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イーグル・アイ

Eagle Eye
2008/アメリカ/角川映画=角川エンタテインメント/118分
出演:シャイア・ラブーフ ミシェル・モナハン ロザリオ・ドーソン マイケル・チクリス アンソニー・マッキー ビリー・ボブ・ソーントン 
監督:D・J・カルーソー
http://www.eagleeye-movie.jp/

偏差値:54.9 レビューを書く 読者レビュー(3) 予告を見る

 デジタル・テクノロジーの急速な進化は、私たちの日常の利便性を飛躍的に向上させ、新次元のライフスタイルやエンターテインメントを提供してくれた。もしも、それらのテクノロジーが何者かの支配下に置かれ、一般市民に牙を剥いたらどうなってしまうのだろう。つねに時代の一歩先を見すえる希代のヒットメーカー、スティーブン・スピルバーグが、初めてこのアイデアを思いついたのは約10年前のこと。当時、それは奇想天外なSFの域を出なかった。しかし身近なツールから社会インフラまでが緻密にネットワーク化された21世紀の今、スピルバーグが見た夢は恐るべき現実へと変貌を遂げたのだ。


 コピーショップの店員ジェリーは、理想の人生を探し求めて気ままに生きている。生活は苦しいけど、束縛されるのは大嫌い。でも自分が本当にやりたいことが見つからない。世界中のどこにでもいる今どきの若者の見本のような存在だ。

 そんなある日突然、ジェリーののどかな日常が崩壊した。いわれなきテロ容疑でFBIに拘束されてしまったのだ。国家の敵と見なされたジェリーの命運を握るのは、彼の携帯に連絡してきた正体不明の女の声。その声の主はジェリーの個人情報すべてを把握済みで、携帯、ATM、監視カメラ、電光掲示板、交通信号、GPSなどを自在に操り、彼の行動を徹底的に監視&コントロールしていく。当局に追われる身となったジェリーは、同じく謎の女に導かれたシングルマザー、レイチェルと合流。やがてふたりは"アリア"と名乗るその姿なき女が敵か味方かもわからぬまま、超大国アメリカを激震させる巨大なミッションの遂行を強いられていくのだった......。


テクノロジーに翻弄される恐怖
ごく普通の男女を巻き込む
驚愕のミッション
謎の女"アリア"とは何者なのか!?

 携帯電話、街なかの監視カメラや電光掲示板などを通して、次から次へと"アリア"からジェリーとレイチェルに下される無茶な指令の数々。ノンストップのストーリーが進むごとにミッションの難易度&危険度はぐんぐん高まり、事態は国家の危機管理体制を揺るがす極限レベルにまでスケールアップしていく。ジェリーとレイチェルが巻き込まれた理由や、彼らに課せられたミッションの最終目的は一切不明。この世のありとあらゆるテクノロジーを手中に収めた"アリア"の神懸かり的な影響力の背景も謎に包まれている。

 観る者はごく普通の一般市民であるジェリーとレイチェルの日常がわずか数時間のうちに激変し、テクノロジーに容赦なく翻弄されていく様を愕然と見届けるほかはない。序盤から惜しみなく連打される予測不可能なスリル。地下鉄、市街地、国際空港などで息つく間もなく繰り広げられる圧倒的な臨場感のチェイス・シーン。そして用意周到に張り巡らされた謎と伏線が、ひとつの真実へと結びついていく怒濤のクライマックス。テクノロジーの脅威というテーマをかつてないハイパー・リアリズムで映像化し、現代の不穏な国際情勢までも鋭く視野に入れた『イーグル・アイ』は、まさに21世紀の最先端を疾走するサスペンス・アクション超大作として完成した。


共感度NO.1の若手トップスター、
シャイア・ラブーフが体当たりで魅せる
"大切なもの"を守るための
命懸けの闘い

 垂直降下のジェットコースターに縛りつけられたかのように、究極の非日常に引きずり込まれていく主人公ジェリーに扮するのはシャイア・ラブーフ。2007年の大ヒット作『ディスタービア』『トランスフォーマー』に続く本年公開された『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』で世界中を魅了し、ハリウッドの若手トップスターの座にのぼりつめた"スピルバーグの秘蔵っ子"が、持ち前の親近感溢れる魅力全開でスクリーンを駆け抜ける。エリートの兄に対する劣等感を抱いていた負け犬青年ジェリーが、思わぬ不屈のガッツを発揮して苦難に立ち向かう姿が熱い共感を呼び起こす。幾度となくいがみ合いながらもジェリーと運命を共にするレイチェル役は、『M:i:?』『近距離恋愛』のミシェル・モナハン。この手の映画にありがちなロマンチックな展開とはひと味違う形で固い絆を育んでいくジェリーとレイチェルが、それぞれの大切なものを守るために命を懸けるドラマも大きな見どころとなる。

 そして企画立案者で、本作の製作総指揮も務めるスピルバーグからメガホンを託されたのは、『ディスタービア』で全米チャート10週連続トップテン入りの快挙を達成したD・J・カルーソ。『ディスタービア』で多彩なデジタル・ツールを巧みにサスペンスに応用した気鋭監督が、この初めての超大作でも物怖じせず緩急自在の演出力を披露する。また、ハリウッド屈指の怪優ビリー・ボブ・ソーントンがモーガン捜査官に扮し、ただの追跡者にとどまらない味のある脇役を妙演するのも見逃せない。さらに『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのダリウス・ウォルスキーが撮影監督を務め、『コンスタンティン』『ランボー 最後の戦場』のブライアン・タイラーが音楽を担当。満を持して念願の企画にゴーサインを出したスピルバーグのもとに、選りすぐりの才能が集結した。

STORY

 コピーショップの単調な仕事で食いつないでいるジェリー・ショーは、今どきのごく平凡な青年だ。大学を中退して以来、定職に就かず気ままな人生を送ってきたが、結局のところ自分が何をやりたいのかわからない。ろくに家具もないアパートの自室は質素というより殺風景で、銀行預金の残高は乏しく、家賃の支払いも滞りがちだった。

 そんな退屈で冴えない日常にどっぷり浸かっていたジェリーのもとに、一卵性双生児の兄イーサンが急死したとの知らせが届く。葬儀に出席した彼は、自分と瓜ふたつのイーサンの遺体と複雑な思いで対面。少年時代から成績優秀でエリート街道を歩み、国防総省に勤務していたイーサンはショー家の誇りだった。それに引き替え、出来の悪い弟と周囲に見なされがちなジェリーは、ずっとコンプレックスを抱えて生きてきたのだ。

 疎遠だった父親との気まずい再会を果たしたのち、とぼとぼと帰路についたジェリーはATMに立ち寄る。すると"751,000ドル"というありえない巨額の残高が表示され、大量の100ドル札が溢れ出てきた。あまりにも幸運な機械の変調に首をひねりながら帰宅したジェリーが、その金で家賃の支払いを済ませると、部屋にぎっしりと無数の荷物が届いていた。偽造パスポート、拳銃、双眼鏡、無線機器、化学薬品、航空マニュアル......。キツネにつままれたような気分のジェリーの携帯が鳴った。

「30秒でFBIが到着する。今すぐ逃げなさい」

 まったく聞き覚えのない女のクールな声。「誰だ。何のことだ!」そうジェリーが聞き返した次の瞬間、物々しく武装したFBIが部屋の中に飛び込んできた。為す術もなく拘束されたジェリーは、取調室でテロ対策専門のFBI捜査官モーガンに厳しく追及される。「人違いだ。誰かにはめられたんだ」必死の訴えも空しく、ジェリーはテロリストと断定されてしまう。

 尋問の合間に電話をかけることを許されたジェリーが受話器を取ると、再びあの女の声が聞こえてきた。

「逃げろと言ったでしょう。10秒あるわ......床に伏せなさい」

 凄まじい轟音が響き、ジェリーが倒れ込んだそのフロアは一瞬にして崩壊した。混乱にまぎれて逃亡したジェリーは、駅の電光掲示板に表示されたメッセージに従い、何が何だかわからぬまま地下鉄に乗り込む。

 その後も女からの指示を受け、ジェリーはある車の中に転がり込んだ。運転席には見知らぬ女が座っていた。レイチェルという法律事務所で働くシングルマザーだ。彼女もジェリー同様、幼いひとり息子サムを楽団の演奏旅行に送り出した後、正体不明の女から「息子のために命を懸けられるか」と電話で告げられ、ここに導かれてきたのだった。モーガン捜査官と何台ものパトカーに追われるはめになったジェリーとレイチェルは、車のスピーカーから聞こえてくる女の声に助けられ、激烈なカーチェイスの末、からくも逃げのびた。

 港から船に移って一夜を明かしたふたりは、女からの新たな指示によって移動を開始する。ジェリーはあらゆるテクノロジーを操作してみせる女の強大なパワーに底知れない恐怖心を抱いていた。もしやこの一連の出来事は、国防総省に勤めていたイーサンの死と何らかの関連があるのではないか。一方、レイチェルは人質にとられたサムの身を案じ、胸が張り裂ける思いを味わっていた。

 女が指示した鉄塔のたもとに到着したふたりは、車でやってきた中東系の男から何かの鍵を渡される。すぐにその場を立ち去ろうとした男は、まるで生き物のように襲いかかってきた電線に焼き尽くされ、壮絶な死を遂げてしまう。非情な現実を目のあたりにして呆然とするジェリーとレイチェルは、自分たちには女に服従する以外の道はないのだと思い知らされる。ふたりは激しく対立しながらも車でインディアナポリスへと向かい、銃をふりかざしてブリーフケースを強奪するという女からの新たな命令を遂行した。そのブリーフケースには、不気味に時を刻むデジタルタイマーが備え付けられていた。

 その頃、ジェリーらを追跡するモーガン捜査官は、空軍の特殊捜査官ペレズと連携し、事件の真相を探っていた。これは単なるテロ問題ではなく、国家のトップ・シークレットに触れるようなとてつもないスケールの陰謀なのではないかと。国防長官カリスターに接触したペレズはその核心に迫り、"イーグル・アイ"という謎めいたキーワードに突き当たる。

 インディアナポリスでの危ういミッションをクリアしたジェリーとレイチェルは、あるショッピングセンター内の人目につかない一室に通された。相変わらず姿を見せようとしない女が、その部屋の幾つものモニターに映し出したのは、ふたりが彼女の協力者として"選ばれた"驚くべき理由だった。

 そして、女の名前は"アリア"だという事実が判明する。はたして"アリア"とは何者なのか。そして"イーグル・アイ"とは何を示すコードネームなのか。これまでの負け犬人生で失った自尊心を取り戻そうとするジェリー。自分の命に替えても、愛息サムを守り抜こうとするレイチェル。やがてその決意を胸に秘めたふたりは、ブリーフケースを携えて空港へと向かい、超大国アメリカを根底から揺るがすほど壮大なミッションのクライマックスに突き進んでいくのだった......。


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