ミラ・ジョヴォヴィッチが続編に出ない噂を完全否定
9月3日(金)、六本木にて、『バイオハザードIV アフターライフ』の記者会見が行われ、ミラ・ジョヴォヴィッチ(34)、アリ・ラーター(34)、ウェントワース・ミラー(38)が登壇した。
ミラ・ジョヴォヴィッチはシリーズを通して主演してきた『バイオハザード』の顔といえる女優。アリ・ラーターは『HEROES/ヒーローズ』、ウェントワース・ミラーは『プリズン・ブレイク』で日本でも有名なテレビドラマ出身の俳優である。
記者会見を通して思ったのは、ミラが本当にこの映画を愛しているということだった。笑顔を振りまいて愛想がよく、会場にアリスのコスプレをしている記者を見つけるなり、「あー!私の格好をしてくれてるのね!」と大喜び。質問する記者にも「ハーイ!アイラブユー!」と手を振ったり、大人になっても、まるで少女のように無邪気で可愛らしかった。
アリスとの共通点について聞かれると「私は朝起きた時に機嫌が悪い時があるけど、そのときはちょうどポスターのアリスのような顔です」と軽く冗談で答えた後、「私は子供のころからSFが大好きで、漫画やアニメ、強い女性が出てくるスーパーヒーローものが大好きでした。だから今こういう役をやるのは子供の頃の夢が叶った感じです」と回答。また、「この映画の撮影はとても楽しくて、毎日ワイヤーで飛ばされたり、遊園地で遊んでるようだったわ」とも。
ミラは5作目に出ない。こんなゴシップ記事がネット上を賑わしたことがあったが、ある記者からこの核心に触れる「続編にも出演しますか?」という質問があった。そんな報道を知らなかったミラは、一瞬質問を聞き間違えたのかと思い、ちょっと眉間にシワを寄せて後ろの通訳に確認のために聞き直してから「からかってるの? 8年もやって来たんだから、これからも出続けるに決まってるじゃない。私にも娘がいるし、次の世代にバトンタッチできるまで12、13と続けるつもりよ」と笑って完全否定。それから「何本作っても常に新鮮でいられるのは、スタッフの愛情と情熱があるからよ。最初、ヨーロッパの小規模なホラー映画を作って、口コミでファンも増えて、まさかこれほどヒットするとは思わなかったわ。一番良いところは、スタジオ側から毎年ハロウィンに作るように強制されるんじゃなくて、毎回アイデアが出たタイミングでスタジオに持って行って初めてゴーサインが出ていることね。スタジオシステムに縛られずに、全員が情熱をかたむけてこの作品を作っているわ」と熱く語ってくれた。
ミラは終始ご機嫌だったが、彼女は大の親日家でもあり、会見では「日本には14の頃から何度も来ているの。20年来の友達もいるわ。半分は日本で育っているようなものです。今行きたいのは銀座のカメラ屋とかオモチャ屋さんね。8人しか入れない小さな天ぷら屋さんも知ってて、そこでは新しい油を使ってて白い天ぷらを出してくれるのよ。前回日本に来たとき私は妊娠7ヶ月でしたけど、本当に日本が好きじゃなければ8月の暑い時期に妊娠中に来日しようなんて普通は思わないでしょ。それくらい私は日本が大好きってことよ」という嬉しい発言もあった。『IV』では日本が舞台になっており、「東京を破壊するから、ぜひ見ていただきたいわ」と早く見せたくてたまらない様子だった。
予備知識として書き記しておくが、ゲーム『バイオハザード』シリーズには主役級のキャラクターが4人登場する。「クリス」、「ジル」、「レオン」、「クレア」である。ミラが演じる「アリス」は今のところ映画だけにしか登場しない映画特有のキャラクターになる。「ジル」は『バイオハザードII』でシエンナ・ギロリーが演じており「ジルにそっくり!」とゲームファンを悶絶させた。『III』から「クレア」をアリ・ラーターが演じており、ゲームで最も人気のある真の主役ともいえる「レオン」はまだ映画に登場していない(当初は『IV』に出す予定はあったという)。ウェントワース・ミラーは「クリス」を演じており、これが本格的な映画進出作となった。
ウェントワースはプレッシャーもあったようで、「ゲームの人気キャラクターをやることは最初不安があったが、監督、ミラ、アリが温かく迎えてくれた。自分がわからないことがあっても手を差し伸べてくれたから演技も入りやすかったよ」と振り返っていた。「こういう緊張感のある作品にはユーモアも必要だと思うけど、僕が出てくる最初のシーンは、『プリズン・ブレイク』のファンが見たらほくそ笑むシーンになっているよ」ということだが、それがどういう意味かは映画を見てのお楽しみだ。吹き替え版では『プリズン・ブレイク』でもお馴染みの声優・東地宏樹が声を当てている点にも注目である。
アリは、自分の役について「私は昔から『ランボー』、『ターミネーター』、『コナン・ザ・グレート』みたいな作品ばかりを見て育ったわ。私が演じるクレアのタフな性格はそこに教えてもらった感じね」と自己分析。アリは会見中何度も監督のポール・W・S・アンダーソンに敬意を表していて、「ポールはみんなから信頼されていたわ。ポールは本当にゲームが好きなの。ゲームのことを熟知していて、情熱を持っていたわ。ミラとポールは夫婦でもあり良き協力者で、ミラがセットに来るとポールの目が輝いていたわ」と話していた。アリはこのとき妊娠中で会見にはマタニティードレスを着て出席していた。
ゲームを映画化する場合、ゲームを知らない監督が撮ることが多いが、その点ではポールは根っからのゲーマーであり、ゲームファンの期待を裏切らないよう、ゲームの世界観をできる限り映像化しようと心がけている様が作品からも伝わってきた。過去4作品では、これが最もゲームの世界に近く、「ウェスカー」など、ゲーム上の重要キャラクターも続々と登場。アンデッドから触手が飛び出すドッキリ演出など、ゲームをプレイしてきたファンにはおなじみの演出も納得の仕上がりである。
『バイオハザードIV アフターライフ』は、9月10日(金)から全世界同時公開。(文・澤田英繁)
ワールドプレミアの様子はこちら
2010/09/06 5:37