シャマラン監督が大作『エアベンダー』をひっさげて来日
7月6日(火)、『エアベンダー3D』のパワープレミアが行われ、M・ナイト・シャマラン監督(39)、出演のデヴ・パテル(20)、ニコラ・ペルツ(15)、ジャクソン・ラスボーン(25)が登壇した。
配給のパラマウントは、このイベントを盛り上げるべく、ららぽーと豊洲をイベント会場に選び、アーバンドックならではの火炎放射演出を使った迫力あるアトラクションを展開。今回で5度目の来日となるシャマラン監督は「日本は居心地がいいね。いつも日本に来ると"帰って来た"という気分になる。ぼくの前世は日本人だったんだろうね。今日のプレミアは今までで一番最高のプレミアだったよ」と上機嫌であった。
映画もこれまでのシャマランの作品とは違って、膨大な製作費をかけた大作になっている。シャマランの作品といったら、「ラストにどんでん返しがあるホラー映画」というイメージが焼き付いている人も多いが、今回はそういった彼のイメージを塗り替える自信作になっている。
『エアベンダー』は、この世の万物の根原となる氣、水、土、火を操る四つの王国の戦争を描いた作品。カンフーは映画の大きな見せ場のひとつ。それぞれの王国にはエレメントを操るエアベンダー、ウォーターベンダー、アースベンダー、ファイヤーベンダーがおり、それぞれが異なる拳法スタイルで戦う。例えば、プレミアで映画ファンたちの視線を集めていたニコラ・ペルツはウォーターベンダーの役だが、劇中ではウォーターベンダーの拳法スタイルである太極拳を駆使して戦っている。同様に、エアベンダーは八卦掌を、ファイヤーベンダーは北部少林寺拳法を、アースベンダーは洪家拳を操り、色とりどりのカンフーが展開される。シャマラン監督はキャストに『燃えよドラゴン』を見せて勉強させたそうだ。
プレミアでは、シャマラン監督は「7才のときに『スター・ウォーズ』を見て、ぼくも映画を撮りたいと思った。『エアベンダー』は『スター・ウォーズ』のような魅力が詰まった映画です」と本作を紹介していた。すなわち『エアベンダー』はシャマラン監督の映画にかける思いの原点といえる内容になのかもしれない。火や水の戦いは、子供の頃、誰しも漫画やアニメで見たものだが、そういった子供達の憧れの世界が、迫力の実写映像となって、しかも3Dで体感できるのだからこれは楽しみである。なお本作の視覚効果は『スター・ウォーズ』でもお馴染みのILMが担当している。
メインキャストの年齢は若め。ニコラ・ペルツはこの美貌でまだ15才だから驚く。デヴ・パテルは皆さんもお気付きのように『スラムドッグ$ミリオネア』に出ていた役者だが、今回は悪役に挑戦している。『スラムドッグ』の優男な印象があまりにも強いために、なかなか悪役といってもイメージしにくいが、そこは劇中デヴがどのようにイメチェンしているか、ひとつの楽しみとしてとっておきたい。本人も『スラムドッグ』のイメージを払拭したくて出演を決めたそうだが、実はデヴは8年間マーシャルアーツをやっていて、テコンドー世界大会の銅メダル保持者だというから人は見かけによらないものである。これが初来日となったデヴは、ステージに立つなり「トーキョーサイコー!」と日本語で絶叫していた。
ジャクソン・ラスボーンは『トワイライト』シリーズで知られるティーンズに人気のスターで、プレミアでも一際大きな歓声を浴びていた。ジャクソンのこの日のコメント「東京が世界で最も素晴らしい街だと学びました」は、数ある来日スターのワンコメントの中でもこの上ないワンコメントだっただろう。
この他、プレミアでは 『龍馬伝』で有名な書家・紫舟が映画のサウンドトラックに合わせて「氣、水、土、火」の文字が浮き出るダイナミックな書道パフォーマンスを披露。さらにサッカーワールドカップ日本代表DFの長友佑都(23)選手が花束ゲストとして登場し、ステージ目前に迫り来る物凄い熱気の炎を来日ゲスト陣が和太鼓を打ち鳴らして掻き消すのを見て「ナイスディフェンスでした」と称えた。
『エアベンダー 3D』は、7月17日(土)より全国ロードショー。(文・澤田英繁)
2010/07/12 0:22