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Clash of the Titans
2009/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画/111分
出演:サム・ワーシントン リーアム・ニーソン レイフ・ファインズ ジェマ・アータートン マッツ・ミケルセン ジェイソン・フレミング アレクサ・ダヴァロス 
監督:ルイ・レテリエ
http://wwws.warnerbros.co.jp/clashofthetitans/

偏差値:54.4 レビューを書く 解説

映像は派手だが厚みが感じられない [70点] [参考:1]

ギリシャ神話はゼウス、ポセイドン、ハーデスが3兄弟で、長兄のハーデスが冥界の支配者に追いやられたのを恨み、虎視眈々とゼウスの座を狙っている程度の知識しかなく、本作もそれがベースになったストーリーなのだが、そんなことは知らなくても差し支えのない作品である。

ストーリーはいたって単純で、ドラマ性よりも最新のCG技術を駆使した見せ場の連続が売り物のためか、映像は確かに派手なのだが、作品に厚みがなく心にズシリと響くものがない。

この手のやたらと製作費をかけたB級作品にそれを求めるのが無理なのかもしれないが、やはり特撮とドラマのバランスがいい作品はより以上に映画の世界に浸れるため観ていて気持ちがいいものである。

本作でも物語の終盤に主人公のペルセウス(サム・ワーシントン)が一緒に旅をしてきた仲間に感謝の言葉を述べる場面があるのだが、ストーリーに厚みが感じられないためか感動的であるはずのセリフが何だか取って付けたような言葉に聞こえてしまった。

また、これだけCGだらけの作品が氾濫している今となってはこちらもCG慣れしているためか、本作からは初めて『マトリックス』を観た時のような驚きが感じられないばかりか、CGがない時代に作られた『アルゴ探検隊の大冒険』で骸骨剣士と主人公たちの戦いを観た時のような驚きも作り出せなかったのかと思うと何とも残念である。

もっともこれは2D版を観た感想なので、3D版を観たのなら『アバター』のような映像世界を体感できて、また違った感想になったのかもしれない。

惜しいのは最大の敵であるクラーケンがテレビゲームによく出るような何だかよくわからないヌメヌメトした巨大な怪物として描かれていたため、その姿がほとんど記憶に残らなかったことで、ウルトラマンや東宝特撮映画で育った者としてはもっと怪獣美に溢れた造形にしてもらいたかったところである。

とは言え、冒険活劇としてはそれなりに面白く、この手のB級作品が好きな人や親子連れで映画を楽しみたい人が映画館の大画面で観るのにはお薦めの1本である。

2010/05/09 19:16

kira

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