ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


アヒルと鴨のコインロッカー

2006/日本
出演:濱田岳 瑛太 関めぐみ 松田龍平 大塚寧々 
監督:中村義洋
脚本:中村義洋
原作:伊坂幸太郎

(データベース登録者:ちりつも

偏差値:58.9 レビューを書く

神様、この話だけは見ないでほしい [90点] [参考:3]

※ネタバレを含むレビューです。
まさか、こんな映画だったとは。もっと軽快なコメディ映画だと思ってました。

この映画を観て単純な性格でよかったと心から思いました。まんまと色んな所でヤラレタ!と思いました。

まずタイトルの「アヒルと鴨のコインロッカー」ラストのコインロッカーのシーン、素敵だな~。ボブ・ディランの「風に吹かれて」心にしみました。

次に河崎だと思ってた人物が実はブータン人だったということが分かるシーン。この時の瑛太の台詞『隣の隣は外国人だ。』まんまと伊坂幸太郎にやられちゃいました。

あとは本屋襲撃。復讐するための襲撃だったんですね。「悲劇は裏口から始まる」なんと切ない台詞だこと。2度目に観るとファーストシーンで涙が出ちゃいます。

「フィッシュストーリー」同様、一気に謎が収束していくラストが見事。「ええ!!」って感じではなく「は~そうなんだ」ってな感じ。狙いすぎてない点も好感持てます。

上にも書きましたがボブ・ディランの「風に吹かれて」を選んだ伊坂幸太郎のセンスに脱帽です。
そして監督である中村監督もお見事「ゴールデンスランバー」も楽しみです。

2010/02/01 22:32

tochiro

参考になりましたか?

仙台 [60点]

仙台、住んでいる人間には馴染みの場所が多くて嬉しい!
終盤に謎が解けていくようにとても面白い!
濱田くんのヘタレなキャラも最高だった。

2010/01/24 15:48

takashi19821023

参考になりましたか?

物悲しさの中に爽やかさ [89点] [参考:1]

※ネタバレを含むレビューです。
伊坂小説をいくつか読んでいますが、彼のストーリはパズルのように感じます。

けど、読んでる途中にはそれを感じさせません。

読み進めて、最後にカチッとピースがはまるかのごとく、これまでの話がつながり、全体像に衝撃を受けます。この衝撃がなんとも爽快な気分にさせてくれます。

この映画もそんな原作の味を表現しているように感じました。

いろいろな事が唐突に生じ、それに流され、流れ着いた先に、結末が待っててくれた、そんな感じでした。

少々ネタバレになりますが、コインロッカーの使い方がなんとも気障で洒落ていることか!

とても悲しい物語だったはずなのに、コインロッカーの場面で、ふっーと爽やかさを感じ、後味の悪さなど全く感じませんでした。

2009/06/27 18:02

jake

参考になりましたか?

コインロッカーの意味 [85点] [参考:1]

コメディとミステリーを絶妙にブレンドした映像詩ってとこですね。登場人物の描き方がうまい。久しぶりに映画の話術の妙味を楽しませてもらいました。中村義洋監督の映画はどれも面白いですね。

あと、タイトルについては、アヒルと鴨ばかりセリフに出てくるんですけど、コインロッカーについてはなかなか説明してくれなくて、最後になるほどという感じでした。最後にパズルが完成するあたりは、『フィッシュストーリー』にも受け継がれています。

2008/12/30 21:09

シネマガ管理人

参考になりましたか?

風に吹かれてから始まった・・・ [90点] [参考:3]

※ネタバレを含むレビューです。
原作は井坂幸太郎著:吉川英治文学新人賞を受賞したミステリー作品。
一言でとても心に残る作品だった。

椎名(濱田岳)は仙台の大学に入学し、一人暮らしをするためにアパートに引っ越してきた。
その日、奇妙な隣人・河崎(瑛太)と出会う。河崎はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛ける。
理由は一冊の広辞苑を盗み出すこと。
同じアパートに住む引きこもりの留学生のブータン人に贈りたいというのだ。

この作品は全体を通して、仙台の風景の爽やかな空気感と淡々とした若者たちの日常を見せてはいるが、背景に「動物虐待」「人種差別」「エイズ」とありけっこう重い。

映画の後半から前半のミステリーが徐々に明らかになっていく見せ方がとても見事。
原作もいいのだろうが、脚本がうまいんだろうなぁ。

映画のテーマ曲「神様の声」ともいうべきボブ・ディランの「風に吹かれて」が紡ぎだす友情と男女の不可思議な三角関係、そしてラストのあまりの刹那さと透明感。

最後、瑛太が犬を助けようとして道路に飛び込むシーンがあるが、その後を映像は映していない。
原作を読んでいないのでわからないが、私は瑛太が車にひかれて死んでしまったのでは?と想像した。

優しくて、すごく切ない、でもどこか強い映画だと思う。

2008/12/30 20:10

ちりつも

参考になりましたか?

トラックバックはこちらのアドレスから受付しています。トラックバックについて