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2009/韓国/ビターズ・エンド/129分
出演:キム・ヘジャ ウォンビン チン・グ ユン・ジェムン チョン・ミソン 
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、パク・ウンキョ
撮影:ホン・クンピョ
美術:リュ・ソンヒ
音楽:イ・ビョンウ
衣裳:チェ・ソヨン
編集:ムン・セギョン
http://www.hahanaru.jp/

偏差値:59.4 レビューを書く 解説

後半はいいのだが… [80点] [参考:1]

知的障害のある一人息子にかけられた殺人犯の疑い。
彼を溺愛する母親は無実を証明するために奔走するのだが、果たしてその結末は…

ポスターに描かれた決意に燃えるような母親の顔つきから、これは重厚な作品だろうなと期待して鑑賞しました。

次第に真相に近づいて行く中盤からすべてが明らかになるラストにかけてはぐいぐいと作品に引き込まれたのですが、そこに行きつくまでの描き方には何とも理解し難いところが多かったですね。

ボン・ジュノ監督の『殺人の追憶』や『グエルム/漢江の怪物』を観た時にも感じたのですが、シリアスな中にときおり入れるコメディっぽい演出が全体のバランスを崩しているような気がします。

映画の冒頭、いきなり躍りだした母親の姿はコメディ映画を観ているようで、あのポスターのイメージとはほど遠く、いったい何が始まったのかと正直ドン引きしてしまいました。

映画を観終わるとこの躍りにはある意味があったことに気がつくのですが、あまりにも唐突な始まりだったため違和感を抱えたまま中盤まで鑑賞してしまいました。

刑事の間抜けな捜査の仕方やセリフ、弁護士、やたら飛び蹴りをする息子の友人など、これは昔の香港映画か?と思わずにいられない場面がやたら目につきました。

唐突な躍りの他にも息子を溺愛するあまりに異常とも思える行動をとる母親の誇張された描き方もコメディっぽくて、前半は今一つ作品に集中できませんでした。

いや重厚さの中にあるこのコメディ的な作り方がボン・ジュノ監督の持ち味なのかも知れませんし、もしかしたら実際の韓国人はああいった行動をとるのかも知れませんが、前半と後半ではまるで違う映画を観ているような気分になった作品でした。

2011/04/09 14:30

kira

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