竹野内豊が初めてコメディに主演 「やってみたかった」とコメント

『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』

5月14日(土)、新宿にて、『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』の初日舞台挨拶が行われ、竹野内豊(40)、水川あさみ(27)、本田隆一監督(36)が登壇した。これまで、『太平洋の奇跡』など硬派な作品ばかりで知られている竹野内豊だが、コメディ映画に主演したのはこれが初めてである。

竹野内は「コメディが初めてで、前からやってみたかったんですけど、なかなかチャンスがなかったので、この話が来たときには素直に嬉しかったです。初めて台本を読ませていただいたときに、正直自分でいいのかなと思ったんですけど、これは踏み込んでしまえと思いました。キャストの皆さんと一緒に撮影することができて刺激的でしたし、とても良い勉強をさせていただきました」とコメントしていたが、これが初コメディとは思えないほどのハマり役で、水川あさみはこっちの方が本当の竹野内豊と言ったほどだ。

「やっぱり竹野内さんのイメージといったら、今までの作品をみてクールな人だと勝手に想像してたんですけど、ご一緒に仕事をさせていただいて、ノブ(主人公)にそっくりだなと思いました。初日からそこにノブが佇んでいました。どこが似てるとかじゃなくて、全体的にまったり、ゆっくり時間が流れている雰囲気が似てるかな」と水川は竹野内のことを褒めていたが、竹野内は「それは役作りをしてるんですよ」とごまかしていた。

こういう舞台挨拶の場ではお互いに共演者を褒めるのがお決まりのパターンだが、竹野内は「本人の目の前で褒めるというのはどういものかと」とどうも気が進まない。水川に「いいですよ。褒めてください」と後押しされて「本当に全然イメージが違ったんですよね。もっとクールな女性かと思ったんですけど、初めて会ったときに、天真爛漫で、可愛い方だと思いましたよ」と少し恥ずかしそうに褒めていたが、水川も思わず腕をぐっと引いて軽くガッツポーズをしてみせるも、竹野内は「このぐらい褒めておけばいいのかな」と最後に付け足し、笑いを誘っていた。

水川はコメディに出演した感想について、「本当に私はゲラ(関西のスラングで笑い上戸のこと)なので、どのシーンでもおかしかったんですけど。えへへ」と語り出すうちにもう思い出し笑いにブレーキがかからない様子だった。

「ちょっとこれはOKテイクが出ないんじゃないかと思うほど笑ったのが荒川良々さんとのシーンで、びっくりするような距離感で話してきたりとか、毎回テイクごとに仕掛けてくることが違うし、笑わせようとしてくるから結構やりなおしました」と水川。「良々さんも、だんだん水川さんを笑わせようとやってましたね」と竹野内。「なかなか竹野内さん笑わないので、笑いに強いじゃないですか」と水川。「そんなことないですよ・・・。”ゲラ”ですよ」と竹野内。このかけあいと絶妙の間はちょっとした夫婦漫才の様相を呈していた。

竹野内は「良々さんが絶対に笑わせようぐらいの勢いで来てんたで、絶対に笑わないぞと思ったんですけど、こんな近くまで顔を近づけてきて、良々さん吹くんですよ。ぷって。さらに吹きながら芝居に乗せてくるんですよね。それってずるいよ。さすがに負けて笑いましたね」と良々を絶賛していた。水川が「女優として失格と思われるかもしれないですけど、後ろから撮られているとき、良々さんの顔を見て笑わないように私はこうしてました(目をつぶってじっと黙る)」と述懐していると、竹野内も「あー、それ知ってます。僕も役者としてどうかと思うんですけど、笑わないようにテーブルの下で足をつねって我慢してました。僕らが笑わずにうまくいっても、スタッフが笑っちゃってNGになったこともありましたね」と振り返った。監督も撮影中相当吹いてしまったそうで、撮影現場の愉快な風景が目に浮かぶようだった。

ある撮影の前日、雪が降って撮影現場が雪景色になったこともあったとのこと。竹野内は「あのシーンの雪景色はCGじゃないんですよ。本当に降ったんです。雪が降ったときには、不謹慎にも撮影しなくていいから嬉しいなと思ったんですけど、監督は”雪が降るとセリフを片桐さんに言ってもらうだけで成立しますから”といって撮影したんです。それが映画のアクセントになったんですけど、監督にはなかなか帰してもらえないなと思いました。どピーカン(業界用語で快晴のこと)のシーンの撮影のときも、雨が降って来て、撮影しなくてすむと思っていたら、監督は”空が見えなくなるぐらい崖を高くしてしまえばいいんです”と言ってここでも撮影しました。ピンチをチャンスに変える監督でした」とエピソードを語った。

本田監督は『GSワンダーランド』でコメディの腕は立証済みだが、これについては「逆に言うとこれは地獄を描いた作品なんで、なんでもありということでできたんですけど」と自虐的に語っていた。

大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』は夫婦二人が新婚旅行で地獄を旅する話。ギャガ配給で現在上映中。(文・澤田英繁)

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2011/05/16 3:34

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