豪傑・角川春樹の12年ぶりの新作『笑う警官』

笑う警官

11月14日(土)、丸の内TOEIにて、『笑う警官』の初日舞台挨拶が行われ、大森南朋、松雪泰子、野村祐人、伊藤明賢、監督の角川春樹、原作の佐々木讓が登壇した。

『笑う警官』は角川春樹が12年ぶりにメガホンを取った作品。角川は「クランクインの三週間前に突然監督と脚本が変わってやることになった。クランクインが不可能と言われていた作品でしたが、その分、一気呵成に撮り上げた。鑑賞に堪えられるものができるかという責任はあったが、原作者を納得させる映画を撮るんだという気持ちで撮り続けた」と挨拶。原作者の佐々木から「最後のどんでん返しに驚いた」と太鼓判をもらっていた。

角川春樹映画、それ自体がある種のジャンルといっても過言ではない。主演に抜擢された大森は「僕は角川映画を見て育った世代。まさか角川さんの映画に主演できるとは思わなかった」と感慨無量。松雪も「私もディレクションを受けるとは思っていなかったので良い意味で緊張しました。角川監督はとても情熱を持っている温かい方です」と話していた。

大森は角川の仕事ぶりについて「ときおりチャーミングな笑顔を見せる監督。隠れタバコを吸っていました」と明かすと、角川は「タバコは1日5本までと決めていたが、1本吸うと気合いが入るんですよね。自分としては5本というのを守ったつもりなんですけど、隠れて吸って高校生みたいでした」と照れ笑い。

野村は「監督は現場で鑑識の衣装をみて、”その服いいね、5着買うから”と言って、その次の日からずっと鑑識の衣装を着ていました」と角川の豪傑ぶりについて語っていたが、角川は「なるべくかっこよくしたかった。本当はブラックベレーにしたかったけど俺には似合わないと思ったので、一歩下がって鑑識の衣装にしたんですよ」と、これでも控えめだったらしい。

伊藤は「クランクインのときに本読みをするといわれて、いきなり会議机を並べて、”よし、ここでやれ”と言われたのが印象的でした」とコメント。現場の雰囲気がよく伝わってくるようだった。

MCからシリーズ化の可能性を聞かれると、角川は「誰が監督をやるかは別ですが、ある監督が続編を考えている。ある監督というのは崔洋一のことですが、どうせ実現しないから言っていいだろう」と観客を笑わせつつ、「映画は当たればシリーズ化されるから、よろしくお願いします」と言って頭を下げた。

角川は「よく映画界では一致団結して作ったといいますが、あれは嘘ですから。ただし、僕が70本前後の作品を続けた中で、この映画はまさにみんなで作った映画になった。”私たちの映画”といった方が正確です。1回目はわかりにくいと思います。そういう風に作ってますから(会場笑)。ぜひ2回見て下さい」と最後までステージを仕切り、20分の舞台挨拶は幕を下ろした。

実際に服役したものだから作れる『笑う警官』は、東映の配給で、現在公開中。

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2009/11/23 14:35

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