スカイキャプテンワールド・オブ・トゥモロー (レビュー)

こればかりは僕の好き嫌いで採点したいです。 これを見たときはことごとく裏切られた気分でした。それは単純につまらなかったという意味ではなくて、場面場面を締めくくるオチに気分を何度も害されたとでもいいましょうか。僕が始めこの作品に期待していたものは30年代の少年映画の復興だったのです。この映画が罪なのは「レトロSF」と触れ回り、僕にそれを期待させてしまったことです。開けてみると、これは単に30年代の少年映画をネタにしたパロディ映画でした。男のロマンを小馬鹿にしたような内容には、僕は白けるどころか怒りまで覚えてしまいます。いったいこの映画のヒーローは何をしたのでしょうか?ヒロインに助けられてばかりで、二枚目が台無しです。こういう主人公にボケ役は似合いません。 すべてのシーンをブルースクリーンの前で演技する挑戦心は買いますが、できればもっと真面目な作品を観たかったですね。いまひとつ「すごい映画を作ってやるぞ」という活動屋ダマシイが感じられません。ただし、ワンシーンだけ忠実にヒーロー映画の醍醐味を再現しているシーンがあったので、少しは救われました。それはグウィネス・パルトローがスカート(衣装はステラ・マッカートニー)のすそを狙ったようにさらりと引き裂くシーンです。他のシーンもこれくらいさらりと演出できていれば、もっとまともな映画になったと思うのですが。(★★1/2)

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