椿三十郎
2007/日本
出演:織田裕二 豊川悦司 松山ケンイチ 鈴木杏 風間杜夫 西岡徳馬 小林稔侍 中村玉緒 藤田まこと
監督:森田芳光
偏差値:52.2 レビューを書く
45年分の味付け [85点] [参考:1]
遅まきながらDVDで鑑賞。オリジナル版の脚本を使っても監督と役者が変わるだけでこうもイメージの違う作品になるから、映画とは不思議なものである。
天下の黒澤明監督作品をリメイクするとは何と無謀なとの批判も多いが、これを単独の作品として観るとなかなか楽しめた。
確かに織田裕二と豊川悦司の2人には三船敏郎と仲代達矢のような凄味や切れ味はないが、逆に彼らにはない軽さや明るさがあって、これが前作から45年分の味付けなんだろうと感じた。
オリジナルを知らずに本作で初めて椿三十郎を観た人には熱血体育教師的な織田三十郎の方が受け入れやすい気もする。
前作のあまりにも有名なラストの一騎討ちをどうにアレンジするのかも楽しみだったが、一瞬で勝負のつく前作とはほぼ真逆の展開で、なるほどそういう手があったのかと感心した。
悪役3名の今風の情けのなさも笑えるし、何より若侍達の行動や考え方が今ならどこにでもいそうな若者っぽい感じになっており、森田芳光監督があえて本作を今リメイクした狙いはそこにあるのかも知れない。
1つミスキャストかな思うのが中村玉緒(キャラ的にはピッタリの役なのだが。)と鈴木杏の母娘で、どう贔屓目に見ても祖母と孫にしか見えない(笑)
とにかく本作で初めて椿三十郎を知り、面白いと思った人は是非、また面白いくないと思った人は騙されたと思ってオリジナルの椿三十郎を観てもらいたい。
2008/11/04 22:56 (2009/11/07 06:24修正)
kira
役者は良いんだけど、カメラが、、、 [30点] [参考:1]
※ネタバレを含むレビューです。
映画館でみました。
オリジナルがあまりにも強烈で、特に新しい俳優がどうだか心配していましたが、思ったよりも良かったです。三船敏郎と織田裕二を比べるのが酷だということはわかりきっていたので、そこは期待せずに、、、
問題は、カメラ!
オリジナルの重量感がまるでなし。織田裕二の椿産十朗よりも何も、カメラが軽すぎる。白黒をカラーにしたのもあるでしょうが、かっ、、軽すぎる。
レンズなのか、アングルなのか、もう一度みないと何が理由で軽くなっているのか判断できませんが、オリジナルにみられた引き締まった構図はぜんぜん再現できていないと思います。
白黒をカラーにした前例としては、「サイコ』のリメークもありましたが、こちらの方がパステルで統一されたカラーが、今でも印象に残っているほど、良かったです。
意味のない、カラー撮影よりは、黒澤が当初やろうとしていた、部分着色(椿の色)をやった方が意味があったかと思います。
最後の決闘のシーンの「繰り返し」はさっぱりです。
2008/06/09 15:06
mildsevenlight
あっ軽い三十郎。 [75点]
※ネタバレを含むレビューです。
公開された数日目に劇場で観ました。
この時はまだ元祖三船敏郎バージョンを観ていなかったので、純粋に面白可笑しく観させてもらいました。
特に、敵側だったはずの人間が、徐々に主人公達と親しくなり意見まで言い出す辺りなどは思わず吹き出してしまったり。
ただ、ラストのシーンを何回も何回も繰り返す手法は少しいらなかったかな~っと思ったり。その点では三船バージョンが凄くあっさりしていて、あっちの方が好感を持てました。
その後、三船敏郎を拝見すると、いやはや驚く驚く。
映画館の中でも三船版を観ているお客さんが多くて「まるまる再現してるな~」と言っていましたが、本当にその通り。
キャストだけを入れ替えただけで、本当にそのままなんですねー(笑)
いや、逆にこれはこれで素晴らしいと私は思いました。
キャストが三船敏郎から織田裕二に変わるだけで、ここまで明るい三十郎が出来上がるとは……内容は脚本、脚本と言いますが、やはり役者の力っていうのも大きいのだと改めて感じた作品でした。
2008/06/07 17:24 (2008/06/10 04:53修正)
ころね
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