『ラブリーボーン』15歳の名女優シアーシャ・ローナン

シアーシャ・ローナン

『ロード・オブ・ザ・リング』でアカデミー賞に輝いたピーター・ジャクソンの最新作『ラブリーボーン』が現在公開中だ。殺された少女が、死後の世界から家族を見守るストーリーである。主演はまだ15歳のシアーシャ・ローナン。今日はシアーシャの魅力と、『ラブリーボーン』の見どころについて語る。

劇中、シアーシャ演じる少女が「私は多分キスが下手だから」と語るシーンがある。外国の映画を見ていて、キスに臆病な少女を見るのはなかなか珍しいこと。シアーシャは、恋にウブな少女の心境を見事に表現していた。

シアーシャは、これ以前にはSF冒険映画『エンバー』や戦争映画『つぐない』で主演を務めた経験がある。『つぐない』では14歳にしてアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされて話題になったばかりだ。

シアーシャは、公開に先立ってPRのために来日、1月21日(木)に記者会見に出席している。このときシアーシャはまだ15歳だが、高校生らしい初々しさを持ちつつも、時に15歳とは思えない大人の魅力をのぞかせた。記者から質問されると、ニコッと笑って元気良く答える姿がただただ可愛い。おそらく彼女の一番のチャームポイントは透き通った目だろう。シアーシャに花束を渡していた石川梨華もうっとり見とれてしまい羨望の眼差しで見ていた。

シアーシャはこの映画について「死後の世界は、私が思い描いていた通りでした。色遣いがとても綺麗で、最初見た時はびっくりしました。暮らしのアイデアが死後の世界にも使われているのが印象的で、死後の世界は一人一人が違っていて、同じじゃないんです」とコメント。「この映画を見てティーンエイジャーのロマンスの部分を感じ取って欲しい」とPRしていた。

シアーシャも絶賛する死後の世界のイマジネーション溢れるまばゆい映像美は、さすがはピーター・ジャクソン監督といったところ。シアーシャはジャクソン監督を「少年のころのエネルギーをキープしている監督」と称している。少年の空想世界がそのまま形となって映像に現れているような、そんな世界がどこまでも広がっている。

一方で、この世の苦悩し続ける家族の姿にも注目していただきたい。サスペンス映画として見ても興味深い作りである。ジャクソン監督は「ショッキングな映画だが、最後には希望がある」と日本のファンにメッセージを送っている。

忘れてならないのが音楽だ。前作『ロード・オブ・ザ・リング』や『キング・コング』とは全く違った独特の味わいがある。ある意味、この映画は非常に感覚的な映画といえるが、その分、音楽が物を言っている。サウンドトラックはロック・ミュージシャンのブライアン・イーノが担当しているが、彼は「環境音楽」の旗手であり、音で空間を表現することにかけてはその道の第一人者である。劇中、彼の既存の楽曲も使用されており、シンセサイザーが奏でるそのサウンドは、この世のものとは思えない幻想的なムードを醸し出している。ぜひエンドロールも最後まで席をたたずに、ブライアン・イーノの音の世界に陶酔して欲しい。(文・写真:澤田英繁)

『ラブリーボーン』はパラマウント配給で現在ロードショー中。

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2010/02/01 16:50

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