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ハート・ロッカー

The Hurt Locker
2008/アメリカ/ブロードメディア・スタジオ/131分
出演:ジェレミー・レナー アンソニー・マッキー ブライアン・ジェラティ レイフ・ファインズ ガイ・ピアース デヴィッド・モース 
監督:キャスリン・ビグロー
http://hurtlocker.jp/

偏差値:57.9 レビューを書く 解説 予告を見る

ポータブルDVDによる車内鑑賞レビュー [85点]

※ネタバレを含むレビューです。
今作は、冒頭に掲げた言葉、  「戦争は麻薬である」  を

    セミマクロな  “ヴィジュアル・インパクト”  や
    おぞましい   “ストーリー・インパクト”   を駆使して

                                    多重的に訴えてきました。

そして、苛立ちを覚えた

    「 “無駄な時間” を 時間を掛けて描く 」   ことや
      ヌルイ と感じてしまった展開         こそが


【 ( 「戦争は麻薬である」 ことを訴求する ) 今作自体が、
                          観る者のモラルを壊していく 劇薬 】
 
                                              であったことを、


                深く、 にぶく、 訴えてきたのです。



このように、戦争の異常さを 「体感的」 に鑑賞者の精神に植込むという側面においては、

        比類のない映像作品だった。
                               と、評価を致します。




映画史における 戦争モノ をステロタイプに言ってしまうと

■ 第二次世界大戦は、

       “華やかな勝利”  に沸き立って

「史上最大の作戦」 「ナバロンの要塞」 「バルジ大作戦」 などの、戦争スペクタクル というジャンルを創出。 愛国心を煽って、高揚感をもたらしました。

  ( しかし、 1953年 の段階で  第2次世界大戦の戦勝国でありながら、
    軍隊内のモラル崩壊を訴求してきた 「地上より永遠に」 という先駆的な
   作品があったことを追記しておきます。 )


■ ベトナム戦争は

       “泥沼の末の撤退”  の汚辱を受けて

「ディアハンター」 や 「地獄の黙示録」 「プラトーン」 等のビッグネームによって
阿鼻叫喚の中での “精神崩壊” が盛んに訴求されました。


■ この流れを汲んで今作が捉えた、イラク戦争映画というものは

      “戦争後の、自爆をも視野に入れたテロ攻撃”
                              を受けての
     
       “自我の変質” や “性格の急変”
                              という


              「 人格変容 」
                              
                              が訴求された。
                                       と受け取ったのです。





制限文字数では語り切れず。完成版はこちら


http://ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-104.htmlhttp://ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-104.html

2013/03/31 15:45

マーク・レスター

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素晴らしい映画 [90点]

爆発物処理という命と危険と隣り合わせの感じが、映画全体に行き届いていて、スリリングな面白さでした。
今年の中では、一番おもしろかったです。

2010/08/29 19:55

yusuke

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迷走する軍人、暴走する戦争 [88点]

言わずと知れた、2010アカデミー賞作品賞受賞作品。
イラク戦争において、爆弾処理班所属のジェームズ軍曹を通して描かれる戦争とその中で生きる人間を緊迫感あふれる画面で構成される傑作。

ブレる映像、焦点の合わない画面、不規則にバラバラと切り替わるカット割り。全てが不安定で気持ちが悪い。もちろんこの不快感で戦争という緊張感・不安感を表現しています。このあたりの演出は見事です。ただ、あまりにも不安定なのでカメラがブレるのが嫌な人には向かないかもです。

日本にいるとやはり戦争というのは現実味がありません。TVや映画を通して知る程度で、その中で生きる人々の生活感や考え方などまではよく分かりません。今回の映画でもなかなか主人公を含めた登場人物とシンクロすることはできませんでした。
しかし、それでも映画全体に流れる緊迫感にひかれて映画にどっぷりつかることができました。

実際に戦争と対峙するアメリカではもっと登場人物とシンクロできるところもあるんだろうなぁ、と思いました。

印象に残っているシーンは、ベッカムへの複雑な感情から基地を抜けだし迷走するジェームズ軍曹。暴走する戦争の中、自分の居場所・ミッションの意味、そして戦う意味を探すジェームズは素晴らしい演技でした。

映画を観終わって映画館を出た時、そこに広がるのんびり華やかなショッピングモールの雰囲気に違和感を感じてしまいました^^;

連想作品:「ブラックホークダウン」

2010/03/30 20:28

Good Luck

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自分で決めろ [95点]

テーマの1つなんじゃないかと感じましたが。

平和がいいに決まっているが、確かに平和ボケ?
僕にはアバターを押しのけてアカデミーを獲ったことがわかるような気がします。

それと、女だからこれだけの内容が作れた?
男を客観的にみているような。

衝撃はうけました。

2010/03/28 21:22

zerozerooyaji

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誰向けに作ったもんだかわからない [42点] [参考:1]

最近なかなか映画を観に行けなくて久しぶりに観たのが
『ハート・ロッカー』
だったんだけど、すんごい疲れた。
もうハンパなく、この上なく、そりゃあもうすごい疲労感で…。

元夫婦対決で話題になってたアカデミーは獲得したけど、正直『アバター』以外にも他に賞やれる作品の選択肢はなかったんかいと突っ込みたくなるほどだった。
日本のアカデミー賞はなんかもう「なんですかコレ」ってレベルだけれど、本場のアカデミー賞も難しいとこなんだろうか。

まぁアカデミー受賞がなくっても、感想は変わんないけども。

キャスリン・ビグローの作品って他に観たことないけど、この人映画作るのうまいのかな? と素朴な疑問を抱くところだ。
なぜにあんなに見ているあいだ中退屈してしまったのか…。私が平和ボケしているせいか?

でもあれ、実際に戦場に行ったアメリカの兵士たちも「観たい」と思う内容なんだろうか。
いったい誰のために何の主張があって作った作品なんだか、いまいちよく伝わってこない。
アメリカという国やら監督自身やらの自己満足でしかないようにも思える内容だったんだが…。
やたら長いし、蛇足が多いんじゃねーのかあれは。

とにかく、扱ってるテーマがテーマな割には心にはほとんど何も響いて来ない作品だった。
エンドロール最後まで観ないで帰る観客が8割だったし。

2010/03/21 00:51

cathy

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アメリカでは評判よいが。。。 [60点]

日本では、どうなんだろう?

正直、アメリカ向けのショーという概念が捨て切れなかった。

確かに、インパクトの強いシーンはあるものの、
それに共感できなかったのも一つの要因かもしれない。

それって、もしかして、平和ボケってこと?
とも思ったりするのだが。。。

2010/03/19 23:50

takepon

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