川嶋あい 2011.8.20 SHIBUYA-AX ライブレポート

ドラキュラ

8月20日に行われた川嶋あいのコンサートに行って来た。毎年必ず8月20日に行われるこのコンサートも、早いもので今年は数えて9回目だ。去年は残念ながらウチは取材に行けなかったけれど、今年はバッチリ取材させてもらいました! 一昨年はC.C.Lemonホール、去年は規模を広げて東京国際フォーラムで行われたけれども、今年はライブハウスのSHIBUYA-AXが会場に選ばれた。なんでAXなのかって、つばさレコーズの人に聞いてみたら、今年はC.C.Lemonホール、東京国際フォーラム、NHKホールなどでの実施を検討していたが、震災の影響と、開催日が土曜日だったということで会場選びが難航したそうで、やっとおさえることができたのがここSHIBUYA-AXだったとのことだ。しかし、やっぱり川嶋あいは渋谷が似合う。渋谷でやれて良かったと思う。

つばさレコーズの人が開始前に「今日はロックしちゃってますよ!」と言ってたから期待してたけど、まあ1曲目からアップテンポのナンバーが休みなく続くこと続くこと。最初から8曲続けてアップで駆け抜けた。会場がライブハウスということもあり、バリバリにひずんだエレキギターの大音響、ビートをガンガンにきかせたドラムと、バンドサウンドを中心に構成するのが一番と考えたのだろう。アルバムではしっとりめのバラード曲も、ライブではアップテンポにアレンジされていた。実にセットリストの8割がアップであり、川嶋あいのコンサートで、ここまでロックチューン中心のセットリストもなかなか珍しいのではないだろうか。あいちゃん、ぴょんぴょん飛び跳ねて元気いっぱいだったし、「そろそろ座っていいかなと思ってるでしょ。甘い!! ていうか、みんな座ってないで立って!」とファンを全員立たせて盛り上げていた。「世界一のライブハウスAX盛り上がっているかー! 素敵な素敵なAX盛り上がってるかー! カモーン!」とMCもノリノリだった。

今年のライブのタイトルが「WING」だったので、ひょっとしたらカバー曲中心の構成なのかと心配していたけれど、実際はオリジナルナンバーの構成だったので安心した(そりゃあやっぱりあいちゃん自身が作った曲をライブで聴きたいのが本音だから)。筆者がよく聴くファーストアルバムからもいっぱい選曲されてたし、筆者の一番のお気に入り「絶望と希望」(セガ『シャイニング・フォース ネオ』テーマ曲)も久々に歌ってくれたから個人的にも嬉しかったな。

「大三角形」では女2人が1人の男性を奪い合って殴り合いをするミニ劇場も見られた。歌い終わってから「途中ミュージカル的な演出を取り入れてみたんですけど、気づきました? みんな全然反応してくれなくて、きょとんとしてたけど。良かった?(ファン拍手) じゃあ来年からミュージカルやりますか」と笑わせていた。

川嶋あいはこれまで数々の作品に大型タイアップしてテーマ曲を提供してきたけど、今年は映画『ワンピース』の主題歌「compass」を歌ってくれた。「『ワンピース』というのはひとつのかけらという意味があります。8月20日は私にとって大切なかけらです。そのピースを埋めるのが皆さんです」と語っていた。

川嶋あいのかつてのユニット、I WiSHの相方のnaoが客席にいて、川嶋あいがnaoにちょっかいを出していたら、飛び入りでステージに参加するハプニングもあった。「キミと僕」、「約束の日」がnao直々のピアノで聴けるなんて嬉しくないわけがない! naoは「来年で10年目ですし、そろそろI WiSHを再結成してもいいんじゃないかな」とコメントしてファンを沸かせていた。

一番盛り上がったのはアンコールから。なんと11曲を一挙にメドレーで歌った。もう良いとこどりだ。いずれもビートの利いたナンバーでファンもノリまくり。「Merry-go-round」から「ByeBye」にかけての盛り上がりは圧巻といえるものだった。いやー、熱かったな。最初のアンコールからなんと50分も歌ったんだからすごいよ本当。

と、これまで熱かったステージだが、最後は一転して、しっとりとしたムードに。

「3月11日、大きな地震がやってきて、日本中が哀しみに引き裂かれました。南三陸の戸倉小学校の子供たちは波から逃れて高台に避難をしました。子供たちはさらに山をかけのぼって、小さな神社に行きました。そこで、両親の安否もわからない中、不安な夜、子供たちは枯れ木を集めて火をおこして、輪になってひとつの歌を歌っていたそうです。それが卒業式で歌うはずだった卒業ソングでした。あのときにあの子たちのほんの少しの励みに音楽があったことを嬉しく思います。そしてその歌が私の歌だったんですけど、そのことを本当に嬉しく思います。子供たちが高台でずっとずっと歌っていた歌を歌わせてください」

そう語ると、「旅立ちの日に・・・」を歌った。川嶋あいの代表作であり、今では卒業式の定番曲でもある。なお、この翌日、南三陸・戸倉小学校では5ヶ月遅れの卒業式が実現し、川嶋あいはそのゲストとして参加した。ちなみに川嶋あいはオリコンの「卒業式に来て欲しい女性アーティスト」で堂々の1位になった人でもある。

ファイナルは今年も「・・・ありがとう...」だった。何度聴いてもこれは本当に良い曲。泣ける。毎年この日に亡くなった母のために歌っていた曲だが、今年は震災で両親を失った子供たちにこの曲を捧げていた。(レポート 澤田英繁)

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セットリスト

No. タイトル ノート
1 Just after the rain!  
2 eighteen's day  
3 大三角形  
4 レモン 新曲
5 ばんそーこ  
6 見えない翼  
7 空、風、波、夢  
8 My Love  
9 絶望と希望  
10 Crying  
11 compass  
12 キミと僕 I WiSH の曲
13 約束の日 I WiSH の曲
アンコール
14 Never stop singing メドレー
15 一秒の光
16 SKY
17 drive!
18 未来への道
19 夢の扉
20 525 ページ
21 Revolution
22 Merry-go-round
23 福岡 〜The Rock'n Roll〜
24 ByeBye
25 旅立ちの日に・・・  
26 カケラ 弾き語り。後半はファンが合唱
アンコール2回目
27 ・・・ありがとう...  

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2011/08/21 23:44

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