マッドハウス作品に声優として出演するジンクス
10月1日（土）、テアトル新宿にて、『とある飛空士への追憶』の初日舞台挨拶が行われ、声の出演を務めた神木隆之介(18)、竹富聖花(16)、富澤たけし(37)、主題歌の新妻聖子(30)、監督の宍戸淳(34)が登壇した。舞台挨拶にはサンドウィッチマン富澤の相方の伊達みきお(37)が乱入するスペシャルハプニングもあった。
『とある飛空士への追憶』はアニメ映画だが、ただのアニメ映画ではない。各界のエキスパートたちが結集して作り上げた作品である。キャラクターデザインは『サクラ大戦』の松原秀典、脚本は『八日目の蝉』の奥寺佐渡子、アニメーションを手がけるのはマッドハウスだ。飛空士が主役ということで、青い空、白い雲、緑の大地の描き込み、空撮的なカメラワークが実に見事な作品である。
-- マッドハウスのジンクス --
マッドハウスの作品に声優として出演した役者はその後成功するジンクスがある。『時をかける少女』で当時まだ16歳で無名だった仲里依紗を、『サマーウォーズ』で当時まだ16歳で無名だった桜庭ななみを主役の声優として起用し、2人をそこから一躍スターダムにのし上げた会社だ。これに続くのが、本作でヒロインを演じる竹富聖花だ。彼女も今16歳である。本作では身分違いの恋が描かれ、竹富は揺れ動く女心を巧みに演じている。今後が期待される存在だ。
マッドハウスでは『サマーウォーズ』に続いて主役の座をまた射止めた神木は、声優の仕事についてはもう慣れたものだ。去年は『借りぐらしのアリエッティ』に出演。ジブリでも今や一番の常連である。声優にうるさいアニメファンも神木ばかりはプロの声優としてその腕を認めているようだ。舞台挨拶では、コメントに神木なりの工夫もうかがえた。神木はやや照れながらも「美しい空の旅へご搭乗よろしくお願いします」と味な挨拶で締めくくり、サンドウィッチマン2人を感心させていた。
-- 舞台挨拶 写真のトリミング --
サンドウィッチマン伊達は映画には参加していないが、舞台挨拶の盛り上げ役として途中からスペシャルゲストとして登場した。有り合わせだと思われる皇子風の格好だったが、映画に出てくる皇子とは見た目も性格もまるでかけ離れ過ぎていて、富澤から「タケチャンマンか」とつっこまれていた。
舞台の中央でやりたい放題にやっていた伊達は「監督に次回作に出してもらう約束をしてもらった」と言い出し、監督と自分があたかもダチであることをアピールしていたが、マスコミ向けの写真撮影のとき、端側に追いやられて「あれ。俺真ん中じゃないの？ こっちだと写真切られて俺って入らないんじゃない？」と不満の声をもらしていた。
大抵こういう舞台挨拶の記事では端側にいる人がトリミングされて掲載されないことが当たり前の世界。メディアによっては出席していたことすら無かったことになるのもよくある世界で、伊達はそこを心配していたのである。
仕事をしたからにはどうしても写真に入りたい伊達は「ねえ監督。俺と監督って写真ここで切られて入らないんですかね？」と”同志”に悩み相談して笑いを誘っていた。（伊達さんには悪いけど、ウチでは写真切らせてもらいました。次は映画に主演してくだされ）
-- ミュージカル女優 新妻聖子 --
実は新妻こそ、この日一番のビッグネームかも。筆者は彼女の歌声を聞いた時、日本にもハリウッドに負けないミュージカル女優がいるもんだと本気で感動した。間近で見ると、なんとまあ色っぽいこと。あれだけの歌唱力でこの美貌。天は二物を与えたもうた。というか、失礼ながら、これだけすごい人がサンドウィッチマンと一緒のフレーム内にオマケみたいに写っちゃっていいのだろうかっ・・・。新妻が本作で歌っている曲は『時の翼』。優しく温かな子守唄である。ストーリー、キャラクター、グラフィック、何もかも徹底的にこだわっている本作は、主題歌でも汚れなき空の高みへと導いてくれそうだ。
『とある飛空士への追憶』は、東京テアトルの配給で、全国ロードショー中。（澤田英繁）
2011/10/02 6:55
