中谷美紀の本格不倫ドラマ『スイートリトルライズ』完成

スイートリトルライズ

12月9日(水)に汐留にて『スイートリトルライズ』の完成披露試写会が行われ、矢崎仁司監督、中谷美紀(33)、大森南朋(37)、池脇千鶴(28)、小林十市(40)が舞台挨拶に立った。

この作品で、中谷美紀と大森南朋は夫婦役を演じている。それぞれが愛人をつくるという今時珍しいドロドロの不倫ドラマである。

中谷は「冬は肌が乾燥しますが、この映画を見ると潤うのではないでしょうか。ナメクジが素肌を這うような湿度の高い映画です」とコメント。ステージ上では矢崎監督のことを何度も「変態監督」と親しみを込めて呼ぶなど中谷は終始ご機嫌であった。

大森は中谷と初めてあったときの印象について聞かれ、「中谷美紀だなあと思いました」とそのまんまの返答で笑いを誘った。監督の印象については「いつも本番のときに、”よーい!・・・よろしくお願いします”って言うんですよ。その掛け声を聞く度にガクッとなる。どうも調子狂うんですよね」とコメント。ユルい撮影風景が目に浮かぶようだ。

中谷から「監督、人前なのでサングラス取って挨拶したらどうですか?」と突っ込まれるなど、監督は皆から何度もチョッカイを出されてタジタジであったが、これはそれだけ監督が皆から愛されているということであろう。

監督は最後に「忘れていた記憶に刺さってくれれば幸せです。理解しようとするのはやめて、感じて欲しいです」とまるでブルース・リーのようにまとめていた。こう書くと、ストーリーがあいまいな難しい内容の映画を想像するかもしれないが、そうではなく、ストーリーにはしっかりと太い芯がある。あまり難しく考えずに力を抜いてその世界に身を任せればいいということだろう。

僕は男性なので、どうしても大森南朋の役の気持ちになって見てしまうのだが、面白いのは中谷美紀が後から物凄く良い女に見えてくることだ。夫といるときは普通なのに、愛人と会うと途端に良い女に見えて来る。だからなんだか映画を見ていて愛人に腹が立って来たりする。これほどの気持ちを抱かせるのは、映画として成功しているということだろう。

池脇千鶴は、最初に登場するシーンからフェロモン出しまくりで物凄い存在感である。別にセクシーな格好をしているわけでもないのに、池脇のシーンを見るたびにむらむらとなる。いや、これで何も感じないのは男じゃない。映画を見ていてここまでリアルにその気にさせられるかと驚く。だから大森南朋が池脇を抱くところでは思わず心の中で「よっしゃ」とガッツポーズを取ってしまう。

この映画を女性がどう見るかはわからないが、男も女も、これを見れば、きっと何かを感じるであろう。日本映画にはあまりなかった深い大人のドラマが見たい人はどうぞ。(文・写真:澤田英繁)

スイートリトルライズ』は、ブロードメディア・スタジオの配給で2010年春シネマライズ他にて公開。

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2009/12/14 4:17

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