2010/日本/東宝
出演:志田未来 神木隆之介 三浦友和 大竹しのぶ 竹下景子 樹木希林 藤原竜也
監督:米林宏昌
原作:メアリー・ノートン
http://www.karigurashi.jp/
偏差値:58.6 レビューを書く
本当に借りぐらし? [50点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
この作品のレビューは別のサイトにたくさんあるので、私の視点で書いてみる。
床下に住んでいるから借りる。
仮り住まいしているから仮りている。
角砂糖やティッシュペーパーを狩ってくる。
それなら漢字の借りではなくて、想像力をかきたてるために、タイトルはひらがなの「かりぐらし…」の方が良かったのではないか。
実はこれも違う。
人間に許可をもらって角砂糖やテッシュペーパーを借りにきているわけではない。小人族は人間に見られてはいけないルール(=掟)なのだから。それなら、
「盗みぐらしの…」
「かすめとりの…」
「ちょろまかしの…」
の題名が本当だと思う。しかしそれはジブリ作品のタイトルとしては相応しくない。
小人族がこんな形で生きていく事は不可能。チリやダニのほこりまみれの床下の生活環境で生きていくのは無理。蟻や蜘蛛やミミズなど小動物とどう立ち向かうのか。それより大きなねずみ、犬や猫、小鳥に噛み殺されてしまうのではないのか。
あくまでこの物語はファンタジーでおとぎ話なのでそれを書くのは野暮というものだ。もし本当に小人族がいたとしたらと、どうしても現実を見てしまう。
「そんなのアリエナイッティ」になってしまう。
小人族のために作った大邸宅もあまり生かされず、活発な少女と病弱な少年との交流、ほのかな恋心もいまいち心に響いてこなかった。物足りなさが残る。スタジオジブリ作品の中では小品で佳作といったところ。それは一度見たら、2度目は別に見なくてもいいと感じたから。
この作品を見ながら、芸能人がよく目撃するという都市伝説「小さなおじさん」を思い出してしまった。
2010/08/02 07:57 (2010/08/18 15:20修正)