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District 9
2009/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画、ギャガ/111分
出演:シャルト・コプリー 
監督:ニール・ブロムカンプ
製作:ピーター・ジャクソン
http://d-9.gaga.ne.jp

偏差値:59.9 レビューを書く 解説

軽く笑えて・・実は深いかも [90点] [参考:1]

このレビューはネタバレを含みます

ヨハネスブルグ上空を覆い尽くす巨大な宇宙船。強制突破して発見した衰弱しきったエイリアンたちを人道的見地から「難民」として保護し居住区に隔離するのですが、人口爆発、スラム化、衛生状態の悪化、違法な武器やドラックの取引、異種間売春、暴力事件なと犯罪の巣窟となっていきます。
異種人の隔離、そして南アフリカといったら、ほとんどすべての人がアパルトヘイトを考えますよね。(この場合、後からやってきたのは白人のほうなんだけどね・・)
専門家や付近の住民、MNUエイリアン課の職員などの
インタビューをつなぎあわせながら、まるでノンフィクションのように、テンポよく話が進みます。
危険地域となった第9地区から「エビ」とよばれるエイリアンたちを新しくできた第10地区に移管する任務。責任者に抜擢された、ちょっとさえないMNU職員のヴィカスが主人公です。
絶対にありえない話ではあるんだけど、切れ味のいい風刺が効いていて、しかも笑える。エビとの取引に通貨代わりに「ネコ缶」が使われるのも個人的にツボでした

ヴィカスは交渉活動の最中に謎の黒い液体を浴び、(これは遺伝子を操作する体液のようでもあり、宇宙船の燃料でもあります・・・って、どっちなんだ!!)
それがもとで、モンスターエンジンのギャグじゃないけど、けがをしたほうの手がたいへんなことになっちゃいます。で、感染が発覚したとたん、彼は責任者からお尋ね者に。
エイリアンと人間の中間のDNA(なんてザックリした言い方!)をもつヴィカスは、二次感染を防ぐため、完全隔離されるともに、バイオテクノロジーの「金脈」で、金儲けのためにも命を狙われます。
とにかく、ストーリーが、一見くだらないんだけど、実に深いのです。映像も低予算とはおもえないほど見ごたえあります。
最後の方は「スターウォーズ」みたいになってましたし、なんたって「エビ」の完璧なきもち悪さには脱帽。
周知のエイリアンて、「つるん」としたイメージだけど、これはとにかくいろんなものがゴチョゴチョついていて、ゴキブリの100倍くらい気持ち悪~い!!
でも長いこと観ているうちにだんだん慣れて、人間より情に厚く、知的なクリストファー親子とか、最後にはちょっと好きになりかけました。
最後はヴィカスとクリスファーの熱い友情にちょっとホロリとして・・・このあと彼らは仲間やヴィカスを助けに来るのか、それとも人類に戦いをしかけるのか・・・?
「かならず戻って来る」というクリストファーの言葉に嘘はなさそうなので、そうすると、続編があるのかな?
感染がすすみ、すっかり外見がエビになっても、中身はかわっていないヴィカスの姿にもウルッとしました。
仕事はあんまりできそうじゃないけど、適応能力ありそうなので、クリストファーの再来まで持ちこたえられそうですかね。
グロい映像多いので、体調が悪かったりどこか怪我してるときはオススメできませんが、とにかくユニークで個性的な映画。大好きです。

2010/05/04 02:32

kerakuten

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