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ガタカ

Gattaca
1997/アメリカ/106分
出演:イーサン・ホーク ユマ・サーマン ジュード・ロウ ゴア・ヴィダル ザンダー・バークレー アラン・アーキン ローレン・ディーン アーネスト・ボーグナイン 
監督:アンドリュー・ニコル
製作:ダニー・デヴィート、マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェール
脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:スワヴォミル・イジャック
音楽:マイケル・ナイマン
美術:ヤン・ロールフス
編集:リサ・ゼノ・チャーギン

(データベース登録者:kira

偏差値:63.6 レビューを書く

ショーゲキ的でした・・! [100点]

将来ありそうな内容でもあるだけに、すごいショーゲキ的でした。
SFというか、サスペンスというか・・。
子供の頃宇宙飛行士になりたかった私には身近に感じられ、そして心が痛む作品でした。
こんな秀逸な作品なのに、名前も知らず、PR活動もされていなかったと思うので後ろのスポンサーが大きくなかったのでしょう・・。
残念です。
人として、観るべき作品だと思います。
ちなみに個人的に、イーサン・ホークってジェームス・ディーンに似ていると思いませんか?

2011/05/16 11:47

201104148939

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科学のあり方 [95点] [参考:2]

※ネタバレを含むレビューです。
素晴らしい作品でした。

エンドロールに入っても、しばらく動けませんでした。そのくらい感動的、というかそんな言葉もチープになってしまうくらいの良作だったと思います。

こんなに心を揺さぶられる映画は久しぶりでした。

作中、ナチュラル(?)に生まれた子供を「神の子」と表現していましたが、これにはかなり衝撃を受けました。一体、科学は人類に何をもたらしたのだろうと考えてしまいました。

現在でも飛躍的に進歩し続ける科学は、どこまで進化し続けるのでしょう。そして、世界はどのくらいその科学に支配されているのでしょう。
人類の幸福と科学のあり方を問う作品だと思いました。

2008/12/07 13:30

jake

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無限の可能性を感じる秀作 [95点] [参考:2]

※ネタバレを含むレビューです。
遠景で映されるロケットの打ち上げ場面以外、特撮らしい場面のないSF映画である。いやサスペンス映画と言った方がいいかも知れない。

舞台は遺伝子操作により優秀な遺伝子のみを持って産まれた「適正者」と自然分娩により劣性な遺伝子を持って産まれた「不適正者」とに差別されている近未来である。

宇宙飛行士を夢見る男ビンセント(イーサン・ホーク)は「不適正者」であるためその夢を拒まれている。

しかし夢を諦めきれない彼はある方法により「適正者」として宇宙局「ガタカ」に入り訓練を受けている。

努力の結果、優秀な成績を維持するビンセントであるが、日々の生活の中で自分が「不適正者」であることがいつ発覚するかも知れない不安や恐怖が潔癖症と誤解されるほどの彼の行動から伝わってくる。

ある出来事により彼が「不適正者」であることを知っても愛し続ける女性アイリーン(ユマ・サーマン)がいい。

だが彼女以上にいいのが、別の目的でビンセントに協力する男ジェローム(ジュード・ロー)であり、次第にビンセントに共感し友情を深めていく。

この作品で初めてジュード・ローを知りその廃退的なオーラを放つ美青年ぶりに驚いたが、なぜかその後の作品からはオーラを感じないのは彼が次第に演技派になっていったからであろうか。

「ガタカ」で起こった殺人事件の容疑がビンセントに向けられ、刑事となったビンセントの弟が「ガタカ」を訪れることによりサスペンスは最高潮に達する。

ラスト、念願の宇宙飛行士となったビンセントは搭乗前の最後の検査で「不適正者」であることを医師に知られてしまう。

だか医師はすべてを知った上でビンセントを送り出す。彼には人生を決めるのは優良な遺伝子ではなく、目的に立ち向かう強い意志であることが分かっているのであろう。

ビンセントが宇宙に旅立った時、ジェロームもまた最後の旅に出るが、ビンセントにすべてを託したその旅立ちには涙せずにはいられない。

どちらかと言えば地味な作品であるが、その美しさと切なさと悲しさとそして何よりも彼らの生き方はSF映画としてもまたサスペンス映画としても心に残る名作である。

願わくばこのような未来が来ないことを祈りたい。

2008/11/14 22:12 (2009/11/07 06:25修正)

kira

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