『探偵はBARにいる』クールでセクシーな大泉洋が登場
有楽町は、東は銀座、西は日比谷に挟まれた街だ。この一帯には様々な映画館・映画会社がひしめき合っている。ま、アジアの映画界の中心地ってとこだな。俺はこの街ではプライベートアイって名で呼ばれてる。この街の裏も表も知り尽くした私立記者だ。今日もこの街で、何か映画の事件が起きているようだ。
俺は、ある映画を取材することになった。依頼の品は『探偵はBARにいる』だ。標的は大泉洋って男だ。こいつをマークするのは初めてだ。北海道を拠点にする男、この街じゃ会いたくても会えない男だった。
どうやら、この男、小雪というとびきりの美女と一緒にこの街に来ているようだ。標的の傍らには松田龍平という男もいる。標的が窮地に立つと必ず駆けつける相棒だ。西田敏行というこの街の顔役も来ていると聞く。こいつは面白くなってきた。特ダネの匂いを嗅ぎつけた俺は、9月10日、標的が集まる丸の内TOEIビルに乗り込んだ。
とまあ、僭越ながらハードボイルド・タッチの書き方をしてみたが、『探偵はBARにいる』はそういう映画である。男なら誰しも子供の頃、探偵に憧れたことがあるだろう。実際の探偵は浮気調査など地味な世界だけれど、映画の中の探偵は常に男たちのヒーローでありたい。この映画はそんな「映画の中の探偵」の王道を気取ったアクション映画である。
熱い男、大泉洋は舞台挨拶で、「もう感無量でございます! 映画見終わったばかりということでございまして、何人か映画の感動で失神してらっしゃるかたもいらっしゃいます! もう泣くのをやめてください。感動の涙で床が濡れております!」と初日を迎えた喜びを大袈裟に語っていた。
これを手がけた橋本一監督は、「私も感無量です。私は43ですが、精神年齢は中学生ぐらいでストップしてるんで、女の子のお尻ばっかり撮ってるのはその頃から変わってません。皆さんの反応を見て、この作品は今後どんどんシリーズ化することを確信させていただきました」と早くも続編に意欲を見せていた。
客席から「もっとやって!」と声があがると、大泉は「あんたがた、言うのは簡単ですけど、あれだけのアクションをやるのは大変なんですよ」と返答。「かっこよかった!」と声があがると、「うまいこというね。あんたがたプロのお客さんですからね。やりましょう! 続編では体を鍛えあげて、全編裸でお送りしたいと思います!」とノリノリで答えていた。
さらに橋本監督が「大泉さん、かっこいいんですよね。初めてお会いしたとき、すごくクールでセクシーで、本当にそう思ったんです。この映画の中の姿が本当の大泉さんだと思っていただいていいと思います」と褒めそやすと、大泉は「まったくその通りです!」と上機嫌に。調子に乗って「バラエティとかもうやりません! "うんこを決まった時間に出す"とかバラエティでやったの後悔してます」と先日のテレビ放送の某番組を引き合いにして大泉節を炸裂させていた。
『探偵はBARにいる』は東映の配給で現在公開中。(澤田英繁)
2011/09/11 23:22