた。

『パートナーズ』は、東京テアトルの配給で現在全国公開中。(文・澤田英繁)

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2010/11/07 23:49

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