2009/日本/東映
出演:浅野忠信 香川照之 松田龍平 宮崎あおい 仲村トオル 役所広司
監督:木村大作
原作:新田次郎
撮影:木村大作
脚本:木村大作、菊池淳夫、宮村敏正
http://www.tsurugidake.jp/
ストレートストーリー [95点] [参考:4]
素晴らしい映像の中に見せた人間賛歌。
これほどまでに胸が熱くなる映画はなかなかありません。監督の映画に対する気迫、スタッフ/キャスト達による魂の入った演出、そしてなによりそこに描かれた強い人間像。
一般的に自然の風景とクラシック音楽はマッチするものです。しかしこの映画の凄さは焦点が人間に合っていることだと思いました。険しく人間に牙を向く剣岳の壮大な景色の中、常に映像の焦点/ストーリーの焦点が人間に合わされていることにより鬼気迫る人間像が演出されていると思います。映像が綺麗というよりはむしろ緊張感を持っているんですよね。
全編に流れるクラシック音楽(ほぼ全部バロック音楽??)も見事ですね。粛々と流れるヘンデルの「サラバンド」は登山に迷いながら一歩一歩進む姿に重なります。
個人的に印象に残ったシーンは長次郎が山に向かう前に息子を打つシーンです。普通なら山に立ち向かおうとする息子と昔からの習わしに縛られる父親というふうに立場は逆になりそうなものです。しかしここでは父親である長次郎が山への想いを熱くぶつけるため、静かでありながら内に秘める熱さをもつ長次郎に心打たれました。
別の方も香川照之の演技には触れられいますが、本当に素晴らしいですね。いろんな賞でも評価されてほしいです。
宮崎あおいはずるいくらいに可愛いですね^^
2009/07/31 19:51
Good Luck
僕も山の映像ではなく、人間像を描いたドラマだと思いました。木村監督も前半1時間位は芳太郎&葉津よのドラマに力を入れているし、山では香川さんを中心に、描いていますよね。
あおいちゃんが異様に可愛くなってるのは、もともと容姿端麗なところへ、木村監督自身がファンなので「宮崎さんを撮影する時は篤姫より綺麗に撮れ」浅野さんに「宮崎さんの色っぽい所みたいから、上手くやってくれ」と言ってたそうです。
ふっくん (09/08/01 07:55)
>管理人さん
この映画は全編緊張感のある作りになっているので、印象に残るシーンがいろいろあるのかもしれませんね。その分、鑑賞するだけで結構体力を使いました^^
>ふっくんさん
なるほど木村監督自身がファンなんですか。確かに綺麗に撮ろうとする気持ちがつまってるんですね。
風呂上がり(??)に、ちょこちょこやってきて芳太郎にウィスキー(??)をつぐところが好きです^^
Good Luck (09/08/01 17:14)
第33回日本アカデミー賞は『劔岳 点の記』が最多6部門で受賞。作品賞は『沈まぬ太陽』に。
2010年3月5日(金)、品川にて、第33回日本アカデミー賞授賞式が開催され、最優秀作品賞を『沈まぬ太陽』が受賞。『劔岳 点の記』は最多6部門で最優秀賞を受賞した。
『劔岳 点の記』が観客動員数200万人を突破。これを受けて7月30日(木)、大ヒット御礼凱旋舞台挨拶が丸の内TOEIで行われ、木村大作監督、香川照之、松田龍平が登壇した。
2009年6月1日(月)、東京国際フォーラムにて、『劔岳 点の記』の記者会見と完成披露試写会が行われ、浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、小澤征悦、宮崎あおい(完成披露のみ)、木村大作監督が登壇した。
この映画って、人それぞれ、最も印象に残ったシーンが違うところがすごいと思います。
Good Luckさんは香川照之の親子の部分が印象に残ったようですし、他の人は宮崎あおいのセリフが印象に残ったと書いてますしね。
僕の場合、最も印象に残ったのは浅野忠信と香川照之の顔がストップするシーンです。
ちなみに「サラバンド」は奇しくも『山形スクリーム』でもテーマ曲になってます。
シネマガ管理人 (09/08/01 01:12)