エターナル・サンシャイン (レビュー)

ダイレクトレビュー「エターナル・サンシャイン」 恋の想い出を科学的に頭の中からキレイさっぱり消してしまうお話です。 僕はいつも予備知識をほとんど持たずに映画鑑賞に挑むようにしているのですが、今作には絶句でした。オープニングはずっと普通の恋愛映画タッチなのですが、しだいに謎めいたミステリー映画になっていくんですから。 中盤までは時系列がバラバラで、登場人物のシチュエーションが重複した映像が何度も飛び出してくるため、話がうまく整理できないのですが、ラストでその断片がすべてつながり、初めて「なるほどそうなってるのか」と納得します。それがあまりにもしっくりくるため、良作を見たゾという満足感があります。 好きな女性との尊い想い出が目の前から消えていく様子を何度も何度も見せられて、胸が締め付けられますが、僕はそれと同時にその精神世界の映像には恐怖すら感じてしまうのです。さすがMTV出身の監督の成せるワザですね。 ジム・キャリーはまたまったく新しい役柄に挑戦しました。演技者として評価された「トゥルーマン・ショー」でもまだおどけていましたが、今回はかなりシリアスな役柄で、得意のゴム顔を生かしたギャグは皆無です。静かな物腰の中には、ささやかな笑いと感動がありますし、ラストでの彼の表情はきっと忘れないものとなるでしょう。「あのジム・キャリーが」というギャップがたまりません。(★★★★)

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