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Hachiko: A Dog's Story
2009/アメリカ/松竹/98分
出演:リチャード・ギア ジョーン・アレン 
監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:スティーヴン・P・リンゼイ
http://www.hachi-movie.jp/

偏差値:58.3 レビューを書く 解説

ハチの日常 [93点] [参考:1]

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしい話だが、私はこの映画を見るまでは「忠犬ハチ公」がこういう話だとは知らなかった。

「亡くなった主人の帰りを駅で何年も待っていた犬」
そうか、そうなんだ。すごいなぁ、半端じゃないな、ハチって。(こんな日本人いるかしら?)

動物と子供が主役の映画は、さも「さあ、泣いてください!」といわんばかりのセンチすぎてシラける映画が多いので、あまり好きではないのだけど、この映画は例外だった。

ラッセ・ハルストレム監督か。さすがだなぁ~。
まず、映画の背景がいい。
アメリカ。郊外のベッドリッジ駅。
少しクールなくらいのきれいな街なみと駅。
バックには淡々と流れるきれいな旋律のメロディーが心地よい。
ハチとR・ギアが扮するパーカー教授、その家族、駅の人々の毎日の日々を描いている。
いってみれば、それだけなんだけど、この普通の人々の日常が私にはとても新鮮に写った。

時折、映像は白黒でハチの見える世界を映す。
ハチが寝転がって、一回転すると映像もくるりと回る。

アハ、なんだか犬の気持になったような・・・。
なんだか犬ってとても寂しがりやなのね、とか。
これが見ていて思った感想。

犬をよく知らない私には、なぜ、ハチはこんなに教授だけを好きなんだろう?て思った。
子犬の時、迷子の自分を拾って抱きかかえてくれたから?

その時、ハチは一目ぼれだったのかしら?

そういえば、ハチはオスなのか?メスなのか?映画では伝えてなかったよう。
まるで教授に恋している乙女のように、ハチは教授にまとわりつく。
きっと、これが人間だったら、さぞうっとうしいに違いない。

秋田犬は媚びない気高い犬だと、作品では言っていたけれど、教授への愛情は人間の誰よりも強い気がした。
そう、教授の愛しい妻よりも。

終盤、突然の教授の死から10年過ぎた時、妻がお墓参りの後、駅で待っていたハチを見つける。
妻は信じられないという顔をしてハチを抱きしめる。

年老いてしまったヨボヨボのハチ。
美しかった毛並みも薄汚れていて、見るからにみすぼらしい。

このシーンはいい。
わかっていても泣ける。

もうすぐハチにも死が待っている。
そしてラストへと、続く。

見終わった後、ふと思ったが、映像は教授の死をハチには直接わからせてはいなかった。
それでもハチは知っていたのではないか?

知っていても、ハチは待っていた。
いつものように、ベルトリッジの時計が午後5時をしめすと
教授が帰ってくる時間。

駅のドアから教授が出てくる。

多分、その待っている時がハチにとって、一日の中で何よりも喜びの時だったのだろう。

2009/08/14 22:52

ちりつも

参考になりましたか?

あらためて忠犬ハチ公ってすごいなあと思いますよね。
日本の忠犬ハチ公物語も見たくなります。

今じゃ僕は日本の駅では一番渋谷駅が好きです。

シネマガ管理人 (09/08/14 23:02)

>管理人様

本当、日本の映画も見てみたいですね。
渋谷へいったら、今度はハチの銅像を見てきます。
今回、日本の方が先に上映されたんですね。
アメリカは12月公開するらしいけど、ヒットするといいですね。

ちりつも (09/08/14 23:24)

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