『白雪姫と鏡の女王』主演のリリー・コリンズはあの有名ロック・ミュージシャンの娘
7月18日（水）、青山セントグレース大聖堂にて、『白雪姫と鏡の女王』のプレミアイベントが行われ、主演のリリー・コリンズ(23)が登場した。この女優は、あのイギリスのロック・ミュージシャン、フィル・コリンズの娘である。
フィル・コリンズといったらイギリスで最も有名なドラマーである。ジェネシスの大ファンである筆者としては、フィル・コリンズの娘が来日していると聞き、これはぜひ取材しなければと勇んで行ってみた。しかし、なぁんかデジャヴするのである。「白雪姫」といったら、つい最近別の映画でも取材したような気がするのだが・・・。誰も書かないからここに書くと、そういえば『スノーホワイト』という作品があったではないか。お互いに黙っていても意識はしているはず。これは良いライバル関係になりそう。あちらはシャーリーズ・セロンが女王様で、こちらはジュリア・ロバーツが女王様。これは物凄い対決だ。特にジュリア・ロバーツはネームバリューも超ドレッドノート級だが、これが生まれて初めての悪役ということで更にポイントが高い。そして、気になる白雪姫役はあちらがクリステン・スチュワートでこちらがリリー・コリンズ。これもいい勝負である。あちらのイメージカラーが黒だとすれば、こちらは1930年代のディズニーカラーに則った感じかな。こういう競作は比較してみると楽しい。よくぶつけてきたものだけど、そういえば今年はちょうどグリム童話200年だった。もっとも、こちらの作品では200周年を宣伝文句に使っていないのだが。
本作の最大のキーパーソンは石岡瑛子である。かつてコッポラの『ドラキュラ』の衣装を手がけた世界的な衣装デザイナーである。『ドラキュラ』は、衣装こそ主役といわんばかりの豪華絢爛たるものだった。筆者はそれが日本人の手によるものとは最初知らなかったが、『ドラキュラ』で初めて「映画を衣装で見る」という新しい映画の見方を発見した。石岡瑛子は衣装が映画の質を変えると言わせるほどの名衣装デザイナーだった。彼女の遺作がこの『白雪姫と鏡の女王』である。パンフレットを見ただけでも、一瞬にして衣装に最も目をひかれる。世界中が絶賛したこの衣装を存分に堪能したいものだ。
それにしてもリリー・コリンズのまあ美しいこと。子役時代のエリザベス・テーラーに雰囲気がそっくりだった。フィル・コリンズのDNAを継ぎながら、大スターの気品をすでに備えているというわけだ。まだまだ日本では無名同然だが、いや、あまりフィル・コリンズの名前ばかり何度も出すのは彼女にとって良くないんだけど、でもまあノラ・ジョーンズとかも最初はそんなもんだったから、そのうちリリーも日本でも有名になるんじゃないかな。
リリーは来日中に原宿・渋谷でショッピングを楽しんだそうで、「コニチワ。白雪姫デス。ニッポン大好キ。楽シンデクダサイ」と日本語の挨拶もうまかった。石岡瑛子については「毎日彼女の素晴らしい傑作を身につけられるのは光栄でした。アートと呼べるような衣装をデザインできる方です。映画の最後に着ているドレスは、石岡さんとの記憶がたくさん詰まったドレスになっていますし、そこまでの物語のテーマが全部表現されているドレスです」と賞賛していた。
こういう来日イベントにつきものの「花束ゲスト」は、今売れている子役の谷花音(8)と、なぜかDAIGO(34)がやることに。多分ロック・ミュージシャンつながりだからか？ DAIGOは「正直言わしてもらうとですね。僕が下半期で見たベストムービーです。めちゃくちゃエキサイトしながら家族で見ました。ほんとに”ろうにゃくにゃんにょ”楽しめる作品です」とコメントしていた。まだ下半期に入ってたったの18日しか経っていないのに”下半期のベスト”と豪語したり、それが当たり前のように堂々と”ろうにゃくにゃんにょ”と言ったり、会場は爆笑の連続だった。
DAIGOは王子様の格好だったが、リリーから「ベリベリハンサム」とお世辞を言われて「すごくしっくりきてます。ええ。ほんとに嬉しいっす」とゴキゲンだった。司会から映画の中の王子とどちらが好きか訊かれたリリーは「うーん」と困りながらも、「ここはDAIGOさんと申し上げた方がいいのかしら」と答え、DAIGOは「オーレアリー？センキュー！ アイ・ラブ・ユー！」と有頂天に。「フィル・コリンズさんをリスペクトして、フィル・コリンズさんを目指してるロッカーがここにいたことをお伝えしていただけますか」とちゃっかり自分を売り込んでいた。（文・澤田英繁）
『白雪姫と鏡の女王』は、9月14日（金）から全国ロードショー。
2012/07/23 1:15
