仲里依紗インタビュー
初の悪役「ゼブラクイーン」は、最強です
2010年5月1日に劇場公開された映画『ゼブラーマン −ゼブラシティの逆襲−』で主人公を凌駕する存在感を放つキャラクター”ゼブラクイーン”を演じた女優・仲里依紗。歌手デビューも果たした同役について語ったもらった。
1.ゼブラクイーンで苦労したこと
--これまでテレビや映画で色々な役を演じられています。今回、『ゼブラーマン −ゼブラシティの逆襲−』では、これまで演じられた役柄と違って初の悪役。さらに歌、ダンス、アクションもあり、苦労されたと思います。その中で何が一番大変でしたか?
仲「歌、ダンス、アクションのすべてが大変で一番を決められませんね。すべて大変でしたが、でも楽しかったです」
--歌、ダンスなどを経験したことで、ご自身において新たな発見や心境の変化などはありましたか?
仲「歌や芝居は、歌手、女優とジャンルとして別になっていますが、歌手も詩に感情を入れて、表情でお芝居をしたりするので、(女優と)同じように表現しているんだと思いました」
2.ゼブラクイーンでの歌手デビュー
--ゼブラクイーン名義で歌手デビューを果たし、プロモーションビデオ付(PV)のCDが注目を集めましたことについてご自身の感想はいかがでしたか?
仲「一生懸命頑張った歌とダンスなどが評価され、たくさんの人に聞いてもらったことは嬉しかったです。自分で微妙だなと思わずに全力で頑張ってやったことで、やりきった感があり、全く恥ずかしさもありませんでした。ゼブラクイーンとして、音楽番組などに出演したことで色々と勉強にも経験にもなりました。
--かなりインパクトのある強烈なキャラクターでしたが、周囲の感想はどうでしたか?
仲「メイクもメイクで誰だか分からない格好なので、『全然違うね』『今まで見たことがないからいいね』とか言ってくれたりしました。取りあえず、周りは驚いてました。」
--それまでのイメージと極端に違う役やキャラクターと違うので驚いた人もいたと思いますが、それについてはどうですか?
仲「同時期にヤンキー君とメガネちゃんを撮影していたのですが、全く役柄の違う天然な女の子みたいな感じでギャップが大きく、大変だった分楽しんで演じられました。色々な役を演じられることが、自分としての楽しみ方だと思っているのでよかったです」
3.役作りと今後について
--ヒーロー物に出てくる悪役で自分と共感する部分や共通項がないと思いますが、演じる上で難しかった点や役柄に気持ちをどのように合わせましたか?
仲「全く似てる部分はないですね。全く演じたことがない役でも抵抗はないので、逆に面白そうだと思いました。結構、飽き性なので色々な役を演じられる女優という仕事が自分に向いてるのかなと思います。ゼブラクイーンは、性別、年齢も不詳な感じでよく分からない役で、また一番自分に共通する点がない役でしたが自分なりにイメージして演じました。最近、ゼブラクイーンみたいに”性格悪いの?””よく似てるの?”とか言われるんです(笑)。そんな噂がどこで流れてたとか友達から聞いたりもします。
--ゼブラクイーンのようなイメージを持たれている噂や話をよく耳にしているのですか?
仲「印象が強いみたいで、撮影中のギャラリーの方から『ゼブラクイーンの誰々』『ゼブラクイーン』など話をしているのが聞こえたりします。やっぱり、強烈だったんでしょうね。これまでスタンダードな普通の女の子でしたが、こんな役は日本にいないし、見たこともないし。だからじゃないですかね」
--これまでと違う役ですが、楽しんで演じられましたか?
仲「自分から遠い役ほど楽しいし、演じ易い。自分から近い役ほど自分が出てしまうので演じるのが難しい。アクセルと一緒。微妙な速度でブレーキを踏みながらカーブを回る時のように神経を使うよりも、何も考えずにアクセルを目一杯踏んで”ビューン”と飛ばせるほうが楽しめます」
---また、非現実的な悪役などのオファーが来たら演じられますか?
仲「そうですね。色々な監督と一緒に仕事をしてみたいし、また別の悪役やもっと最強の役をやってみたいです」
--この監督の映画に出演したいとか希望はありますか?
仲「ずっとティム・バートンが大好きです。三池さんもティム・バートンみたいじゃないですか?(笑) 変な感じの世界観が好きです」
4.自分にとってのゼブラクイーンとは
--完成した作品でゼブラクイーンの活躍を観た第1印象はいかがでしたか?
仲「怖いなと思いました。昔からアクション映画が大好きで色々観ていたのですが、自分もアクションして、CGで動き回っている映像を見て嬉しかったです。撮影中はどういう場所でどういう映像になるのか分かりませんでしたが、完成したものをみるとスパイダーマンみたいに現実にはできない、飛んだりすることができる作品に関われて、本当に嬉しく思いました」
--キャラクター的には好きになれましたか?
仲「どの役も好きになりますが、この役が最強です。演じた中で気持ち的にも一番強いです。」
『ゼブラーマン −ゼブラシティの逆襲−』は、11月12日にBD/DVDが発売される。DVDはプレミアム・エディション(5,985円)、スタンダード・エディション(3,990円)の2種類。BD版(6,300円)と合わせて3種類が発売される。
2010年9月30日 東映ビデオ会議室(取材:沢登健)