━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■           週刊シネマダイレクト

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2005/5/23 Vol.44
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
先週テンガロン・ハット(カウボーイの帽子)を買った澤田です。

社会人となって何年目だろうか、この年になって、「NHK高校講座」を初めて
真面目に見てみました。これが思いの外面白いんです。勉強番組と誤解されが
ちですが、本当のところは教科書にはないウンチクいっぱいのバラエティ番組
で、司会者も可愛いお姉さんばかりだし、内容もとてもわかりやすいです。楽
しみながら物知り博士になれそうな気がしてきました。NHKってやっぱり番組
水準が高いですね。こんなことなら学生時代からもっと見ておくべきでしたよ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ミニコラム「アメリカ映画ベスト84」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今週のミニコラムは内容を変更して、僕が勝手に「アメリカ映画ベスト84」を
選んでみました。その時代からみて最も重要と思われる作品を1年に1本ずつ選
んでいます。かなり僕の趣味に偏ってはいますが、こんな結果になりました。

20年「東への道」(D・W・グリフィス)
21年「乗合馬車」(ヘンリー・キング)
22年「極北の怪異」(ロバート・フラハティ)
23年「幌馬車」(ジェームズ・クルーズ)
24年「グリード」(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)
25年「ウィンダミア夫人の扇」(エルンスト・ルビッチ)
26年「ベン・ハー」(フレッド・ニブロ)
27年「つばさ」(ウィリアム・ウェルマン)
28年「蒸気船」(バスター・キートン)
29年「喝采」(ルーベン・マムーリアン)
30年「西部戦線異状なし」(ルイス・マイルストン)
31年「街の灯」(チャールズ・チャップリン)
32年「暗黒街の顔役」(ハワード・ホークス)
33年「キング・コング」(ウィリス・H・オブライエン)
34年「或る夜の出来事」(フランク・キャプラ)
35年「男の敵」(ジョン・フォード)
36年「有頂天時代」(ジョージ・スティーブンス)
37年「暗黒街の弾痕」(フリッツ・ラング)
38年「赤ちゃん教育」(ハワード・ホークス)
39年「風と共に去りぬ」(デヴィッド・O・セルズニック)
40年「ファンタジア」(ウォルト・ディズニー)
41年「市民ケーン」(オーソン・ウェルズ)
42年「ミニヴァー夫人」(ウィリアム・ワイラー)
43年「カサブランカ」(マイケル・カーティス)
44年「深夜の告白」(ビリー・ワイルダー)
45年「失われた週末」(ビリー・ワイルダー)
46年「素晴らしき哉、人生!」(フランク・キャプラ)
47年「殺人狂時代」(チャールズ・チャップリン)
48年「黄金」(ジョン・ヒューストン)
49年「踊る大紐育」(スタンリー・ドーネン)
50年「アスファルト・ジャングル」(ジョン・ヒューストン)
51年「欲望という名の電車」(エリア・カザン)
52年「赤い風車」(ジョン・ヒューストン)
53年「ローマの休日」(ウィリアム・ワイラー)
54年「裏窓」(アルフレッド・ヒッチコック)
55年「暴力教室」(リチャード・ブルックス)
56年「八十日間世界一周」(マイケル・トッド)
57年「十二人の怒れる男」(シドニー・ルメット)
58年「手錠のまゝの脱獄」(スタンリー・クレイマー)
59年「お熱いのがお好き」(ビリー・ワイルダー)
60年「サイコ」(アルフレッド・ヒッチコック)
61年「ウエスト・サイド物語」(ロバート・ワイズ)
62年「奇跡の人」(アーサー・ペン)
63年「大脱走」(ジョン・スタージェス)
64年「メリー・ポピンズ」(ウォルト・ディズニー)
65年「サウンド・オブ・ミュージック」(ロバート・ワイズ)
66年「砲艦サンパブロ」(ロバート・ワイズ)
67年「俺たちに明日はない」(アーサー・ペン)
68年「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック)
69年「真夜中のカーボーイ」(ジョン・シュレシンジャー)
70年「マッシュ」(ロバート・アルトマン)
71年「屋根の上のバイオリン弾き」(ノーマン・ジュイソン)
72年「ポセイドン・アドベンチャー」(ロナルド・ニーム)
73年「スティング」(ジョージ・ロイ・ヒル)
74年「ゴッドファーザーPARTII」(フランシス・F・コッポラ)
75年「カッコーの巣の上で」(ミロス・フォアマン)
76年「タクシードライバー」(マーティン・スコセッシ)
77年「スター・ウォーズ」(ジョージ・ルーカス)
78年「天国から来たチャンピオン」(ウォーレン・ベイティ)
79年「クレイマー、クレイマー」(ロバート・ベントン)
80年「エレファント・マン」(デビッド・リンチ)
81年「黄昏」(マーク・ライデル)
82年「E.T.」(スティーブン・スピルバーグ)
83年「ライトスタッフ」(フィリップ・カウフマン)
84年「アマデウス」(ミロス・フォアマン)
85年「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(ロバート・ゼメキス)
86年「ハンナとその姉妹」(ウディ・アレン)
87年「危険な情事」(エイドリアン・ライン)
88年「ダイ・ハード」(ジョン・マクティアナン)
89年「フィールド・オブ・ドリームス」(フィル・アルデン・ロビンソン)
90年「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(ケビン・コスナー)
91年「JFK」(オリバー・ストーン)
92年「許されざる者」(クリント・イーストウッド)
93年「ジュラシック・パーク」(スティーブン・スピルバーグ)
94年「パルプ・フィクション」(クエンティン・タランティーノ)
95年「ブレイブハート」(メル・ギブソン)
96年「ファーゴ」(コーエン兄弟)
97年「タイタニック」(ジェームズ・キャメロン)
98年「トゥルーマン・ショー」(ピーター・ウィアー)
99年「マトリックス」(ウォシャウスキー兄弟)
00年「オー・ブラザー!」(コーエン兄弟)
01年「ロード・オブ・ザ・リング」(ピーター・ジャクソン)
02年「ロード・トゥ・パーディション」(サム・メンデス)
03年「シービスケット」(ゲイリー・ロス)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ダイレクトレビュー「シャル・ウィ・ダンス?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
近年ハリウッドで日本映画のリメイク・ブームが起きてます。その中でも公開
前から日本で注目を集めていたのが周防正行監督の「Shall We ダンス?」の
リメイクでした。僕もオリジナル版の大ファンだったし、リチャード・ギア
最近好きになってきたので、このリメイク作品を見ることはかなり楽しみでし
た。周防監督の「Shall we ダンス?」はすごく日本的な作品で、日本人くさ
いユーモアがそこかしこに見られました。これをアメリカ人がどのようにアレ
ンジするかと、興味津々でした。

結果として、これは日本的なところはすべて書き直されてしまったといえます。
性格が暗く、ねちねちした日本人ならではの見せ場のほとんどが拍子抜けする
ほどあっさりと描かれていた事にいささか失望しました。まるでオリジナルの
良さを何もわかっていないような内容になっているのです。その代わりに、こ
れはアメリカらしい追加要素が面白く描かれています。

アメリカ版は妻役にスーザン・サランドンをもってきて、夫婦愛を中心とした
ドラマにアレンジされています。リチャード・ギアがタキシードを決め込んで
一輪の花を持ってニッコリ笑ってスーザン・サランドンの前に登場するシーン
が、前後のシーンのつながりのスムーズさといい、ハリウッドならではの大袈
裟な筆致で、ちょっぴり嬉し涙が出ちゃいます。このときのスーザン・サラン
ドンの表情がまたステキですね。この味は日本映画には出せないものなので、
これを見て救われた思いです。日本とアメリカとではずいぶんと内容が違いま
すが、それはそれで文化の違いがはっきりしていて興味深いです。

ラテン色が強いジェニファー・ロペスは日本人に言わせてみればミスキャスト
でしょうね。もっとエレガントな女優を使って欲しかったのですが、まあアメ
リカでは彼女のような情熱的な女優の方が様になるのでしょう。(★★★)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

週刊シネマダイレクト索引へ戻る