井上真央ら美女4人が悩みに悩み抜いてできた衝撃作『八日目の蝉』公開

『八日目の蝉』

4月29日(金・祝)、有楽町にて、『八日目の蝉』の初日舞台挨拶が行われ、井上真央(24)、永作博美(40)、小池栄子(30)、森口瑤子(44)、渡邉このみ、成島出監督が登壇した。

『八日目の蝉』は、累計150万部目前のベストセラー小説を映画化した衝撃のヒューマン・サスペンス。母と子の絆、母の愛を描いていること、母の日が近いこともあり、この日のステージには、宮城などから取り寄せた1000本のカーネーションが飾られていた。

時々、舞台挨拶だけで名作の香りを感じることがあるが、例えるならこの日の舞台挨拶がまさにその部類だったと言える。上映前のためまだ誰も映画を見ていなかったが、カーネーションで赤々と染まった舞台の雰囲気、登壇者たちの佇まいと美女4人の織り成すドレスの色のハーモニー、トークの内容など、それだけでも何かただならぬオーラが感じられた。これは極めて稀なことである。宣伝から公開まで、チラシやパンフレットなど、チカチカするほどの赤を基調にして一貫してそのイメージを守ったことで、作品にある種のブランド性のようなものが生まれており、舞台挨拶のコントラストもぐっと引き立ったと言える。

井上は「私自身、とても悩み抜き、ぶち当たりながら演じた役柄です。でも、役柄の恵理菜と同じように、ひとつの光を信じ、最後に自分の中に何か素晴らしい景色が見られるのではないかと信じて頑張ってきました。みなさんも鑑賞後にその光を体感していただけたら嬉しいなと思っています。」とコメント。これに呼応するかのように、登壇者が皆、役作りの苦労について語っていたのも印象的だった。ここまで舞台挨拶の内容が役作りに徹した内容だったのも珍しく、それだけキャスト陣が体当たりで臨んだ作品だということだろう。そのトークの内容から、井上真央、永作博美にとって、この映画が自分の血であり肉であるという様が十二分に伝わってきた。

井上は「私が演じた恵理菜は稀有な環境で育ってしまったので、どこか遠い目をしてるんです。実際に演じてみて、なんでこんなに大人なんだろう、そんなに無理しなくてもいいのにな、なんてことを考えながら演じていました。すごく難しい役どころではありましたが、徐々に私の中で恵理菜というキャラクターを愛せるようになりました。」と続けた。

小池はそんな井上について「井上さんがいらっしゃらなかったら、本当に力不足で乗り切ることができなかったと思いますし、戦友のような感じです。」と語ったが、井上も「それは私も同じく、撮影中の辛いときも小池さんがそっと黙って隣にいてくれたので、本当に助けられましたし、この作品で出会えて本当に良かったと思っています。」と答え、苦楽を共にしたことを明かした。

配給は松竹。同社の看板女優である森口も重要な役どころだ。森口は「私は最愛の我が子を誘拐された母の役なのですが、表面的な苦しみは表現できても、内面的な苦しみを表現するのは本当に辛かったので、監督のご指導のもとひとつひとつ丁寧に作り上げていきました。」とコメント。成島監督は「普段の撮影だと、もう少し技術的なことを考えるのですが、現場で僕がやったことの9割がたは”あなたならできる”と伝えることでした。この人たちなら必ずやってくれると信じることでした。それを皆さん、僕の想像以上にやりきってくれたので本当に感謝しています。一生忘れられないクランクアップになりました。」と力を込めた。

永作は、「クランクインしてすぐに撮影した冒頭のどしゃぶりのシーンで、この撮影さえうまくいけば、なんとか乗り切れるんだと自分自身に願をかけて臨みました。」と役作りの苦労を語りつつ、「クランクアップまでの間、このみちゃんと沢山の時間を過ごさせていただきました。一緒にご飯を食べたり、一緒に遊んだり、こういった時間が役柄の心情を育ててくれるので、大変良い役作りになりました。」と母親としての一面も見せた。

余談だが、黒のドレスでこの日一際輝いていた永作は、何とも眩しい美脚生足を披露していた。永作は終始満開の笑顔で元気いっぱいだったが、子役の渡邉このみちゃんからカーネーションを贈られたときには、すっかりお母さんの顔になって、反射的に子供の目線の高さに合わせようとステージ上でしゃがんだため、その瞬間に週刊誌カメラマンたちから物凄いフラッシュ攻撃を浴びて観客をドキッとさせた。こういうハプニングも舞台挨拶にはつきものである。劇中、永作がどのような母親像を演じているのか期待したい。

八日目の蝉』は、丸の内ピカデリー他全国ロードショー中。(文・澤田英繁)

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2011/05/02 2:10

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