1937年 (映画史博物館)

この年から、戦争の影響がだんだんと色濃くなってきた。ナチスの台頭により、ドイツやフランスからアメリカへ亡命してきた映画人たちの活躍も目立つ。中でもドイツ人監督フリッツ・ラングがハリウッド亡命後の2作目「暗黒街の顔役」を発表し、フィルムノワールの基板を築いた功績は大きく、これに主演したヘンリー・フォンダの人気も高まってくる。
この年一番の俳優はポール・ムニで、「ゾラの生涯」と「大地」が話題になり、前者はアカデミー賞作品賞を受賞した。
また、「白雪姫」が大ヒットし、ようやくアニメーションがメジャーなジャンルとして認められている。
日本では「人情紙風船」が作られた他、原節子がドイツ映画「新しき土」に出演し、日独親善に貢献するが、いよいよドイツとイタリア以外の洋画の輸入規制が厳しくなってきて、「白雪姫」も日本では公開を見送られる。この年、アメリカではピーター・ローレが日本人探偵「Mr.モト」を演じたシリーズが人気を博すが、これも日本には輸入されていない。
 



ディアナ・ダービン
「オーケストラの少女」における、彼女の初々しい笑顔と、天使のように透き通った歌声は、暗雲立ちこめる時代を明るく照らした。日本では同作は12月に公開され、隠れファンも多かったという。→DVD



ウォルト・ディズニー
世界初の長編アニメーション映画となる「白雪姫」を製作し、興行成績第1位に。彼の功績により、アニメーションはメジャーなジャンルとなった。→DVD



ピカソ
この年天才ピカソはスペイン内戦をモチーフにした巨大壁画「ゲルニカ」を1ヶ月で描き上げた。今ではこれは20世紀最高の絵画といわれている。



1. 白雪姫
2. デッド・エンド
3. ステラ・ダラス
4. 歴史は夜つくられる
5. ハリケーン

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