米軍空母『バトルシップ』取材日記

『バトルシップ』

4月2日(月)、前代未聞、米軍空母ジョージ・ワシントンのデッキで行われた『バトルシップ』の記者会見に行ってきました。先日サイトでも告知しました通り、先週サイトがクラッシュした関係で、この会見の記事の掲載が予定よりもだいぶ遅くなってしまって申し訳ないです。記事は他の競合メディアで出尽くされているので、今更会見の内容を普通にレポートしたところで多分誰も興味はないと思うので、ちょっと今回はいつもとは趣向を変えてまして、シネマガ編集部の「取材日記」みたいなノリの記事にしてみました。


最初に、この記者会見のリリースが編集部に届いたときには、ええ、そりゃもうぶったまげましたよ。だって米軍空母ですよ。人生でこんな場所にいける機会なんて1度あるかないかでしょう。もう出ている役者が誰かとかよりも、気持ちは米軍空母の方で頭いっぱい。本当にこの仕事をしててよかったぁ。もう久しぶりにわくわくしましたね。こんなに胸が高鳴ったのは、まだ僕が駆け出しの頃『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の記者会見を取材したとき以来です。いつもなら大抵イベントの告知は直前になって突然来たりするものですが、この会見はパスポートが必要だったり厳重な申し込み手続きの関係で、いつもよりも早めに案内が来ていて、もう取材の日まで興奮して待てません。待つのが長かったぁ。


で、会見当日。晴れて良かった。六本木のリッツカールトンからバスで移動です。実はこの場所でテイラー・キッチュの出演する『ジョン・カーター』の記者会見が行われたばかり。記者たちは『ジョン・カーター』の会見の後、そのままバス乗り場へぞろぞろと移動していくのでした。空母で会見とあって、その物珍しさから集まったマスコミの数も通常の3倍といったところでした。世界最初のPR会見ということもあり、海外メディアも多かったです。


新星テイラー・キッチュ

主演のテイラー・キッチュ。声のでかさでは過去最高の俳優かも。全然知らない俳優さんでしたが、『ジョン・カーター』と『バトルシップ』で同時に2本の映画が公開されて、早くもドル箱になりそうな予感がします。映画スターが日本で同じ日に2本以上の映画の会見に出席した例は、僕の知る限り前例がないです。ラッパーから俳優業に進出したウィル・スミスも『インデペンデンス・デイ』に出た頃はまだ日本では「誰この人?」なんて思われていた時期もあって、ちょうど今のテイラー・キッチュもこんな感じの印象でしたね。見る前までは「ふーん」と思っていたのに、見た後は大ファンになっているというパターンですね。


それよりも注目されているのはR&B歌手のリアーナ。グラミー賞では今年最高賞にノミネートされていましたよね。日本でも音楽ファンの間では大人気で、やはりこの日の会見での実質的主役はリアーナでした。僕もリアーナは以前から愛聴していたので絶対取材したいと思っていました。歌手って普段はなかなか取材させてもらえないので、こういう映画に出たときくらいしか取材できるチャンスがないんですよね。リアーナの映画出演は、わかりやすく例えるならばホイットニー・ヒューストンが『ボディガード』に出たくらいのレベル。とはいえ、映画ファンにとってはまだまだ無名の新人同然。音楽を聴かない人にとっては「誰?」という感は否めません。バスで移動中、ずっと隣に座っていた映画ライターの友達もリアーナのことはよく知らなかったみたい。映画ではどんな具合か、お手並み拝見という感じですよ。


米軍基地の中の様子

米軍基地に到着すると、パスポートの確認があり、バスに乗ったまま中へ。このときに受け取った通行パスのかけ紐が人それぞれ長さが全然違っていて長過ぎたり短過ぎたり。「さすがアメリカ」と変なところに感心したり。映画宣伝スタッフさんが弁当を記者全員分用意してくれて、みんな弁当を食べながら基地内の写真を撮っていたので、ほとんどピクニック気分です。基地内はカリフォルニア州なので、町並みもロサンゼルスかと思うくらい。自販機も公衆電話もゴミ箱もアメリカ式で、大通りも「何々ブルバード」みたいな名前でした。記者たちもそこら辺のセーラーたちと一緒に記念撮影したり、みんな楽しそう。美人アナたちから一緒に写真に入ってもらうようにせがまれるセーラーたちもニヤニヤ。まんざらでなさそう。


そして、いよいよ空母の中へ。でかい! 魚眼レンズを持っていくべきでした。こんなときこそ、普段全然使わない魚眼レンズが役に立つときだったのに、なんという不覚。それにしても、こんなに大きいのに、海の上を進んでいくなんて、本当に信じられません。というか、海に浮いてるとは思えないほど船体が波を受けてもまったく微動だにしないんですよ。これは戦闘機が体当たりしてもびくともしないでしょうね。


空母では、普通に歩いてデッキまであがっていくわけですが、通路がせまくて、さらに階段もハシゴかよというくらい急で(下りるのが怖い)、普段運動してない人は息切れしていました。まるで迷路みたいで、少し道に迷ってたら、セーラーの人に「こっちだよ」と案内してもらったりしました。


ようやくデッキに到着。デッキは固くてごつごつとしたコンクリート?におおわれていました。そしてブリッジのすぐそばには戦闘機が。思わず戦闘機の前で記念撮影をしちゃいました。取材中に自分の写真を撮ってもらったのはこれが初めてで、それだけ僕も興奮していたんでしょうね。


それにしても人の多かったこと。セーラーたちもリアーナ見たさに大勢来ていたし、報道陣からユニバーサルの関係者の人までぞろぞろと。『バトルシップ』、本気で宣伝にお金かけてるなと、そんな風に思った次第です。


リアーナ登場

映画宣伝の担当者の方によると、リアーナはこの日、「順調に40分遅刻してホテルを出た」とのこと。言い方からして、どうやらいつものことらしい。多分会見にも「順調に」遅れてくるらしいから、帰りは遅くなると覚悟して欲しいとのことでした。この日は丸一日拘束される覚悟で来ていたので、僕はもういっそ遅れてくれてもいいからゆっくり空母が見たいと思ったくらい。


会見が始まり、リアーナが登場すると、セーラーたちも記者陣ももう大喝采。みんな「リアーナ!」と呼んでいました。いやー、さすがに人気歌手なだけあって、写真写りが素晴らしい。どんな表情で撮っても様になる人で、これぞスターの証と思いましたね。思わずバシャバシャと写真を撮りまくってしまいました。フォトジェニックな顔立ちの人を撮っていると、カメラマンのドーパミンも激しく分泌されて高揚感に包まれるのであります。リアーナはフォトセッションの最後に海軍帽子をもらうと、帽子をかぶってもかっこよくポーズを決めてくれて、本当に何を身につけても様になる人なんだなとびびってしまいました。


主役は米軍海軍

しかし、空母で会見なんて、よく海軍が許したなと思いましたね。でもそれは映画を見たらすぐに納得しました。なんといってもアメリカ海軍とエイリアンの壮絶なバトルを描いた作品ですから、これを見た海軍が喜ばないわけがない映画。ピーター・バーグ監督は「僕も父親も大の海軍マニアなんです。映画評論家とか、ほかの誰よりも、まずは海軍の人が納得してくれる内容にしています」と言ってましたが、確かにこの映画の中の海軍は本当にかっこよかったです。これを見て海軍に志願する人もアメリカでは多いんじゃないかな。僕もこれを見て駆逐艦のおもちゃが欲しくなりました。とにかくこの映画の海軍の活躍は見ていて気持ちがいい。『インデペンデンス・デイ』や『宇宙戦争』を見たとき、僕の唯一の不満点はエイリアンの「やられっぷり」でしたが、その不満が『バトルシップ』では見事に解消されていました。こういう胸のすく映画を僕はずっと待っていたんです。


『バトルシップ』は、現在TOHOシネマズ日劇ほか、全国一斉公開中です。こればかりは映画館の大きなスクリーンで見てもらいたいですね。本当に良い映画で、僕はこの映画に関われたことを幸せに思っています。(澤田英繁)

作品の詳細についてはこちら

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2012/04/16 3:14

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