仲村トオル、俳優生活25年、「意外と持ったな」

『行きずりの街』

今年、俳優生活25年目、出演作品50本目を迎えた俳優がいる。『行きずりの街』に出演した仲村トオル(45)である。まだ二十歳にならないころ、大学に通いつつ『ビー・バップ・ハイスクール』に出演して映画デビュー、山あり谷あり駆け抜けて行った25年。50本目という節目を迎え、『行きずりの街』の初日舞台挨拶で仲村は「未だかつてないくらい取材を受けた。やるだけのことはやったので清々しい気分です」と喜びの言葉を語った。

50作目ということで、サプライズとして、『ビー・バップ・ハイスクール』の脚本家であり、亡くなった監督の妻である那須真知子から送られた手紙が読み上げられた。手紙には「”夕焼け番長とは俺のことだ”なんていうセリフを真面目に言っていた初々しい姿を懐かしく思います。あれからいい俳優に、いい男になりましたね。これからも楽しみにしています」と書かれてあり、仲村は「鳥のヒナが卵から孵って最初に見た物を親と思うように、那須さんご夫妻は僕が最初に出会った監督であり脚本家でした。25年前の一本目があって、色々な意味で救われて、今日があるんだなと思います。僕にとって本当の恩人です」と感謝の言葉を述べるとともに、「25年、意外と持ったな。結構続くものですね。最初は俳優って面白いなと思ってましたが、続くとか続かないとか可能性すら考えたことがなかった感じでしたから」と駆け出しの頃の自分を懐かしんでいた。

相手役の小西真奈美(32)は、そんな仲村との共演について、「最初のクランクインのシーンが、12年振りに再会するというシーンで、そこまで監督の配慮で一切会わないという状況を作っていただいたのですが、そこで話をするきっかけをつかめなくなってしまって、そのままクランクアップまでほとんど話をしないまま進んだので、逆にそれがいい緊張感になって良かったんじゃないかなと思います。普段の仲村さんは温かい方なので、それを知ってたらまたお芝居が変わってしまったかもしれないなと思うと、良い空気感の中で芝居ができて良かったなと思います」とコメントしており、撮影中はほとんど会話がなく、お互いに黙々と役者としての仕事に没頭していたことをうかがわせた。

『行きずりの街』は、「このミステリーがすごい」の第1位に選ばれたハードボイルド小説を映画化。この内容については、「スカイツリーを作っているときの東京タワーの映画。僕らの世代としては感覚として古かったり、そういうのがほろ苦いくらい、昭和の匂いのするような映画。なぜ人はこう動き、こういうことを語るのか、それを映像で表した映画」と共演の窪塚洋介(31)が実に的確に説明している。

初日舞台挨拶には、仲村、小西、窪塚のほか、南沢奈央、歌手のmeg、阪本順治監督が出席。『行きずりの街』はただいま上映中。(文・澤田英繁)

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2010/11/27 20:08

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