100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


とにかくつまらない映画を褒めてみる (コラム)

とにかくつまらない映画を褒めてみる



 今日はひとつ、自分のサイト制作に対する姿勢について振り返ってみたい。
 この一年間を通してみて、僕からみた自分自身の文章の傾向は、「褒めること」だった。つまらないと思った作品でも、何かひとつ気に入ったポイントがあれば、とにかく褒めていた。すると、不思議と「これはひょっとしたらスゲエんじゃないか」という気がしてくるのだった。そして僕はますます映画にのめり込んでいった。
 当サイトでは、毎週映画俳優を紹介する「今週のスター」というコーナーがあるが、僕はここで自分の好きな俳優ばかりを紹介しているわけではなく、ときにはあまり好きでもない俳優を紹介することもある。しかし、嫌いな俳優でも、自分で褒めているうちに、だんだんと情が移って、いつの間にかファンになってしまうのである。ここで紹介した俳優たちは、みんな僕の愛するスターになった。俳優について書くことも、映画について書くことも、根は同じである。

 僕はつまらない作品をいかにして褒めるか、それを考えることに快感を覚えていた。意地になってユニークなポイントを見つけること、これは一本の映画を深く追求する行為に他ならなかった。重労働だが、一本の映画を見て、誰も気づかないポイントを発見したときの達成感は、たまらないものだ。その快感を求めて、僕はサイトの更新を続けてきた。僕はこの一年間、何を見ても面白かったし、映画鑑賞が楽しくて仕方なかった。
 これからは、褒めるだけでなく、たまにはじっくりとけなしてみたいとも思う。傑作といわれた作品の欠点を見つけだし、いかにして酷評するか考えることも、映画を深く追求する行為に変わりなく、刺激がある。褒めるにしてもけなすにしても、何を書くのかじっくりと考え抜いた作品には、なにかしら愛着を感じるものだ。僕が映画を愛してやまない理由はそこだ。偉そうな言い方になるが、映画を評論すること、それは僕にとって至福のときである。

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