和央ようか ミュージカル「ドラキュラ」上演
ミュージカル「ドラキュラ」が8月20日から東京国際フォーラムにて上演中だ。本作ではドラキュラ伯爵役を女優の和央ようかが演じ、ミーナ役を花總まりが演じている。以前シネマガでも本作の記者会見の模様をレポートしたが(記事はこちら)、宝塚関係のファンや海外のファンからかなりの反響があった。宝塚時代に最強のコンビと言われた2人が初めて男と女として共演するとあって、そこに注目が集まっていた作品である。2人が熱く抱き合うシーンもあり、その期待は決して裏切ってはいない。
有名なゴシックホラー小説を、フランク・ワイルドホーンが歌をつけてミュージカル化。オーストリア・グラーツでの上演は好評を博した。本作はこのミュージカルの日本語版となる。ワイルドホーンのラブコールで和央がドラキュラ役をやることになり、和央は世界で初めて女性が演じるドラキュラとなった。
筆者の感想では、女性がドラキュラを演じていることは、見ているうちに意識しなくなる。それは、和央が男に見えてくるという意味ではなく、ドラキュラが女性であることが当たり前のこととしてすんなり受け入れられるという意味である。女性が男性を演じることで、性別という枠にとらわれない、妖艶で引き込まれるような、またどこか哀愁があり、ドラキュラという人物を何か霊的な巨大なるシンボルのように描くことに成功している。
古城のセットもかなり凝っていた。中央が回転式になっていて、筒状の大きなセットがダイナミックに回転してステージが現れるところはまさに舞台演劇の醍醐味といったところ。「永遠の命」を歌うシーンでは、魔術的な演出もあり(このシーンだけは撮影NGだった)、第1幕の大きな見せ場になっている。
圧巻は第2幕のシーン5。和央ようか、花總まり、それぞれのソロ曲とデュエット曲「ミーナの誘惑」が披露される他、ロック調の「もう終わりだ」など見せ場が多い。初日は花總まりが感情を込めて「翼があれば」を歌うと、客席から感動の拍手が送られていた。また、和央はここで日本語版だけのオリジナル曲「選ぶべきもの」を歌っている。(澤田英繁)
お問い合わせはキョードー東京(0570-064-708)まで。
2011/08/21 19:05