世界で初めて女性が演じるドラキュラ

ドラキュラ

7月21日(木)ホテルニューオータニ、芙蓉の間にて、ミュージカル『ドラキュラ』の制作発表記者会見が行われ、和央ようか(43)、花總まり(38)、安倍なつみ(29)、鈴木綜馬(50)、小西遼生(29)、演出の吉川徹が登壇した。

ミュージカル『ドラキュラ』は、ブラム・ストーカーのゴシックホラーを原作に、フランク・ワイルドホーンが作曲した。ニューヨークのブロードウェイ、オーストリアの古城など各地で上演されたミュージカルが、いよいよ日本に上陸する。

日本でドラキュラ伯爵を演じるのは和央ようか。以前から中性的なイメージを貫いていた和央だが、ドラキュラ伯爵を女性が演じるのは世界で初めてのことである。和央に惚れ込んだワイルドホーン自身が彼女をオーストリアの上演に招待し、そこから話が実を結んだ。ワイルドホーンは「日本の歌手はテクニックはあってもソウルフルでないことが多い。その点ではタカコ(本名)は僕の望み通りの歌手なんだ。素晴らしいよ」とインタビューで語っており、日本のプロダクションのために新曲『選ぶべきもの』を書き下ろしたほどの熱の入りようである。

和央は元宝塚の男役トップスターであり、花總まりとは数々の作品で共演し「最強タッグ」と称された仲である。二人は宝塚歌劇団を退団して今年で5年目となるが、和央が退団後に男役を演じるのはこれが初めて。宝塚時代のように再び二人が共演することから、ファンからの注目も高まっている。

会見で和央は「世界初、女性が演じるドラキュラと謳っていますが、率直に言って嬉しいです。宝塚歌劇団で男性役はありますけど、一般のミュージカルで、周りの方は男性で、こういう形で出していただける機会はないので、本当に光栄だと思うし、それを存分に楽しみたいです。気を引き締めてがんばりたいと思います。普通の男優に出せないものと普通の女優に出せないもの、宝塚を経て5年経った私だから出せるものを出したい。(花總とは)かつての相手役だったということに甘えないで、真摯に取り組ませていただきたいと思います」と意気込みを語っていた。

「役作りについて何か参考にしたものはありますか?」という質問には「ないです」ときっぱり。「ドラキュラは世界中で人気のあるキャラクターなので、あまりにも沢山あって、どれも素晴らしいです。私は曲のストーリーに自分の感情を合わせていったので、何かを参考にしたわけではありません」とコメントしていた。

花總は、「昨日稽古場でルーシー(安倍)を襲っていく姿を第三者として初めてみたんですけど、ドキドキするセクシーさがあって見入ってしまいました」と和央をべた褒め。安倍はそんな二人が共演する様子を初めて目の当たりにして「二人とも息がぴったりで、見ていて凄いと本当に感動しました。振り付けもなかったのに自然に振り付けていました」とただただ感動したことを興奮気味に振り返っていた。

「苦手なものは?」という質問には、和央は「ゴキブリ」と回答。小西もゴキブリは苦手といい、「僕も虫が大嫌いで、よくこっちに飛んでくるんですよ。韓国料理屋で手にゴキブリが乗っかったことがあって、大騒ぎになったことがあります」と話していた。安倍は「私は北海道出身なのでゴキブリはいないんですけど、昔っから便所コオロギが本当に苦手でした。あと、パクチーです。以上」と言って記者陣を笑わせていた。

週刊誌の記者から和央に「色々な方の血を吸われていますが、血を吸いたいと思う男性を具体的に名前で教えていただけますか」という質問があった。和央は「あなたの血ならば吸いたいです」とひらりとかわしていた。

一方、安倍にも週刊誌の記者から「ドラキュラのように誘惑されたいですか?」という質問があったが、安倍は素直に「誘惑されたいですね」とニヤリ。「本当に魅力的な方だったら一目惚れじゃないんですけど、オーラだったり雰囲気で出てるじゃないですか。そこに翻弄されることはありますよね。なかなか最近はないですが」と話していた。

会見後に聞いた話では、稽古中暑いとのことだ。和央は「稽古場で耐えられても、節電はかなり課題です。解決方法はロビーをノーエアコンにして、客席をガンガン冷やすとか(笑)私個人で勝手に思ってるだけですけど。自分が出る曲は結構寒い曲が多いので、そこでイメージしたいなと思っているんですけど、歌い出すと熱い曲なんで」とやや困り顔。「ゴシックホラーなので節電がてら、熱い舞台をお見せできたらと思います」と話していた。

ミュージカル『ドラキュラ』。ヴァン・ヘルシング役を演じる鈴木は、本作について「男性とか女性とかではなく、すごくスピリチュアルな存在としてドラキュラを描いているように感じる。存在感とか風格とか風を起こしている感じです」と分析していた。そこには性別を超えた恐ろしくも美しい世界が広がっているのであろう。(文・澤田英繁)

2011/8/20(土)~9/11/(日)東京国際フォーラム・ホールC
問い合わせ:キョードー東京
2011/9/15(木)~9/18(日)梅田芸術劇場メインホール
問い合わせ:キョードーインフォメーション
公式ホームページ:http://dracula-the-musical.com

e記者会見の様子

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2011/07/22 2:09

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