生きていることへの感謝の気持ち『127時間』

『127時間』

岡本夏生、安めぐみ

『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞を受賞したダニー・ボイル監督の最新作『127時間』を見た。断崖で岩に右腕を挟まれ、身動きが取れなくなった男の127時間を描く感動の実話である。筆者は初日に新宿武蔵野館で見たが、映画館は各回満席。立ち見が出るほど大盛況だった。最後の5分間にはただもう涙が止まらなかった。なんという生命力に満ちあふれた作品であろうか。生きていることへの感謝の気持ちをここまで感動的に映像で表現した作品は他にない。

6月14日(火)、この映画に感動したというタレントの岡本夏生(45)と安めぐみ(29)がGRAVITY高田馬場でボルダリングに挑戦するイベントが行われた。なぜこの映画に岡本夏生なのかと思えば、「日本を代表する諦めない人」というのが起用の理由だとのこと。フリーランスタレントとして芸能界にガチンコでしがみついてきた岡本の姿が『127時間』の主人公の生きる姿につながるということだ。岡本は映画と自分を重ねて自虐気味にこう語っている。

「127時間に考えたこと、ここでギブアップはできない。その精神は今の私の精神に似てますね。芸能界で生き残る生命力。生命力のある男性は、ある意味ものすごいかっこいいかもしれない。誰の助けも借りずに自分の命をつないだわけですから。生きる力、窮地に立たされたパワーを感じました。私もずっと崖っぷち犬ですよ! でも崖っぷち犬でもキャンキャン吠えれば何とかなりましたよ! 本当に最後は生きようという生命力! 芸能界も同じです! 諦めたときにすべて火が消えてしまいますから!」

岡本は、この日、かつてクレヨンしんちゃんをも骨抜きにした食い込みハイレグを披露した。最盛期のプロポーションそのままに「これからもハイレグで頑張るわ」とカメラマンたちに得意げに笑顔を振りまいた他、安に「安さん、若干足太いわよ! これがあまりにもガリガリだったら魅力ないですから、このムチムチさ加減がお嫁さん候補ナンバー1ですから」とコメントするなど豪快トークも健在で、安が「ハイレグ着たことないです」と言えば、「ハイレグは今地球上に売ってないのよ。私が着ているのは昔の在庫なの」とハイレグ自慢にも花を咲かせていた。

2人は映画にちなんでボルダリングに挑戦することになったが、岡本は「ポロリがないように頑張るわ」と変なやる気を見せたはいいものの、運動靴が用意してあったのに、成り行き任せにハイヒールのまま大股を開いて登り始めたので、映画宣伝スタッフも落っこちないかと冷や冷やしていた。最初は「意外と簡単ね」と言っていたのに、とうとう途中で我慢できなくなり「早くして! 足がけいれんしてきたわ!」と右足をガタガタさせて悲鳴をあげる始末。一方、安は壁にしがみついている間も落ち着いていて岡本と同じ壁を登っているとは思えないほど余裕の表情である。安は「岡本さん、写真撮られてるんだからもっと可愛い顔しないと」と先輩にアドバイスしていたが、岡本はあくまでバラエティの顔に徹していた。

一仕事終えて岡本は「こんな苦労、主人公の苦労に比べたらどうってことないわ」とコメント。映画を実際に見れば岡本がここまで熱く語った理由もわかるだろう。

『127時間』には、鑑賞するにあたり、大きく二つの興味をひく。ひとつは、主人公がいかにして助かったかということ。もうひとつは、この127時間を、たった一人の役者の芝居だけで、1本のエンターテイメント作品としていかに料理しているかということ。どちらも満足のいく結果になっており、筆者は『スラムドッグ$ミリオネア』よりも完成された作品だと思っている。

映像と音楽のコラボレーションもテンポ良く、ビートの効いたゴキゲンなナンバーの数々はあまりにもポジティブ。この悲惨な日々を「Lovely Day」と歌うBGMのなんと粋なこと。ラストで一気に胸の鼓動が高まっていくダニー・ボイルの鮮やかな演出はただただ圧巻。生きていることの喜びに震えて自然と大粒の涙がこぼれてしまう。日光の神々しき美しさ。最高の映像美に最高の音楽。この幸福感。『127時間』は現在絶賛公開中だ。(文・澤田英繁)

(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX

イベントの様子
安めぐみは余裕の表情で素敵な笑顔を見せてくれたが、岡本夏生は必死にしがみついて悲鳴をあげていた。同じ壁なのに、この差、面白すぎ!

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2011/06/20 1:22

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