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ノウイング

Knowing
2009/アメリカ/東宝東和/122分
出演:ニコラス・ケイジ チャンドラー・カンタベリー ローズ・バーン ララ・ロビンソン ベン・メンデルソーン ナディア・タウンゼンド D・G・マロニー アラン・ホップグッド エイドリアン・ピカリング タマラ・ドネラン トラヴィス・ウェイト 
監督:アレックス・プロヤス
http://knowing.jp/

偏差値:56.4 レビューを書く 読者レビュー(7)

『アイ,ロボット』のアレックス・プロヤス監督が放つ、衝撃のディザスタームービー。

 目の前に迫りつつある、空前絶後の地球の異変。それが起こることを誰よりも早く知ってしまったなら、そしてそれが世界の終焉を意味するとしたら、あなたはいったいどう行動するだろうか?
 全米で公開されるや空前のスペクタクルが話題を呼び、初登場でボックスオフィスのナンバーワンに輝いた『ノウイング』。『アイ、ロボット』を世界的なヒットに導いたアレックス・プロヤス監督が放つ、この究極のディザスター・ムービーが、いよいよこの夏日本上陸を果たす。
 始まりは、50年前の小学生たちが埋めたタイムカプセル。現代の小学生ケレイブは、そこに収められていた、小学生たちが書いた未来図の中から、偶然数字の羅列されたメモを持ち帰った。彼の父親で大学教授のジョンは、その数列を解析して激しく動揺する。9.11同時多発テロをはじめとする多くの被害者を出した惨事が、そこに予言されていたのだ。さらに驚くべきことに、そこにはこれから先に起こる災難も予告されていた。多くの犠牲者を出すであろう、これらの予言は旅客機の墜落や地下鉄事故というかたちで相次いで現実となる。そして最後に記されていたのは人類の存亡に関わる一大事だった。ジョンにとって、それはケレイブの未来が断たれるという悪夢でもあったのだ。地球が燃え尽きるXデイがやってくるのは、今や間違いない。そのとき、ジョンはどう行動するのか?
 紙が示唆する謎を解くミステリアスな前半からドラマチックな後半へと、物語はダイナミックにうねりながらスリルを高めてゆく。人類史上例を見ない大パニックを人類は回避できるのか? そこに希望はあるのか? 観客は主人公ジョンと気持ちをシンクロさせながら、目の前で起こる信じられない出来事を張り詰めた緊張感とともに目撃することになるのだ。また、ジョンは同時に、息子への愛情を体現するキャラクターである。この先に未来があったはずの息子のために、何をしてやれるのか? 先の読めない物語の先に待ち受ける意外な結末は、驚愕と感動をもって迎えられるに違いない。
 そんな物語をドラマチックに盛り上げるのが、ディザスターをビジュアル化したVFXスペクタクルである。墜落による爆破・炎上で人間が炎に包まれる旅客機事故、電車同士が激しく衝突してホームで待つ乗客を押しつぶす地下鉄事故、そして天変地異のクライマックス。凄まじくも痛ましいそれらの見せ場はリアルであるがゆえに悲劇性が強調され、観客のハートを鷲づかみにして激しい揺さぶりをかけてくる。これまでのディザスター・ムービーと比べても、これらのスペクタクルはとてつもなくエモーショナルだ。
 人間の感情に肉薄したドラマを紡ぎ出す上で、ニコラス・ケイジほど主演にうってつけの俳優はいない。タフネスのみならず弱さをも体現し、ナチュラルに観客の共感を誘うことのできる数少ない個性の持ち主であることは、アカデミー賞受賞作『リービング・ラスベガス』や鬼才ジョン・ウーとのコラボ『フェイス/オフ』、大ヒット冒険活劇『ナショナル・トレジャー』シリーズなどで証明済み。学術的な探究心、なすべきことをしようとする道徳観、そして子供への愛情といった内面の体現に心を強く引き付けられるだろう。彼の他、その息子ケレイブ役に『ベンジャミン・バトン/数奇な人生』でブラッド・ピットふんする主人公の若返り期を演じた名子役チャンドラー・カンタベリー、ジョンとともに数列の謎を追うシングルマザー、ダイアナ役に『28週後...』のローズ・バーンが顔をそろえ、歯ごたえのあるヒューマン・ドラマを織りなす。
 ディテールにこだわるプロヤス監督をはじめ、彼の厳しい要求に応えるべく集められたスタッフも一流ぞろい。脚本に『マーキュリー・ライジング』で疑似親子愛のドラマを作りだしたライン・ダグラス・パーソン、撮影監督に『アイ、ロボット』でもプロヤスと組み最近では『アンダーワールド:エボリューション』で手腕を発揮したサイモン・ダガン。『ダイ・ハード4.0』等に関わったマルコ・ベルトラミによる、感情にダイレクトに訴えるオリジナル音楽にも注目だ。また、スペクタルのVFXを『ハリー・ポッター』シリーズや『300<スリーハンドレッド>』で脚光を浴びたスタジオ、アニマル・ロジックが担当しているのも話題のひとつだ。
 人類は、地球は、どのような終焉の時を迎えるのだろうか? 過去の映画で描かれた、どの極限状態よりもシリアスで衝撃的な未来を描く『ノウイング』。すべての答は物語の中にある。



<STORY>
地球消滅。そのXデーが避けられないとしたら、人類は何を残せるのだろうか。
 
 50年前にマサチューセッツ州の小学校で埋められたタイムカプセルを開ける記念式典が行なわれた。宇宙物理学を専攻する大学教授ジョン(ニコラス・ケイジ)は、2年前の火災事故で母親を亡くして以来、2人っきりで暮らしている小学生の息子ケレイブ(チャンドラー・カンタベリー)がそこから持ち帰った一枚の紙に興味を抱く。そこにビッシリと書きこまれた数字の羅列。ウィスキーをこぼしかけたことで、“299691101”という数字に目が留まる。グーグルで検索すると、それは何と同時多発テロの日付と2996人という犠牲者の数が浮かび上がってきた。他の数字についても調べてみると、ジョンの妻が亡くなった2年前のホテル火災の日付と犠牲者の数も記されている。単なる偶然か、それとも予言なのか!? 一方、ケイレブはこの日以来、悪夢に悩まされるようになった。
 その紙には、これから先の日付も記されていた。いちばん近いのは明日のもので45人の死者が出るらしい。翌日テレビのニュースに釘付けになるあまり、ケレイブの迎えを忘れていたジョンは慌てて車で出発するが、渋滞に巻き込まれてしまう。そこで偶然目にしたカーナビの座標表示が、例の紙で判明していない数字の一部分であることに気づいた。今日この場所で大事故が起きようとしているのか?車から降りて渋滞の先頭へと走るジョン。警官に事故の様子を聞いてみたものの、死者は出ておらず、ジョンが安心したその瞬間、上空から地が割れんばかりの大爆音と共に旅客機がジョンの頭上を通り過ぎ、高速道路を越えて墜落したのだ! 地獄絵図のような現場の惨状を目の当たりにし、救助を手伝って帰宅したジョン。テレビのニュースは45人の犠牲者が出たこととともに、太陽の熱波による機体の不具合が原因とみられていることを伝えていた。
 数列を頼りに、次の惨事が起こるボストンへ向かったジョン。しかし彼の呼びかけも虚しく、そこでも地下鉄の電車が衝突し、ホームに突進する大事故が起きた。その原因も、ここ数日続いている熱波により線路に歪みが生じたためと報道される。ジョンのたてた仮説は、確信へと変わった。
 タイムカプセルの紙に記された最後の数字は10月19日、つまり明日。タイムカプセルに紙を残した小学生の子孫であるダイアナ(ローズ・バーン)と共に何が起ころうとしているのかを調べたジョンは、このところの熱波は太陽の異常活動によるもので、太陽のフレアはオゾン層を破壊し、地上を焼き尽くす可能性があるという驚くべき事実に行き着く。地球の消滅を止める手立てはないのだろうか。そんなジョンの思いをよそに、カウントダウンは着々と進行していた…。

7月10日(金)より、TOHOシネマズ日劇他にて全国ロードショー!

『ノウイング』豪華すぎるタイムカプセル埋蔵イベント

『ノウイング』豪華すぎるタイムカプセル埋蔵イベント

2009年6月29日(月)、中央区立有馬小学校にて、『ノウイング』のPRイベントが行われ、初来日した子役のチャンドラー・カンタベリーが出席。イベントにはリア・ディゾン、安達祐実、さくらまやが参加した。