お蔵入り一歩手前!高橋克典ら熱き男たちが作り上げた『誘拐ラプソディー』

誘拐ラプソディー

3月16日(火)、新宿にて、『誘拐ラプソディー』の完成披露試写会が行われ、高橋克典(45)、林遼威(9)、船越英一郎(49)、YOU(45)、哀川翔(48)、榊英雄監督(39)が舞台挨拶を行った。

この映画、実は撮影が終わった後、出演者の一人が去年8月に不祥事を起こし、お蔵入りになるかと言われていた。しかし、その危機を、監督自らが代役を務めることで脱した。

高橋は「あるところが金を出してくれたんです。いや、お金を出して下さったんです(会場笑)。その日、奇跡的に9割5分のスタッフと、俳優の1人を除く全員のスケジュールが空いてました。監督も一言も喋らずに役に成り切ってました。その熱があったからこそ、そういう熱にうなされて(会場笑)、いや、ほだされて(会場笑)、いや、たきつけられて、ここまで来ることができました」と冗談まじりに万感の思いを語っていた。

榊監督は「ちょうどその日は9月29日だったので、僕等は”苦肉(929)の大作戦”と言ってたんですけど、すごく貴重な1日でした。変な皮肉でしたけど、この1日が映画をやっていて一番いい時間でした。皆さんに“撮り直すんだよね”と言われて背中を後押しされた思いです。改めて本当に作って良かったと思いました。映画は一人では絶対に撮れないし、映画は色々な人の出会いでできました。改めて映画はそういう人間の総合芸術といいますか、映画の強さと凄さを感じました」と今なお熱い。

役者達の信頼を得た監督の人柄について、船越曰く「僕は榊君に俳優として出会って、その後、助監督としても会ってるんですけど、監督になってみると、彼が一番わがままな監督でした。彼は映画への愛をずっと語るんですよ。だから一緒にいるのは暑苦しくて嫌なんですけど(会場笑)、本当に榊君と一緒にまた仕事をしたいと思いました」とのこと。「頭に来るのは監督は俳優としてもすごくいいんだよね」と妬みの言葉も。「監督は声が大きくて、僕は8時をすぎるとうとうとしてくるんですけど、監督が遠くで“コラー!”と怒鳴っていて、俺のことを怒ってるのかと思った」とは哀川の談。

高橋は「東京国際映画祭でたまたま榊監督と相部屋になって、“映画を作りたいですね”と話していたら具体化していったんです。そして2人で飲んでいて“ビールを一杯いいですか”と言われて“うん”と答えたらそれがオファーをオッケーしたことになっていて、気がついたらクランクインを迎えていました(会場笑)。監督は70年代が蘇って来るような熱い監督で、とにかく今までやったロジックとやったことのある芝居は一切やらないように言われました。監督も俳優なので、ちょっとした気のそれを見逃さないんですね。本当に厳しい監督で、遼威君にもよく怒鳴っていたけど、遼威君は音をあげずに涙を拭いて頑張っていた。遼威君は最初にこの監督とやってるから、他どこに行っても大丈夫ですよ(会場笑)」と話していた。

撮影現場はとても楽しい現場だったようで、船越は「突っ張ってる男たちがいて、“映画やりたい奴この指とまれ!”みたいなのに僕らがとまってる感じ。本当になんか、なんというんだろうな、明るい現場なんだけど、緊張感があるっていうかね、理想の現場でした。仕事に行くというよりも、“よーし楽しい映画を作って皆で遊ぼうぜ”という感じでした。遊びの方が皆本気になるでしょ。この映画は本気なんですよ」とこれまた熱い。

一方、紅一点のYOUは「私は母親役なのに一度も遼威君と会ってないんですよね。ずっとヤクザたちに囲まれて、まったく自分の居場所がないですし、本当に感じの悪い現場でした。気持ち的には楽しくも何ともないんですけど」と男たちとは正反対の意見で会場の爆笑を誘っていた。

誘拐ラプソディー』は、ツキに見離された男が、人生の賭けに出て子供を誘拐。その子供が暴力団の組長の息子だったことで、誘拐犯・ヤクザ・警察の敵対関係がコミカルに描かれる。『パーフェクト・ワールド』などでも描かれた誘拐犯と少年の絆が涙を誘うロードムービーの傑作だ。4月3日(土)より、角川映画の配給で、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー。

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2010/03/22 7:35

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