2009/日本/松竹/113分
出演:山田孝之 栗山千明 濱田岳 石田卓也 芦名星 斉藤祥太 斉藤慶太 荒川良々 石橋蓮司
監督:本木克英
原作:万城目学
脚本:経塚丸雄
撮影:江原祥二
音楽:周防義和
振付:パパイヤ鈴木
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まさかこんな映画だったなんて! [85点]
近所の映画館で見て来ました。今までに見たことのなかったタイプの映画でした。だって前半と後半で別の映画といっていいくらい話ががらっと変わったので。これがファンタジーということは、前半を見ていて想像もしませんでしたよ。まあ少しはまさかが起きるのかと期待してみてましたけど、そのまさかが起きたときには、何も予備知識なしに見ていたものですから、本気でびびりました。
僕個人的には前半が一番面白かったですね。二浪して京大に入学した大学生のモノローグに共感しまくりです。彼がサークルに入って、サークルの中の女の子に恋をして、そういうあたりの描写がうまいです。若いっていいなあと、画面に漂うその若さみなぎる空気に感動しました。男の部屋の汚れ具合とか、好きな子が部屋に来るときに慌ててゴミを片付けるところとか最高ですね。こういうウブなストーリーはすごくすきです。
だから中盤からの鬼語の練習とか、ばかばかしくて、正直見ていてかったるかったですね。序盤の淡いモノローグもなくなって、もうアホ映画の乗り。なかなか頭をそっちに切り換えるのに時間がかかりました。しかし、切り換えてからは、もう乗せられっぱなしで、その摩訶不思議な世界観を満喫させてもらいました。こんな摩訶不思議な世界なのに、その世界を媒体として、極上のヒューマンドラマに仕立て上げているところがうまかった。根底にあるテーマがしっかりしていたので、寓話に乗せられつつも、そこに描かれた登場人物たちの誰にでも通じる人間性にすごくひかれます。
役者では、もちろん山田孝之も素晴らしいですが、濱田岳面白すぎ。まさかあんな格好になろうとは。よくよく見たら、前売り券をちゃんと見てたらわかるネタでしたね。彼が画面に入るだけでもう大笑い。栗山千明は顔もよく見えず、イケてない感じの役ですが、そのイケてない中にちょっと見え隠れする、ささいな仕草が可愛かったです。良い映画だと思いますよ。最近の日本映画って本当レベル高くなったなあ。
2009/05/10 01:06