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2008/日本/東宝/105分
出演:役所広司 アヤカ・ウィルソン 妻夫木聡 土屋アンナ 阿部サダヲ 加瀬亮 小池栄子 劇団ひとり 山内圭哉 國村隼 上川隆也 
監督:中島哲也
http://www.paco-magic.com/

偏差値:58.5 レビューを書く

極彩色の大人の童話 [85点] [参考:1]

実写と3DCGの調和が見事に生かされた実に面白い作品である。

どちらかと言えばくどいほどオーバーな演技とCGであるが、絵本の世界の出来事として自然に頭に入ってくるためそのくどさが気にならず、最近の映画(洋画や邦画を問わず)の中では実写とCGの融合が出色の出来である。

超偏屈者の大貫老人がパコに心を開いて行く過程が少し淡白な気もするが、生まれて初めて誰かのために何かをしたいと考え、パコの心に残る芝居をしようと奔走する役所広司の熱演には心を打たれる。

他の出演者も演技派ぞろいで安心して観られる上に、全員が楽しんで映画を作っているのが観てるこちらにも伝わるため、あり得ない嘘っぽい話でもついついのめり込んでしまう。

妻夫木聡と小池栄子の本人とは分からないメーキャップにも驚いたが、一番のお気に入りはオカマ役の國村隼で、彼(彼女?)が歌う「魅せられて」には爆笑してしまった。「オカマは一粒で二度美味しい」は名台詞ですなあ。

土屋アンナの悪魔的な看護婦役は、ちょっと「下妻物語」の白百合イチゴとキャラがかぶる感じはあるが、1人で可愛いメダカちゃんの台詞を練習しているところを大貫老人に見られ、お前が書いた台本だからな、と開き直るのが実にいい。

劇団ひとり他、他の役者の演技も素晴らしいが、特筆すべきはバコ役のアヤカ・ウィルソンで、彼女なしではこの映画は成り立たたないと思えるほどの無垢で純粋な存在感があり、今後が楽しみな新星である。

なお、もう1人の主役であるガマ王子は、名前からガマガエルと推測されるが、どうして3DCGでは綺麗な緑色なんだろう、などという無粋な考えは捨てよう(笑)

2008/10/11 00:03

kira

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