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「映画は女優のもの」黒木メイサ『アサルトガールズ』公開

アサルトガールズ

黒木メイサ

12月19日(土)、新宿にて『アサルトガールズ』の初日舞台挨拶が行われ、押井守監督(58)、黒木メイサ(21)、菊地凛子(28)、佐伯日菜子(32)、藤木義勝(45)が登壇した。

『アサルトガールズ』は、世界的なアニメーション作家として知られる押井監督の待望の長編実写映画である。以前発表した実写映画『ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子』と『ASSAULT GIRL 2』はいずれも短編だったためにファンを欲求不満にさせてしまったが、今回は本格的な長編実写映画。コンピュータゲームの世界を映像化して世界中のゲーマーから絶賛された『アヴァロン』以来実に8年ぶり、世界が待ちわびた新作である。しかも今回も『アヴァロン』同様にゲーム世界の映像化であり、その世界観は『アヴァロン』にも連結、どっぷりと押井守の作り出すバーチャル世界に浸れる内容になっている。以前の『ASSAULT GIRL』では佐伯日菜子、『ASSAULT GIRL 2』では菊地凛子が出演していたが、今作では今をときめく人気女優、黒木メイサを主演に抜擢。押井ワールドの世界観にならって佐伯と菊地も引き続き出演、3人の女性達が「プレイヤー」となって「ラスボス」と対決する。

押井守の世界では、押井守が造物主である。押井映画の特徴は、こだわりにこだわり抜いた創造世界の全てがリンクしていることだが(スピンオフなんてもんじゃないぜ)、そのせいか舞台挨拶ではいつも決まって押井ブランドの別商品の紹介にブレーキがかからなくなってしまう。押井監督は普段から声が小さく、うちらでは「テレコに拾えない監督」なんてあだ名がついてるくらいだが、ある意味それが鬼才的と言えなくもない。この日も相変わらず小さい声で自作小説を宣伝し、ひたすら押井ワールドを布教して信者たちから喝采を浴びていた。その中でひとつ押井監督が「映画というものは女優のものだと思うんです。この映画ができたのは3人の女優さんのお陰です」と話していたのが印象深い。

ハリウッドでも名がよく知られている菊地は、この映画について「砂漠では見えない敵と戦っていました。撮影中は皆さんとお会いしていませんが、さも一緒に撮影していたかのように映っています」とコメント。撮影風景が想像できるが、デジタル技術はここ数年で格段に向上しており、『アヴァロン』では何ヵ月何億円という労力がかかっていた加工処理も今の技術では二週間で再現できてしまうそうだ。

押井監督が「年齢不祥なところに惹かれて」という理由で起用したという黒木メイサは、セクシーな黒のワンピースで登場。21歳とは思えない大人っぽい色気を放ち、階段のところでは、その生足の太ももを撮ってやろうと虎視眈々と狙うカメラマンたちから一斉にフラッシュ攻撃を浴びていた。ステージに立ったときのそのたたずまいはまさに「黒木メイサ」。名前とイメージがぴったりである。立っているだけで画になるとはこのこと。カメラ写りの感性を重んじる押井映画にはぴったりの配役だったといえる。

舞台挨拶のネタとして、司会から「クリスマスに欲しいものは何ですか?」という質問があったが、黒木は「旅行がしたいので飛行機のチケットが欲しいです。アフリカに行きたいです」と答え観客は大笑い。さらに菊地が「私はお食事券。もつ鍋が食べたいなあ」、佐伯が「私はどこでもドアが欲しい」と答え、場内は爆笑の渦に包まれた。

続いて、おのおの2009年を漢字一文字で表してもらうことになり、黒木は自転車に乗っていたということで「走」、菊地は楽しかったということで「楽」、佐伯は子供が小学校に入学したということで「始」、藤木は一年間押井監督のお世話になったということで「押」と書いた。気になる押井監督はやっと念願の黒帯を取ったということで「身」と書き満足げ。「よかったかどうかわかりませんが、この評判が良ければ、またこういう映画を作っていきたい」と話しつつ、「だめだと思ったらまた『イノセンス』みたいなのを作ります」と言ってファンを沸かせていた。(文・写真:澤田英繁)

『アサルトガールズ』は東京テアトル配給で、テアトル新宿、池袋テアトルダイヤ他にて公開中。

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2009/12/20 2:01

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