ネバーランド (レビュー)

これ、すごく前評判がいいですよね。たしかに、描いているストーリーはとても素晴らしいことでした。大人の視点から見た子供を描いている映画だったので、僕にもし子供がいたら感動で涙したかもしれません。だからストーリーには文句はいいません。ここで問題にしたいのは作家性があるかないかです。 僕は映画を観る基準として「作家性」を一番にあげます。僕のいう「作家性」とは観賞者を引き込んで離さない作り手のブランドイメージのことで、それは映画的言語でなければなりません。例えばウディ・アレン、スパイク・リー、コーエン兄弟といった監督たちにはこのスキルがあります。「ネバーランド」にはそれが不足しているように思いました。監督の個性が感じられず、差し替えがききそうな気がします。厳しく言えばジョニー・デップやケイト・ウィンスレットにも芸がありません。僕には二人の演技がひどくあざとく見えてきました。同系統では「永遠の愛に生きて」という傑作もあるのですが。 商品として見れば、売れ筋であることは間違いないので、メロドラマ好きな人には受けるでしょう。独創性のある映画とは言えませんが。(★★★)

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