シャル・ウィ・ダンス? (レビュー)

「シャル・ウィ・ダンス?」 近年ハリウッドで日本映画のリメイク・ブームが起きてます。その中でも公開前から日本で注目を集めていたのが周防正行監督の「ShallWeダンス?」のリメイクでした。僕もオリジナル版の大ファンだったし、リチャード・ギアも最近好きになってきたので、このリメイク作品を見ることはかなり楽しみでした。周防監督の「Shallweダンス?」はすごく日本的な作品で、日本人くさいユーモアがそこかしこに見られました。これをアメリカ人がどのようにアレンジするかと、興味津々でした。 結果として、これは日本的なところはすべて書き直されてしまったといえます。性格が暗く、ねちねちした日本人ならではの見せ場のほとんどが拍子抜けするほどあっさりと描かれていた事にいささか失望しました。まるでオリジナルの良さを何もわかっていないような内容になっているのです。その代わりに、これはアメリカらしい追加要素が面白く描かれています。 アメリカ版は妻役にスーザン・サランドンをもってきて、夫婦愛を中心としたドラマにアレンジされています。リチャード・ギアがタキシードを決め込んで一輪の花を持ってニッコリ笑ってスーザン・サランドンの前に登場するシーンが、前後のシーンのつながりのスムーズさといい、ハリウッドならではの大袈裟な筆致で、ちょっぴり嬉し涙が出ちゃいます。このときのスーザン・サランドンの表情がまたステキですね。この味は日本映画には出せないものなので、これを見て救われた思いです。日本とアメリカとではずいぶんと内容が違いますが、それはそれで文化の違いがはっきりしていて興味深いです。 ラテン色が強いジェニファー・ロペスは日本人に言わせてみればミスキャストでしょうね。もっとエレガントな女優を使って欲しかったのですが、まあアメリカでは彼女のような情熱的な女優の方が様になるのでしょう。(★★★)

オリジナルページを表示する