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■■ 週刊シネマダイレクト
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2006/10/10 Vol.102
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おはようございます。週刊が習慣になっていない澤田です。
電車の中で、僕のすぐ目の前で酔っぱらいの喧嘩が始まりました。言い争いが
エスカレートして、ついに強烈なこぶしがとびだしたので、これは僕も止めに
入らなければと思い、両手に持っていた邪魔な手荷物を網棚に乗せて、ヘッド
ホンを外して急いで鞄に仕舞っているうちに、なんだか心臓がバクバクしてき
て、急に怖じ気づいてしまいました。そう思っていたら、妻夫木聡風のキリッ
とした若いサラリーマンが止めに入ってくれましたよ。かっこいいなあ。息ん
で立ち上がっておきながら、何もできなかった自分がみじめ!
さあ、今週はユンケル飲んでませんが、コラム3連発! レビューも今後増や
していきたいところです。
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ヒイラギの森通信「やっぱりチャップリンが誰よりも偉大だった」
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何度も何度もチャップリンのことを書いてきましたけど、いや、それでも足り
ないんです。僕はチャップリンこそ、誰よりも偉大な映画人だと思うんですよ。
別格の別格。先日寝る前に、ふとチャップリンの映画がフラッシュバックしま
した。驚くのは製作・監督・脚本・音楽・主演、全部自分でやっているところ
ですね。彼こそ真の映画作家だと思いますよ。
「街の灯」、彼の映画にはハートがあります。
「独裁者」、彼の映画には表現する意志があります。
「殺人狂時代」、彼の映画には映画的な技巧があります。
「ライムライト」、彼の映画には人を勇気づける力があります。
1作1作、作風はかなり違いますが、僕にとってはどれも自分の人生観を変えた
重要な作品です。チャップリンのお陰で、僕は映画が世界で一番好きになりま
した。
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ダイレクトレビュー(1)
「イルマーレ」(★★★1/2)
韓国映画とハリウッド映画を比較する
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韓国映画「イルマーレ」のハリウッド・リメイク。韓国版がかなり好きだった
ので、ハリウッドでこれがどうアレンジされたのか気になったので見に行きま
した。
だいたいこういう情緒のある映画は、ハリウッドでリメイクされるとイメージ
が台無しになってしまいがちですが、「イルマーレ」も予想通りの結果になっ
てしまいました。僕は韓国版の青っぽい映像がすごく詩的で好きだったんです
けど、ハリウッド版はやや情緒不足。あと、国民性かもしれませんが、韓国版
の恋愛描写の方にあこがれを感じますね。役者も韓国版の方に親近感がある。
あの愛はある種崇高でもありました。だから韓国版の方が余韻が残る。
ハリウッド版は、韓国版の後にみると、どうしても都合よく話を進められてい
るような気がしてくるんですよ。「オーロラの彼方へ」みたいなあざとさがあ
りますね。でもハリウッド版の方が良くなっているところもある。それは父親
との交流を描いているところ。クリストファー・プラマーが強がっている父親
を演じて良い感じです。病床でコーヒーを飲むところが泣けました。
建物の描き方はハリウッド版の方がうまいですね。ル・コルビュジエなど、建
築学が好きな僕にとっては、家の中の吹き抜けなど、見ているだけで結構ワク
ワクさせられるものがありました。
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ダイレクトレビュー(2)
「ワールド・トレード・センター」(★★★)
オリバー・ストーンはまっすぐじゃダメ
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社会派監督オリバー・ストーンが監督ということなので、これは「9.11はアメ
リカがテロに見せかけた陰謀だった!」みたいな創作性のあるサスペンスにな
るかと思っていたのですが、思い切り良い子ちゃんの映画になってましたね。
まだスピルバーグの「ミュンヘン」のラストショットの方が面白かった。
ストーン監督はあえてテロの部分には触れないように作っていると思いました。
しょっぱなからビルが倒壊して、2人が生き埋めになる。あとは2人がひたすら
助けを待ち続ける映画。飛行機は一瞬シルエットで見えるだけです。登場人物
が最初から最後までこの2人だけだったならまだ面白かったかもしれませんが、
この映画には2人の家族も出てきます。映画は、生き埋めになった2人と、彼ら
の家族を交互に描いていきます。
僕の第一印象ではこの家族の愛がとても冷めたものに見えました。あえて意図
的に仲が悪いように描いているのかと思っていたら、そうじゃなくて、どうも
ストーン監督はまっとうな家族愛を描いているようです。僕はそこが変だなぁ
と思いながら見ていたので、正直言うと再会シーンもあまり感動的に見えませ
んでした。少々わだかまりが残った映画です。いっそ家族の不仲を強調した方
が刺激的な映画になったかもしれません。ストーン監督はまっすぐじゃダメな
んです。宣伝じゃ、これがオスカー最有力候補ですか? 僕はかすりもしない
と思いますよ。
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管理人の愛する映画監督5(もしかしたら前にも書いたかもしれませんが)
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1.チャールズ・チャップリン(前述した通りです)
1.ロバート・ワイズ(ミュージカルの2大傑作を作った。職人監督の鑑です!)
1.フランク・キャプラ(彼の映画技法には学ぶべきところが多いですね)
1.ジョン・ヒューストン(なんといっても話の見せ方がうますぎます)
1.スタンリー・キューブリック(2回見るとおもしろくなるんです)
4年と2ヶ月続けてきた週刊スパの映画欄が休載となったので、今後はサイト
の更新に専念していきたいと思っています。
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