イルマーレ (レビュー)

韓国映画とハリウッド映画を比較する(★★★1/2)

韓国映画「イルマーレ」のハリウッド・リメイク。韓国版がかなり好きだったので、ハリウッドでこれがどうアレンジされたのか気になったので見に行きました。

だいたいこういう情緒のある映画は、ハリウッドでリメイクされるとイメージが台無しになってしまいがちですが、「イルマーレ」も予想通りの結果になってしまいました。僕は韓国版の青っぽい映像がすごく詩的で好きだったんですけど、ハリウッド版はやや情緒不足。あと、国民性かもしれませんが、韓国版の恋愛描写の方にあこがれを感じますね。役者も韓国版の方に親近感がある。あの愛はある種崇高でもありました。だから韓国版の方が余韻が残る。

ハリウッド版は、韓国版の後にみると、どうしても都合よく話を進められているような気がしてくるんですよ。「オーロラの彼方へ」みたいなあざとさがありますね。でもハリウッド版の方が良くなっているところもある。それは父親との交流を描いているところ。クリストファー・プラマーが強がっている父親を演じて良い感じです。病床でコーヒーを飲むところが泣けました。

建物の描き方はハリウッド版の方がうまいですね。ル・コルビュジエなど、建築学が好きな僕にとっては、家の中の吹き抜けなど、見ているだけで結構ワクワクさせられるものがありました。

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