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2010/日本/東宝
出演:志田未来 神木隆之介 三浦友和 大竹しのぶ 竹下景子 樹木希林 藤原竜也 
監督:米林宏昌
原作:メアリー・ノートン
http://www.karigurashi.jp/

偏差値:58.6 レビューを書く

綺麗で瑞々しい小作品 [95点] [参考:2]

このレビューはネタバレを含みます

「借りぐらし」という言葉の響きはとても面白く深い意味を感じる。
小人の世界にはお金がないみたいだ。
お金がないから人間のように既製品を買う事ができない。
だから人間の物を借りたりして自分サイズに工夫して作って暮している。
小人という夢のあるファンタジー作品だけど、よくありがちな魔法は使えない。
私たち人間と全く同じだ。
違うのは小さい事だけ。
その小さいという事が、アリエッテイから私たち側を見ると、とてつもなくビックサイズなんだ。

ジブリ特有の見事というしかない背景の美しさ、キャラクターの可愛らしい軽やかな動き。

美しい映像の中で、アリエッティが巨大な人間に自分を見られてしまった恐ろしさ。
その声すら、大きな音の響きでアリエッティに迫ってくるようだ。
見ている私たちが小人のような気分になる。
この映画はファンタジーだけど、「小人から見た人間」に視点を当てているので、すごくリアリティを感じる。

それにしてもストーリーはとても地味だし、出てくる登場人物はアリエッティの父と母。父を助けた小人の少年。そして、アリエッティを想う人間の少年と祖母と家政婦。
主なキャラクターはたった七人だけ。

まあ、ジブリは今回、なんて小さな作品を作ったのでしょう。
ささやかな消えゆく小人たちの1週間の出来事を通して、私の心の琴線に、とても優しく切なく響かせてくれた珠玉の作品。

この映画を見た後、ティッシュや角砂糖の傍にアリエッテイがいたらなぁ~っとふと想ってしまった。

2010/08/02 23:31

ちりつも

参考になりましたか?

たしかに、アリエッティが人間に見られたことに気づいた時の恐怖感は非常に良い演出でした。身の竦む思いとはこのことか。。

人形の家もとっても可愛くて綺麗でした^^

Good Luck (10/08/08 16:03)

>Good luckさん。
そうですね。あのシーンは印象的でした。お砂糖が落ちて残念だった。
ドール・ハウスすてきでしたね。本当にオーブンまで使えるなんて!

ちりつも (10/08/11 07:34)

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