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GSワンダーランド

2008/日本/日活=デスペラード/100分
出演:栗山千明 石田卓也 水嶋ヒロ 浅利陽介 高岡蒼甫 温水洋一 武田真治 大杉漣 杉本哲太 岸部一徳 
監督:本田隆一
http://www.gs-w.jp/

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● ストーリー 

1968年。日本中の若者が憧れる日劇ウエスタン・カーニバル。日劇前に、野心を燃やす一人の女が立っていた。名前は大野ミク(栗山千明)。歌手を目指し、北海道から家出同然で上京してきた。一方、音楽を志す若者のたちの登竜門であるライブハウスACEでは、ザ・ナックルズのリーダー、タツオ(高岡蒼甫)が、ドラムのシュン(水嶋ヒロ)とベースのケンタ(浅利陽介)にビートルズに関する極秘情報を吹き込む。曰く「ポールとリンゴが秋田に来ている」。実はこれ、ふたりをバンドから体良く追い出すための真っ赤なウソ。しかし、素直なふたりはタツオの言葉を信じ、一路秋田を目指すのだった。同じ会場には、熱い視線でステージを見つめるマサオ(石田卓也)がいた。GSに憧れるマサオの髪型は、見事なマッシュルームカット。大学進学を諦めて、日劇のステージに立つと宣言するが、無謀すぎると友達も呆れ顔だ。
 日本全国で吹き荒れるGSブームにあやかろうと、演歌専門のファインレコーズでも新人バンドを探していた。GSレーベル担当者に立候補した佐々木(杉本哲太)は、松田社長(岸部一徳)や鎌田専務(大杉漣)などの上層部に、3ヶ月でGSバンドをデビューさせよと命じられる。佐々木は早速、弱小プロダクションを営む梶井(武田真治)に無理難題を押しつけ、スカウトに走らせた。
 1968年秋。ひょんなことで知り合ったマサオ、シュン、ケンタは、GSバンド、ザ・ダイアモンズを結成。3人がオリジナル曲「ベニスの夜空」を練習していると、歌声を聞きつけた梶井にデビューを持ちかけられる。しかし、佐々木が用意していたデビュー曲は、オルガンがメイン。窮余の策で、梶井は以前、事務所に押しかけた歌手志望のミクを男装させて、ミックと称して新メンバーにしてしまう。交換条件はミクのソロデビュー。急ごしらえでデビューが決まった4人は、合宿生活まで始めて、ミックの真実を隠蔽するのだった。
 ついに、ザ・ダイアモンズのデビューシングル曲「君にヘイ!ヘイ!」がリリース!! 気になる売り上げは、ファインレコーズ始まって以来の最低記録の23枚。追い込まれた佐々木は、バンドのイメージ刷新に着手する。キャッチコピーは<タイツをはいてニュー歌謡>。新曲は「ブルー・ライト・ヨコハマ」の名コンビ、橋本淳&筒美京平による「海岸線のホテル」で、ロマンチック路線に大変更。4人は白タイツにフリルいっぱいのかわいい王子様風ファッションをあてがわれ、ふんわりマッシュルームヘアに変えられた挙げ句、バンド名も“ザ・タイツメン”に改名させられて、再デビューとなった。屈辱と挫折感でいっぱいだったが、4人は日劇を目指すために、大人たちに従うほかなかった。
 すると、ジャズ喫茶ACEのライブで“ザ・タイツメン”の人気に火がつく。注目の的は中性的な魅力のミックだ。妙子(三倉茉奈)、明美(三倉佳奈)を筆頭とする熱狂的な追っかけも発生し、ライブでは失神者が続出。マスコミもミック人気を煽り立て、“ザ・タイツメン”はスター街道を走り始めた。先にデビューした因縁のバンド、ザ・ナックルズもやっかむほどに…。
 夢だった日劇のステージにあと一歩。セカンドシングルも決まり、順風満帆だった彼らを、大トラブルが襲う。カメラマン(片桐仁)が、ミックの「あるもの」を盗撮したのだ。この写真が世に出たら、日劇はおろか、バンド存続すら危うくなる。
どうする、ザ・タイツメン!?

● イントロダクション
どんな時代にも、夢に向かってひたむきになる若者がいる。振り返ったとき、その夢が時代遅れで笑ってしまうようなものであっても、そのときの彼らは熱く輝いていた…。
『GSワンダーランド』が描くのは、憧れの日劇のステージに立つ夢を叶えるために、音楽に青春を賭けた若者4人の姿。飛び込んだショービジネスの世界で大人たちの都合に翻弄されながらも、へこたれずに夢を追い続ける彼らが、60年代後半に一大ブームとなったGS<グループ・サウンズ>の不思議な世界へと導いていく。
 1966年のビートルズ来日公演に影響され、日本でも楽器を手にした若者たちが次々とバンドを結成。その後、GSブームが突如花開き、本格プロ志向のバンドから、数打ちゃ当たるかのように粗製乱造されたバンドも数知れず。ザ・タイツメンもブームを後追いして、急遽デビューさせられたバンドの一つだった。フリフリな王子様スタイルに、白いタイツと編み上げロングブーツ。ふんわりマッシュルームカットで統一したメンバーの中で、女の子たちが目をつけたのは、美形のキーボード、ミック。ところが、このミック、実は女。歌手志望のミクがソロデビューを交換条件に、男装してメンバーに入ったのだ。日劇ウエスタンカーニバル出演を目標に、マサオ、シュン、ケンタと共に一致団結して、4人はデビューシングルのヒットを狙うのだった。
 60年代にたった2年半しか続かなかったGSブームに21世紀から飛び込み、ザ・タイツメンを演じたのは、『キル・ビル Vol.1』『死国』『エクステ』などで強烈な個性を発揮し、今回は男装にも挑戦した栗山千明(ミク)、『蝉しぐれ』で鮮烈なデビューを飾り、本作では見事な歌声まで披露する石田卓也(マサオ)、『仮面ライダーカブト』や「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」で大ブレークした水嶋ヒロ(シュン)、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』「コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜」の若手個性派の浅利陽介(ケンタ)といった映画やTVドラマ等で大活躍中の4人。栗山以外は楽器に触るのも初めての状態から特訓を重ねた上に、当時を再現した王子様スタイルにも果敢に挑戦してザ・タイツメンになりきった4人に拍手を送りたい。彼らをデビューさせるレコード会社社長には、GSブームの渦中にいた元ザ・タイガースの岸部一徳を配し、武田真治、大杉漣、杉本哲太といった実力ある個性派俳優が集結し、当時の音楽業界をリアルに再現している。また、ザ・タイツメンに対抗するバンド、ザ・ナックルズの高岡蒼甫や、同じレコード会社に所属するフレッシュフォーの温水洋一など、歌唱力でも魅せる俳優たちにも注目だ。
 音楽は、GSを作り上げた才能が奇跡的に再結集!ザ・タイツメンが歌う主題歌は当時ヒットを連発した橋本淳(作詞)&筒美京平(作曲)のゴールデンコンビが、新たに書き下ろした「海岸線のホテル」。清潔で明るい恋を連想させる詩に、ちょっぴり切なさを漂わせるメロディが、今の時代に新鮮に響く。劇中曲は、当時のGSに加えて、ネオGSの雄、サリー久保田らが新たに制作したオリジナルGS10曲という凝り様だ。GSブームからちょうど40年経ち、GS再評価の流れが強まっているだけに、音楽業界からの注目度も高い。
 監督は、『東京ハレンチ天国・さよならのブルース』が、2001年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門でグランプリを受賞、海外の映画祭でも絶賛を浴びた本田隆一。その後も、ナンセンスでシュール、エンタテイメント性を貫く作品を連発している。監督自身、高校時代からGSの大ファンであり、熱い思いで本作を結実させた。
 ビートルズやローリングストーンズを和風にアレンジしていたはずのGSが、なぜ、青い目、王子様、白いテラス、ガラスの人形というフレーズに代表されるような、とんでもメルヘンの世界に迷走していったのか?大人たちに翻弄されたザ・タイツメンのその後は? はかなくも消えていった若者たちのキラキラとした青春の1ページを、こだわりのGSサウンドと60年代のサイケなビジュアルで見せる音楽青春映画がここに誕生した!

11月15日(土)より、渋谷シネマGAGA!、シネ・リーブル池袋、シネマート新宿他全国ロードショー


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