『サマーウォーズ』期待の若手、桜庭ななみに注目!
7月7日(火)、新宿にて『サマーウォーズ』の完成披露試写会が行われ、神木隆之介(16)、桜庭ななみ(16)、富司純子(63)、細田守監督(41)が登壇した。
作品紹介というものは実際に見てから書くべきものだと思っているが、残念ながら僕はまだこの作品を見ていないので、内容については推測の形で書かせてもらうことをご了承願いたい。後日、映画を見てからまた改めて詳しく見どころを語っていきたいと思う。
『サマーウォーズ』は『時をかける少女』のスタッフがおくるアニメーション映画の最新作である。キャラクターデザインは貞本義行。『オネアミスの翼 王立宇宙軍』、『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られ、現在の日本のサブカルチャーにおいて象徴的なアニメーターの一人である。監督は細田守。『デジモンアドベンチャー』、『ONE PIECE』の劇場作品を手掛けてきた監督である。彼の手掛けたルイ・ヴィトンのイメージ映像「SUPERFLAT MONOGRAM」は銀座の並木通りに人だかりを生んだことで有名だ。制作スタジオは『カードキャプターさくら』、『METROPOLIS』のマッドハウス。アニメ通なら思わずよだれが出て来る豪華さだが、もちろんアニメ通でなくても十分に楽しめる映画だと思う。
映画は、現在の世界的不況が背景になっている。見出しは「ふたつの世界の危機に対して、ひとつの大家族が戦いを挑む物語」。誰でもどこでも簡単に電子メールや情報検索、公共サービスが利用できるように、現実と同様の仮想都市OZ(オズ)が作られ、世界の隅々まで行き渡るようになったこの世界で、90歳のおばあちゃんを中心とした大家族が立ち上がる話だ。どんなハイテクなネットワークよりも家族という絆は強力だというテーマが込められているという。日本のアニメならではの驚異的なイマジネーションで表現されるアクションシーンなど見せ場も多いようだ。
夏の戦争。この夏、家族で見る映画としてこれ以上しっくりくるタイトルはないのではないか。ちなみに、『涼宮ハルヒ』の谷川流は「何の事前情報もなく映画を観ることができたのはこれまでの人生において最大級に幸福なことでした」と評している。
予告を見ると着物姿の90歳のおばあちゃんがやたらとかっこいい。どうやら本作の鍵となる重要な役どころになっているようだが、アニメ声優初挑戦でこの大役を担うことになった富司純子は「自分以外の声を演じたのは初めてで難しかったです」とコメント。少々懲りた様子だったが「細田監督が監督してくれるならまたやりたいです」と監督の演出を絶賛していた。息子の尾上菊之助は去年『ナルニア国物語』で王子役を演じた「先輩」であり、富司にもアドバイスしたという。富司は舞台挨拶中、監督から褒められても謙遜して何度も頭を下げていた。とても60を過ぎているとは思えない色香があった。
主演女優の桜庭ななみは、NHKのドラマ『ふたつのスピカ』に主演するなど、現在人気急上昇中の若手。イベントが始まる前、取材カメラマンたちは「写真では可愛いけど実際はそうでもないかもよ」なんてことを言っていたものだが、実際出て来たら、本当に肌の綺麗な可愛い子だった。浴衣姿も愛くるしく、本作で声の出演だけというのはもったいないくらい。全国高校ラグビーのイメージキャラクターに決定するなど、現在トップスターへの道をばく進中である。映画の中では神木の憧れの先輩役を演じているが、現実では真逆。桜庭は先輩俳優を前に、恐縮しながら演じたという。神木曰く天然ボケな一面もあるというが、彼女がどういう風に役になりきっているか興味は尽きない。
神木が演じる役は数学好きの少年役。神木自身は理科、その中でも特に地学が好きといい、囲み取材では学校生活について楽しそうに語っていた。『ピアノの森』などで声優の仕事は慣れていたようだが、今回の収録では20人くらいの声優たちが一度に演技していたそうで、賑やかな雰囲気を楽しんだという。(文・写真:澤田)
『サマーウォーズ』はワーナー・ブラザース映画の配給で、8月1日(土)より新宿バルト9他にて全国ロードショー。
2009/07/10 2:13