第9地区
District 9
2009/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画、ギャガ/111分
出演:シャルト・コプリー
監督:ニール・ブロムカンプ
製作:ピーター・ジャクソン
http://d-9.gaga.ne.jp
ドキュメンタリー風SF映画。 [72点]
※ネタバレを含むレビューです。
冒頭からドキュメンタリー風で始める本作。
28年前に突如として現れた宇宙船。
神秘的な未知との遭遇を期待した人類、しかし現実はそんな綺麗事はでは済まず……。
最初から最後まで「ちょっ! ヴィカス!?」と思わずツッコミを入れたくなる主人公のヴィカス君。お調子者で身勝手で、とにかくトラブル・メーカーという言葉がよく似合う主人公の割に最後は異様に頑張ってみたり、なんともブレまくる主人公でしたねー。
ヨハネスブルグという、「アパルトヘイト」という事実があった場所なだけになかなか意味深な内容となっておりました……というような内容は、他のレビューでも紹介されているので、個人的に押すべき点はやはりピーター・ジャクソンが制作に関わっていた事です!!
「ロード・オブ・ザ・リング」で大成功したピーター氏ですが、やはり彼といえば個人的にはグロ!
デビュー作である「バッドテイスト」、そしてカルト人気で私的に別名「トマト祭り」と呼んでいる「ブレインデッド」など、とにかくこれでもかー! とグロい演出をしてくれる監督が「ロード・オブ・ザ・リング」を作ってからどー転ぶのかなーっと思っていましたが、本作では所々にグロが仕込まれていました。
制作に関わったというだけなので、実際にどこまでが彼が関与しいているのかは分かりませんが、人間が一瞬にして木っ端微塵に吹き飛んだりする所など「もしや…?」と思わせる部分があったりなかったり。
という事もあるので、グロい描写が苦手という方はちょっと遠慮した方がいいかもしれませんが、なかなか興味深い一本でした。
2011/02/15 04:06
ころね
気持ち悪すぎる [80点]
臭いもしてきそう。
でも、最後まで観てしまいました(^_^;)
面白かったですよ。
適度に笑えましたし…。
続編なしだと彼は救われませんね。
2010/12/31 05:29
neagari39
軽く笑えて・・実は深いかも [90点] [参考:1]
※ネタバレを含むレビューです。
ヨハネスブルグ上空を覆い尽くす巨大な宇宙船。強制突破して発見した衰弱しきったエイリアンたちを人道的見地から「難民」として保護し居住区に隔離するのですが、人口爆発、スラム化、衛生状態の悪化、違法な武器やドラックの取引、異種間売春、暴力事件なと犯罪の巣窟となっていきます。
異種人の隔離、そして南アフリカといったら、ほとんどすべての人がアパルトヘイトを考えますよね。(この場合、後からやってきたのは白人のほうなんだけどね・・)
専門家や付近の住民、MNUエイリアン課の職員などの
インタビューをつなぎあわせながら、まるでノンフィクションのように、テンポよく話が進みます。
危険地域となった第9地区から「エビ」とよばれるエイリアンたちを新しくできた第10地区に移管する任務。責任者に抜擢された、ちょっとさえないMNU職員のヴィカスが主人公です。
絶対にありえない話ではあるんだけど、切れ味のいい風刺が効いていて、しかも笑える。エビとの取引に通貨代わりに「ネコ缶」が使われるのも個人的にツボでした
ヴィカスは交渉活動の最中に謎の黒い液体を浴び、(これは遺伝子を操作する体液のようでもあり、宇宙船の燃料でもあります・・・って、どっちなんだ!!)
それがもとで、モンスターエンジンのギャグじゃないけど、けがをしたほうの手がたいへんなことになっちゃいます。で、感染が発覚したとたん、彼は責任者からお尋ね者に。
エイリアンと人間の中間のDNA(なんてザックリした言い方!)をもつヴィカスは、二次感染を防ぐため、完全隔離されるともに、バイオテクノロジーの「金脈」で、金儲けのためにも命を狙われます。
とにかく、ストーリーが、一見くだらないんだけど、実に深いのです。映像も低予算とはおもえないほど見ごたえあります。
最後の方は「スターウォーズ」みたいになってましたし、なんたって「エビ」の完璧なきもち悪さには脱帽。
周知のエイリアンて、「つるん」としたイメージだけど、これはとにかくいろんなものがゴチョゴチョついていて、ゴキブリの100倍くらい気持ち悪~い!!
でも長いこと観ているうちにだんだん慣れて、人間より情に厚く、知的なクリストファー親子とか、最後にはちょっと好きになりかけました。
最後はヴィカスとクリスファーの熱い友情にちょっとホロリとして・・・このあと彼らは仲間やヴィカスを助けに来るのか、それとも人類に戦いをしかけるのか・・・?
「かならず戻って来る」というクリストファーの言葉に嘘はなさそうなので、そうすると、続編があるのかな?
感染がすすみ、すっかり外見がエビになっても、中身はかわっていないヴィカスの姿にもウルッとしました。
仕事はあんまりできそうじゃないけど、適応能力ありそうなので、クリストファーの再来まで持ちこたえられそうですかね。
グロい映像多いので、体調が悪かったりどこか怪我してるときはオススメできませんが、とにかくユニークで個性的な映画。大好きです。
2010/05/04 02:32
kerakuten
人間とエイリアンは共存できるのか [80点]
※ネタバレを含むレビューです。
20年前に地球にやってきた大勢のエイリアンが人間と共存している世界が舞台の映画と聞くと『エイリアン・ネイション』のような作品を思い出すのだが、本作はそれとは全く趣の違った作品である。
時折ドキュメンタリー風に流されるインタビュー映像が効果的で、およそ共存など考えられない形態と性格をしたエイリアン(劇中では『エビ』と呼ばれて蔑視されている。)が本当にそこにいるようなリアリティーが感じられる。
しかし本作の人間とエイリアンの関係は共存ではなく、ほとんど隔離に近い状態で『第9地区』と呼ばれる収容地域にエイリアンたちは押し込められているのだが、舞台が南アフリカ共和国だけにアパルトヘイトを彷彿させるのは監督あるいは製作者であるピーター・ジャクソンの意図したところだろうか。
エイリアンを差別する人間側の残虐性だけでなく差別されるエイリアンが持つ残虐性や隠された秘密もちゃんと描かれており、アカデミー賞で作品賞にノミネートされたのもなるほどとうなずける作品である。
初めは何のためらいもなくエイリアンを蔑視していた気弱でお人好しな主人公『ヴィカス』が、ある事情からエイリアンと共存せざるを得なくり、逆に人間から追われる立場になるあたりから話が俄然面白くなってくる。
必要に迫られエイリアンと共存することにより『ヴィカス』とエイリアンとの間に友情?らしきものも芽生えるのだが、自分の身を守るために同胞である大勢の人間を本人の意思とは関係なく文字通り木端微塵にする姿は、本来は畏怖すべき場面であるはずが、あまりにも淡々としているためか恐怖を感じない。
不幸の連鎖と言わんばかりに次々と『ヴィカス』に訪れる災難には同情しながらも、何故あの物質でそうなるのかの明確な説明がないため、突如『ザ・フライ』のような展開になったり『アイアンマン』のような戦いになったりしたのには唖然としてしまった。
しかしよく考えてみると巨大宇宙船でエイリアンが地球に来た理由もあいまいで、またエイリアンの中で知能の高いものが20年かけたある計画や、それに巻き込まれた主人公が被る思いもよらない出来事にも明確な説明はないため、あまりそこにこだわらず目に映るものをそのまま受け入れた方がこの作品を面白く観ることができるだろう。
本作の根底にあるのは人間の持つ残虐性や差別心、そしていつになっても止むことのない新兵器開発への野望であるが、それだけではなく先に挙げた作品以外のいろいろな映画の模倣、いやここはオマージュと言うべきか、も詰め込まれており、それを見つけるのも本作のもう一つの楽しみ方である。
はたして『ヴィカス』は友人となったエイリアンと3年後に再会することができるのだろうか。彼らの間に芽生えた友情がそれを可能にすると信じたい。
2010/04/27 23:13
kira
次は第10地区か? [90点] [参考:1]
昨今の映画は、過去の名作からの引用を、いかに面白く再提示できるかによって、オリジナリティの度合いが判断されている。
この作品も、過去の名作SF…「エイリアン」や「エイリアン・ネイション」「ザ・フライ」「エヴァンゲリオン」「トランスフォーマー」…等々を下敷きに、それらから一部のアイデアを拝借しつつ合体させ、さらにそこに今現在世界で起こっている悲惨な現実を反映させた、緊迫感あふれるドラマを構築している。果たして、その“再提示”は非常にうまく機能しているといっていいだろう。
南アフリカという特異な場所を舞台にした設定もうまい。南アフリカと聞けば、誰だって悪名高き“アパルトヘイト”政策を思い起こすわけで、考えようによっては突拍子もないアイデアにリアリティを付加するのに、大いに役立っていると思う。
また今作は、モッキュメンタリーという手法をとっているが、これも題材にうまく合致している。時折さしはさまれるアーカイヴ映像(のようなもの)によって、一見すると単純なストーリーの作品に、複雑な奥行きが与えられているのだ。そして出来上がった作品は、他に類を見ないほどエキサイティングな映画となったのである。
2010/04/25 14:24
豆酢
エビ~、がしばらく食べられないかな? [97点]
※ネタバレを含むレビューです。
ほんとに最初は主人公みてこんな奴近くにいるよーって笑ってたんたけどだんだんのめり込んで、中盤からほんとに怒涛の展開で最後まで一気に見てしまいました。
いろんなレビューの通り下手物が嫌いな人は覚悟してみた方がよいかもです。
2010/04/14 04:06 (2010/04/25 14:52修正)
zerozerooyaji
2010年3月24日(水)、お台場にて、『第9地区』のジャパンプレミアが行われ、主演のシャルト・コプリーが舞台挨拶に立ち、エディソン・チャン、ピンク・レディーの増田恵子らがゲストとして登場した。
2010年3月16日(火)、南アフリカ大使館にて、『第9地区』のPRイベントが行われ、優木まおみが登場。南アフリカに関するクイズに挑戦した。
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